おおさかナウ

2019年05月26日

あったかい人間の連帯を国の政治に
参院議員・山下よしき物語
④雇用(1) 胸のバッジは、皆さんの瞳

労働者や国民と共にたたかって

 山下さんは日本共産党副委員長、国民運動委員会の責任者として安倍9条改憲に反対し、憲法を守り生かすことを求めた「3千万署名」の推進はじめ、さまざまな分野の国民運動を発展させるために力を尽くしてきました。中でも、労働・雇用問題は、ライフワークの一つです。

 昨年の通常国会では、安倍政権が最大の目玉と位置付けた「働き方改革」一括法案が焦点になりました。山下さんは、党の「働かせ方改悪阻止闘争本部」の責任者として、長時間労働と過労死の危険を増やす同法案と対決。6月の参院本会議では、安倍首相に「誰もが8時間働けば普通に暮らせる社会こそ、国民が求めている」と迫りました。その論戦は、たとえ参院議員のバッジがない時でも、労働者・国民と共にたたかってきた山下さんの歩みに裏付けられています。

 山下さんは、再選を目指した2001年の参院大阪選挙区(改選数3=当時)で、59万4063票を獲得しましたが、3位と8249票差で惜敗しました。

リストラの嵐が襲い掛かる中で

 同年4月に発足した第1次小泉内閣は、国民に痛みを押し付ける「構造改革」路線を推進。参院選が行われた7月、完全失業率が史上最高の5%、330万人となる中、空前の人減らし・リストラの嵐が日本列島を襲っていました。

 日本共産党は9月、「大規模なリストラに反対し、雇用を守る国民的たたかいをよびかけます」を発表し、「リストラ反対・雇用を守る闘争本部」(本部長・市田忠義書記局長=当時)を設置。その事務局長になった山下さんは、全国各地を駆け巡り、工場閉鎖やリストラの実態調査、労働者からの聞き取りなどを続けました。

 山下さんは、「大企業の工場閉鎖は突然通告され、地元自治体には“寝耳に水”。世帯主の労働者が失職すれば、家族の暮らし、地域経済を直撃します。従業員の再就職を企業に求める、企業誘致に頼らない経済政策を模索する自治体とも懇談し、雇用と地域経済を守る共同を広げることができた」と振り返ります。

松下〝城下町〟の討論集会で訴え

「松下電器のリストラに反対する北河内討論集会」で報告する山下さん=2001年9月29日、門真市内

「松下電器のリストラに反対する北河内討論集会」で報告する山下さん=2001年9月29日、門真市内

 「よびかけ」発表直後の2001年9月末に、日本共産党北河内地区委員会(当時)は、5千人の早期退職募集など大リストラを進める松下電器産業の“城下町”、門真市で「松下電器のリストラに反対する北河内討論集会」を開きました。

 参加者からは「松下関連の下請け企業が7月末で閉鎖。ボーナスも出ず、労組のない職場で働く人たちは悲惨」「企業は『大ピンチ』と言いながら、反省、謝罪の弁はまったくない」などの告発が相次ぎました。

 報告した山下さんは、大企業のリストラには、巨額の内部留保を貯め込みながら、労働者と家族を犠牲にして、いっそうのもうけを拡大する狙いがあることを明らかにし、「『会社がつぶれたら元も子もない』などのあきらめ感をどう取り除くかが、リストラとたたかい、ストップする上で大事」と指摘しました。

 さらに「よびかけ」が共感を呼んでいることや、人減らしに対し残業をなくすために人員増を突き付けている三菱電機伊丹工場や、オーディオメーカー・アイワの製造子会社「岩手アイワ」(岩手県)の身勝手な工場閉鎖に地元首長が抗議するなど、全国でたたかいが広がっていると紹介し、「松下でも全国を励ます大きなたたかいを」と訴えました。

比例で返り咲き新たなたたかい

 07年の参院選で、比例代表で返り咲いた山下さん。「胸のバッジは、皆さんの瞳」をモットーに、労働者、国民の目線で国会活動に全力で立ち向かっていきました。折しもこの年、日本で「ワーキング・プア(働く貧困層)」が社会問題となり、08年のリーマンショック後、「派遣切り」の嵐が吹き荒れます。(続く)

(大阪民主新報、2019年5月26日号より)

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