おおさかナウ

2019年08月11日

大阪メトロ全駅にホーム柵設置へ
大阪市議会連絡会議 改定経営計画などで意見交換

 大阪市営交通の民営化(昨年4月)に伴い、地下鉄・バス事業を運営する新会社「大阪メトロ」グループと大阪市議会とが市民サービス向上や経営状況について協議する連絡会議の第3回目の会合が2日、大阪市役所内で開かれました。大阪メトロ側が「中期経営計画」と事業の現状、2018年度決算について報告。各会派の代表と意見交換しました。

一方でIR頼みの開発推進も

大阪市議会と大阪メトロの第3回連絡会議=2日、大阪市役所内

大阪市議会と大阪メトロの第3回連絡会議=2日、大阪市役所内

 同会議は、地下鉄を運営する「大阪メトロ」、バス事業を担う「大阪シティバス」の取締役などと、市議会都市経済委員会の所属議員で構成しています。大阪メトロは昨年7月、民営化後の経営指針「中期経営計画」(2018~24年度の7カ年)を策定。ことし4月の改定版では、計画期間を大阪万博が開かれる25年まで1年伸ばしました。
 地下鉄駅での可動式ホーム柵について、当初計画では21年度までに御堂筋線の全20駅と1日当たりの利用者10万人以上の10駅で設置を完了するとしていましたが、改定版では25年度までに全133駅に設置することに変更。投資額は当初の250億円から560億円に拡大します。
 一方で大阪メトロは交通事業以外の「都市開発事業」も打ち出し、当初計画でカジノを核とした統合型リゾート(IR)や2025年の大阪万博誘致と連動させ、大阪湾の埋め立て地・夢洲(ゆめしま)への地下鉄中央線延伸に合わせた商業施設を計画。昨年12月に出した「活力インフラプロジェクト」では、夢洲に新設する「夢洲駅(仮称)」に、1千億円を投じて55階建ての高層ビルをつくるなど、「IR頼み」の巨大開発を進めようとしています。

大阪メトロが夢洲で建設しようとしている高層ビルのイメージ図(「活力インフラプロジェクト」より)

大阪メトロが夢洲で建設しようとしている高層ビルのイメージ図(「活力インフラプロジェクト」より)

 18年度決算の営業収益は1862億円で、前年度(民営ベース)比36億円増、営業利益は473億円で、同72億円の増。営業利益増の要因については「人件費の抑制」などを挙げています。

夢洲への延伸は慎重に市民の要望を聞くべき
共産・井上議員が主張

19大阪市会、住吉区_井上ひろし 意見交換で日本共産党の井上浩議員は、全国7都市で地下鉄・バスが公営企業として運営されているが、それらの都市で民営化の動きや、大阪メトロへの視察・ヒアリングなどが行われているかどうかを確認。大阪メトロ側は「民営化しようという動きの中での視察は受けていない」としました。
 夢洲への地下鉄中央線の延伸計画について井上氏は、半年間の万博が終了した後の採算見通しはあるのかと質問しました。大阪メトロ側は「決まっているのは万博誘致だけだが、IR誘致などの街づくりが進めば収支は問題ない」と説明。井上氏は「(延伸には)ばく大な費用がかかり、災害での安全面の問題も指摘されている。慎重に検討すべき」と主張しました。
 民営化後の交通政策を所管する都市交通局に市民団体が要望書を出しても、「大阪メトロに聞かないと分からない」という対応になる一方、大阪メトロ側には市民団体が要望を出す窓口がないと指摘。「もっと市民に開かれた会社になって、市民の声を聞く工夫をすべき」と求めました。
 また旧交通局は「バス路線は充足している」と説明してきたが、シティバスも同じ立場なのかと質問しました。シティバス側が「その考え方は変わらない」と回答したのに対し、井上氏は買い物や通院が困難になる交通不便地域が生まれていると指摘。地元の住吉区山之内地域では赤バスの廃止後、バス路線の充実を求めて住民から切実な声が相次いでいるとし、「地域住民や利用者の実態をつかむべき。交通事業は行政区任せでは成り立たず、オール大阪でなければ継続できない」と強調しました。

(大阪民主新報、2019年8月11日・18日合併号より)

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