時代をつないで 大阪の日本共産党物語

第100話 政治対決の弁証法

「野党連合政権」を掲げて――21年総選挙

「安倍政治でも維新政治でもない、新しい政治を」と呼び掛けた「市民アピール」の発表を受けて、野党代表らが語り合った政策フォーラム=2020年6月13日、大阪市中央区内

 2021年10月31日投開票の総選挙は、「野党連合政権」への扉を開くため、①「市民連合」と日本共産党、立憲民主党、国民民主党、社民党、れいわ5党首による「共通政策」合意・調印、②日本共産党と立憲民主党との「政権協力」合意、③全国200の「選挙協力」が実現するという画期的な展開のなかでたたかわれました。
 大阪では19年11月、大阪革新懇主催の「立憲野党シンポジウムin大阪」、20年6月には元大阪市長の平松邦夫ら6氏のよびかけによる「政策フォーラム」が立憲5野党せいぞろいで開かれました。
 日本共産党大阪府委員会は10月13日、記者会見で「立憲民主党、社民党とそれぞれ協議し、大阪5区・17区で立憲民主党は候補者をださず、わが党候補に一本化し、2区・6区・8区・10区・11区・16区ではわが党が候補者をださず立憲民主党候補に一本化すること、社民党とは9区と17区で相互推薦をおこなうことを確認しました」と発表します。

激しい巻き返し攻撃のなかで     

 「自公政権か、野党連合政権か」――対決構図がうきぼりになるなかで、危機感にかられた自公政権と維新による「野党共闘は野合」「共産党は暴力革命」などの攻撃は激しさを増しました。総選挙の結果は、「共闘勢力」で一本化した全国59選挙区で勝利し、自民党の重鎮や有力政治家を落選させ、33選挙区で自民党候補を僅差まで追い上げました。勝利した選挙区の9割は各党の比例代表得票合計以上の得票がでており、「共闘効果」は明瞭でした。
 しかし、「政権交代」はなしえず、日本共産党は近畿ブロックで現有2議席を維持したものの、全国的に後退。大阪では維新が比例得票で170万票を得、15小選挙区で勝利しました。
 日本共産党第4回中央委員会総会は、野党共闘と日本共産党が、支配勢力に攻め込み、追い詰める中で、相手も必死の攻撃で応える――〝政治対決の弁証法〟という角度から、選挙結果をとらえ、活動を検証し、今後の教訓を引き出すことを強調しました。維新の伸張については、「共闘の大義・魅力を伝えきれなかったことが、自公の補完勢力=日本維新の会の伸長という事態を招いた一因となりました」とのべました。

党創立100周年の年。22年参院選  

 22年、党創立100周年の新年にあたり、府委員長の柳利昭は大阪民主新報の新春インタビューで、日本共産党にとっての「新しいステージ」で直面した新たな攻撃、困難にふれつつ、同時にこれを「突破すれば大きな新しい展望がつかめる」とのべました。
 3月、党創立100周年事業として新しい大阪府委員会事務所が玉造の地で竣工します。4万人以上の方々から4億2千万円の募金が寄せられてのものでした。
 7月10日投開票でたたかわれた参院選で、大阪は比例代表で26万5986票(7・10%)、3議席にとどまり、大阪選挙区は、たつみコータローが33万7467票(9・0%)、議席奪回はなりませんでした。日本共産党大阪府常任委員会は教訓を深く掘り下げ、改憲阻止、くらし擁護、カジノ・ストップのたたかいを広げ、野党共闘と世代継承・党建設へ、新たな決意で臨むことを声明でのべました。
 7月15日、日本共産党は創立100周年を迎えました。平和と自由をかかげ、新たな時代をつないで、未来へと歩み続けます。(完)

(大阪民主新報、2022年7月17日号より)

 

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