おおさかナウ

2025年11月22日

公教育の責任を放棄 府教委
15年で32校を廃校に
府立高校つぶし方針を決定

 大阪府教育委員会は10日に教育委員会会議を開き、府立高校を今後15年で32校程度減らすことが適正だとする「府立高校改革アクションプラン」、定員割れを理由に府立門真西高校(門真市)と、府立懐風館高校(羽曳野市)の2027年度からの募集停止を、賛成多数で正式決定しました。

門真西・懐風館を募集停止

 署名を提出する大阪の高校を守る会の人たち=7日、大阪市中央区内


署名を提出する大阪の高校を守る会の人たち=7日、大阪市中央区内

 府立高校改革アクションプランは、人口推計を基に今年度中に生まれた子どもが15歳に達する2040年度の府内公立中学卒業者数が、24年度の4分の3になると見込み、適正学校数を32校減の104校程度とするなどの内容。3年連続で定員割れし、改善が見込めない府立高校を、再編整備対象にすると定めた府立学校条例に基づき、門真西、懐風館の2高校を再来年に募集停止にするものです。
 大阪の高校を守る会は、大阪府教委に8350筆の署名を提出(7日)し、「少子化だからといって高校をつぶすのではなく、少子化をチャンスに教育条件を改善してほしい」と訴え。地元関係者も「子どもたちや地域の声を聞く場を持ってほしい」などと募集停止案の撤回を要望していましたが、これらの地元意見に言及する発言はありませんでした。
 大阪の高校を守る会は同日、抗議声明を発表。アクションプランについて、「財政効率優先で、子どもたちの教育条件改善に背を向けるもの」だとし、門真西・懐風館2校の募集停止決定について、「子どもたちの学ぶ権利を奪い、公教育の責任を放棄するもの」だと批判。「署名に寄せられた府民の思いを踏みにじり決定を強行したことは断じて容認できない」とし、来年2月府議会への請願書提出に向けて、オンライン署名などに全力を挙げると表明しています。

維新府政で廃校になった府立高校(予定含む)

 維新府政のもとで募集停止・廃校(予定含む)とされた公立高校は次の通り。()内の数字は募集停止開始年度。
池田北・咲洲(2016)、西淀川(2017)、大正(2018)、柏原東・長野北(2019)、勝山(2020)、南・西(2022)、島本・茨田・泉鳥取(2023)、平野・かわち野・美原(2024)、西野田工科・布施工科・生野工業(2025)、大正白稜・福泉(2026)、泉尾工業(2028)。

日本共産党府委が抗議声明

 日本共産党大阪府委員会は10日、府教委が正式決定した「府立高校改革アクションプラン」と府立2高校の募集停止決定に対し、強く抗議し、撤回を求める声明を出しました。声明はこちらをクリックしてください。

(大阪民主新報、2025年11月23日号より)

 

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