おおさかナウ

2020年02月09日

維新とのたたかい
――大阪の日本共産党の真価を発揮して

 解散・総選挙での市民と野党の共闘の勝利、日本共産党躍進とともに、カジノ問題で維新を追い詰め、11月に強行されようとしている「住民投票」へ向けた大阪のたたかいについて、日本共産党大阪府委員会の「都構想・カジノストップ 維新政治ノー 闘争本部」責任者の中村正男さんに聞きました。

中村正男さん(日本共産党府「都構想・カジノストップ 維新政治ノー 闘争本部」責任者)に聞く

「二重の逆流」打ち破る大阪の党の責務

中村正男さん

中村正男さん

――日本共産党第28回党大会でも維新とのたたかいが据えられましたね。
中村 維新はいまの国会でも、衆院代表質問で「桜問題の野党の追及は猿芝居」「カジノ汚職問題とIR推進は別」と安倍政権をかばい、「改憲議論に指導力を」とあおる最悪の補完ぶりを示しています。
 党大会は安倍政治を終わらせ、野党連合政権を実現する上で、この維新を打ち破ることを呼び掛けました。
 大阪は、あらゆる分野で安倍政権と維新政治、「二重の逆流」とのたたかいのさなかにあります。ここで維新を打ち破ることの全国的意義を捉えて大奮闘したいですね。

「維新政治ノー闘争本部」、府党の力を一つに

――府委員会の「闘争本部」設置と活動がメディアでも紹介されていました。
中村 参院選直後から、「維新政治ノー・闘争本部」を設置しました。大阪市内の地区委員長・行政区責任者・議員団・各分野(タテ線)幹部を一堂に会した会議も、9月から毎月開いています。
 今年は、予想される解散・総選挙で市民と野党の共闘の勝利と日本共産党の躍進を勝ち取る。大阪ではカジノ問題で維新を追い詰め、11月に強行しようという「住民投票」で政治的決着をつける――2つの大きな政治課題があります。
 9日の府党会議を機に、「日本共産党の押し出し」と「カジノ・都構想批判」を一体に進める「JCP大阪」を毎月発行することや、「希望ある政策」の提起、SNS発信なども進めていきます。

矛盾と破綻が、くっきりと

テレビ討論でも大阪市廃止・解体の問題点と共に、各党の立ち位置が浮き彫りに=1月9日(関西テレビから)

テレビ討論でも大阪市廃止・解体の問題点と共に、各党の立ち位置が浮き彫りに=1月9日(関西テレビから)

――「大阪市廃止・解体=都構想」をめぐる現局面をどう見ますか。
中村 「法定協議会」では年末に「基本方向」を「採決」し、1月末に「協定書案」を出してきました。
 この間の議論で各党の立ち位置がくっきりしています。①「百年の大計」というべき大都市制度を自らの政治的野望の道具にし、何重にも歪め、乱暴、ずさんに強行する維新・公明――公明党は保身のために態度を一八〇度変え、テレビ討論でもいまの案に「100点」をつけ、失笑を買いました。②府連指導部が「維新すり寄り」を策したが、広く保守層、支持層の反発を受け、「是々非々」と言いながらも、「基本方向」に「反対」の態度をとった自民党。③野党各党もそろって「反対」を表明する中で、これらの党との共同を進めつつ、大阪市議会や「法定協議会」で唯一足場を持ち、正面から反対の立場で論陣を張る日本共産党です。
 維新の野望と「数の力」を甘く見てはなりません。しかし、「維新・公明の野合」は、新たな矛盾と破綻を呼び起こしています。
 この間の議論を通じても、権限・財源を奪われた「特別区」が、「市民サービス」を「向上」すると言えなくなった。「敬老パス」や18歳までの医療費助成をはじめ、いまのサービスを「維持」できない危険が明らかになりつつあります。
 また、公明党の主張で新たな「特別区役所」は建設しないとしたため、新「淀川区」では8割の職員が、淀川を越えた「中之島合同庁舎」に詰めます。自分の自治体に大半の職員がいないという「離島」並みの姿です。
 さらに「府」と「特別区」の「財政調整」も、東京都とは違って地方交付税を受けなければやっていけない大阪で、結局は「府」の言いなりにならざるを得ないことも浮き彫りです。
 「協定書案」は「バージョン・アップ」どころか、もはや「自治体」の体さえなしません。山中智子市議団長が「いまの案の問題点がそのまま伝わるなら、住民投票で負けるはずがない」と訴えていますが、私もそう思います。

「大阪府の大変質計画」をストップさせる

――「大阪府」との関わりも強調されていますね。
中村 「都構想」は「大阪市解体」にとどまらず、府民福祉を向上させ、市町村を補完するという大阪府本来の使命を放棄する「大阪府の大変質計画」です。
 かつて黒田革新府政は、大阪市を含む全市町村を補助して「老人医療無料化」に道をつけ、日本一の公害規制や高校・保育所の増設など、府民福祉向上へ、府の役割を存分に発揮しました。こうした住民サービスから府はどんどん撤退する。「カジノ」や湾岸中心部の危険な開発のみに熱中し、衛星都市はおいてけぼり。そもそも「統治機構の改革」「司令官は一人でいい」という松井代表の発言も、府民、議会、市町村をなおざりにするもので、「自治体」とは異質、無縁です。

「大阪は一つ」、共同の力、日本共産党の力で

 ――これからのたたかいで大事なことは。
中村 「カジノストップ」「大阪市廃止・解体ノー」は野党各党と一致しており、「市民と野党の共闘」で、保守層を含む広範な市民と共に維新を打ち破っていきます。
 同時に日本共産党は、これまで大都市・大阪における政令市の役割発揮をゆがめてきた「財界主導・オール与党」と対峙してきた政党です。改革の展望は「大阪市の破壊」ではなく、「政令市・大阪市の力をちゃんと市民の暮らしに使う市政への改革」にあります。この点で希望ある方向を議会内外で示すことができる政党です。また日本共産党は共同で政治を変える――市民と野党の共闘で安倍政権も、維新政治も変えることを綱領的立場にしている政党です。
 この日本共産党ならではの力を論戦でも、共同でも、草の根のたたかいでも発揮することを心から呼び掛けます。

(大阪民主新報、2020年2月9日号より)

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