おおさかナウ

2019年11月24日

カジノはあかん!
「100万署名」を広げ
パンフ学習と大宣伝を

カジノに反対する大阪連絡会 有田洋明事務局長に聞く

 「カジノに反対する大阪連絡会」が13日、大阪市北区内で第2回総会を開きました。維新府市政が狙うカジノ誘致とのたたかいの山場となる2020年の活動方針を確認するとともに、新たに大阪自治労連執行委員長の有田洋明氏を事務局長に選出しました。連絡会の取り組みやカジノ問題をめぐる情勢、たたかいの課題などについて、有田さんに聞きました。

結成1年 新たな運動へ決意

――昨年9月の連絡会の結成から1年の取り組みを経て、総会が開かれました。
有田 「連絡会」は、明るい会・よくする会加盟団体と共に、カジノに反対する他の団体とも協力・連携しながら、取り組みを進めてきました。

最大の弱点は夢洲を選んだこと

有田洋明さん

有田洋明さん

 総会には10地域・24団体から52人が参加し、新たなたたかいへの決意がみなぎりました。桜田照雄阪南大教授は、「維新の最大の弱点は、カジノ場に夢洲を選んだことであり、夢洲でやるのかやめるかの大バクチ」とトランプ大統領・安倍官邸・維新の会など政治的駆け引きの裏側を紹介し、「本当にカジノがいるのか?私たちがそれを望んでいるのか?その判断が問われている」と強調されました。
 日本共産党の井上浩大阪市議は、この回の議会論戦を紹介し、「環境・防災・資金計画のどの角度から検証しても、夢洲でのカジノは危険である」と語りました。
 参加者からは、「学習会や宣伝を重ねてきた。この地域にカジノはいらないと宣伝していきたい」(此花区)、「野鳥の休息地や緑化の再生、温暖化対策など、夢洲のホットスポットの役割を伝えていきたい」(大阪母親大会連絡会)、「市民の立場から環境アセスメントを取り組み、BIE(博覧会国際事務局)にも働き掛けている」(夢洲懇談会)、「カジノは絶対に許さない。仲間を増やし、署名や宣伝など引き続き頑張る」(新婦人府本部)などの発言がありました。

カジノ反対 共同が広がる

――維新の府政・大阪市政は、カジノを含む統合型リゾート=IR(※)を、大阪万博開催の前年(2024年度)までに、大阪湾の人工島・夢洲(ゆめしま)に開業することを狙っています。

夢洲が果たしている重要な役割

有田 私たちは、カジノ
の害悪や夢洲の危険性などを、これまでも繰り返し訴えてきました。カジノは1年365日、24時間休みなくギャンブルに没頭させる賭博場で、掛け金がなくなれば、いつでもお金も貸してくれます。しかも、カジノの集客見込みの8割は日本人。子どもや家族の生活費が奪われ、家庭崩壊やギャンブル依存症による犯罪が増えるなど、悲惨な結果が出てからではもう遅いのです。
 夢洲は、産業廃棄物や災害時ごみの最終集積地として重要な役割を担っています。また、海外からの物流拠点・コンテナターミナルとして、関西経済を支えています。昨年の台風21号が大阪湾を直撃した時も、夢洲の大型クレーンが崩壊するなど、災害に弱い場所であることが露呈しました。南海トラフ地震による大津波や巨大台風で、どれだけ被害が広がるのか心配です。
 私たち「カジノに反対する大阪連絡会」と共に、「カジノ問題を考える大阪ネットワーク」「あかんカジノ女性アピール」「大阪カジノに反対する市民の会」などと、カジノ誘致に反対の立場で運動しています。合同実行委員会が10月22日、主催した「カジノあかん!夢洲あぶない!ここで万博だいじょうぶ?市民集会」には、会場いっぱいの800人を超える市民が参加し、パレードも大きく成功しました。各団体による独自の宣伝や集会などと連携し、カジノに反対する共同をさらに広げる取り組みが、今こそ重要だと実感しています。

多数が反対 今こそ運動を

――当面の取り組みで力を入れる点は何でしょうか。

誘致に前のめりの維新府・市政

維新府市政が狙うカジノ誘致に反対する共同の運動が広がっています(写真は10月22日に開かれた市民集会のデモ)

維新府市政が狙うカジノ誘致に反対する共同の運動が広がっています(写真は10月22日に開かれた市民集会のデモ)

有田 カジノ誘致の動きは全国的に広がり、中でも大阪は府と市が一体でカジノ誘致に前のめりとなり、多くの府民が知らない間に、着々と準備を進めています。
 カジノ管理委員会の発足と国の「基本方針」の決定が年明け以降になる状況にもかかわらず、府と市は「カジノ実施計画」を策定し、年内にも事業者公募をする方向であることを明らかにしています。
 しかし、海外事業者から「今日にも着工しないと間に合わない」「万博の工事もあり、ゼネコンが無理だと話している」との声も聞こえてくるなど、府・市の誘致策動に暗雲が漂っています。だからこそ、カジノ誘致を断念させる運動が今求められています。
 「時事通信」(10月18日付)の世論調査でも、国内誘致に「反対」57・9%、「賛成」26・6%と、反対が多数です。その理由も「周辺の治安悪化」などを懸念する声が多く、依然として慎重な意見が根強いことを示しています。府と市がカジノ事業者の決定を狙う来年3月末までを大きな山場として、取り組みを進めようと思っています。
 総会では次の3点を確認しました。
 第1に、新しく作成する「カジノあかんパンフ」を活用して、津々浦々で学習会やつどい等を開いてみんなで学ぶ。
 第2に、「カジノ誘致に反対し、くらし・福祉・防災対策の充実を求める要請署名」を100万筆を目標に推進する。
 第3に、各市町村議会での「カジノNO意見書」採択運動、あらゆる団体と「カジノはあかん」との共同を広げる。
 連絡会も総会を機に体制を強化しました。私もその先頭に立って頑張る決意です。

※統合型リゾート(IR=Integrated Resort)
 カジノの他にホテルや国際会議場、展示場などを一体化した複合施設。日本の場合、カジノとして整備されるのは総床面積の最大3%ですが、収益の多くはカジノが占めます。

(大阪民主新報、2019年11月24日号より)

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