おおさかナウ

2020年03月08日

第33回法定協議会
具体策見えぬ災害対策・体制
山中智子大阪市議が批判

 大阪市を廃止して「特別区」に分割する、いわゆる「大阪都」構想の制度案を議論する大都市制度(特別区設置)協議会(法定協議会)の第33回目の会合が2月26日、府庁内で開かれました。「特別区」での災害対策や職員体制などを確認しましたが、日本共産党の山中智子大阪市議の指摘で、制度案のでたらめぶりが、さらに浮き彫りになっています。

市民優遇措置 維持できる保証なし

災害時対応で批判が出る中

15大阪市会_城東区_山中智子 制度案では、独立した自治体である「特別区」に新庁舎を造らず、「淀川区」と「天王寺区」は「北区」の庁舎(現在の大阪市役所本庁舎)を共同利用する「合同庁舎」となっており、「基礎自治体とは言えない」「災害時にどう対応するのか」との批判が出ています。
 各「特別区」内では、現在の行政区に対応する区域を「地域自治区」とし、その事務所で住民票をはじめとする窓口サービスなどの業務を実施。しかもその事務所の名称は「区役所」にするという複雑さです。
 制度案づくりを担う副首都推進局は、各「特別区」内で「区役所(地域自治区事務所)」に配置される職員数が、現在の行政区の区役所よりも多いとする試算を提示。維新や公明党は「区役所は残る」「総力を挙げて災害対応ができる」などと述べました。

増える職員を詰め込む案だ

災害対策の職員体制などが議論になった第33回法定協議会=2月26日、府庁内

災害対策の職員体制などが議論になった第33回法定協議会=2月26日、府庁内

 山中氏は、「特別区」設置で増える職員を詰め込むため、「区役所(地域自治区事務所)」には今より職員はたくさんいるが、具体的にどう動いて災害対応に当たれるのかが見えてこないと指摘。「淀川区」の建設局や住宅局の本庁機能が中之島庁舎にあった場合、職員が淀川を越えて「淀川区」域で災害対応できるのか分からないと強調しました。
 現行の大阪市では、区役所の時間外に災害が発生した時に、職員は一番近い区役所に出勤する「直近参集者制度」があるが、「特別区」に分割されると参集できる範囲が狭くなり、体制が薄くなると指摘。「“区役所(地域自治区事務所)にこれだけ人がいるから安全だ”と言って、大阪市をつぶすかどうかという住民投票への説明が、事足りたというのは違う」と主張しました。

職員の体制は議論15分だけ

 山中氏が「災害時の指揮系統が見えない」と述べたのに対し、維新は「ここですべて議論するのは不可能。(『特別区』への)移行期間中にしっかりと計画する」などと主張しました。
 山中氏は、「住民投票で可決された後で決めるというのでは、非常に不安だ」と批判。松井一郎大阪市長は「いまよりましになる」と強弁し、職員体制の議論は約15分で打ち切られました。

大阪市廃止で府立の施設に

大阪市民優遇措置 現在、大阪城天守閣や天王寺動物園などの大阪市立施設には、65歳以上の大阪市民を無料にするなどの優遇措置があります(表)。これらの施設は大阪市が廃止されると、府立になるため、「特別区」の区民には、優遇措置がなくなるのではないかという不安が、市民の間で広がっています。
 副首都推進局は、これまで「府において適切に処理される」と答弁してきました。ところがこの日の法定協議会では一転して、公明党の要求を踏まえて、「維持するものとする」との方向性を示しました。
 山中氏は、優遇措置を継続するかどうかは、あくまで府や府議会の裁量に委ねられるもので、前もって拘束することはできないと指摘。「『維持する』と書いたところで、続く保証はない」と述べました。

(大阪民主新報、2020年3月8日号より)

月別アーカイブ