おおさかナウ

2019年02月17日

新しい軍国主義とファシズムの
歴史逆流を許さない

 大阪憲法会議・共同センターが1月30日開いた第65回団体地域代表者会議で、日本共産党の太田いつみ府副委員長が、「新しい軍国主義とファシズムの歴史逆流を許さない―安倍9条改憲を安倍政権もろとも葬り去る年に」と題して講演しました。その大要を紹介します。

――安倍9条改憲を安倍政権
  もろとも葬り去る年に

大阪憲法会議・共同センター代表者会議
太田いつみ日本共産党府副委員長の講演(大要)

所信表明演説で改憲への野望を

太田副委員長minpou 安倍政治はいま、内政・外交のあらゆる分野で破綻し、追い込まれていますが、安倍首相は通常国会の所信表明演説で、改憲への執念を改めて示しました。

 昨年1年かけて市民と野党の共闘で改憲発議を許さなかったわけですが、安倍首相はなおも憲法99条に背いて改憲を口にするという異常な政治を続けています。改憲発議をすることで、「戦争する国」づくりの総仕上げを狙っています。

 国民の運動で何としても阻止しなければなりません。

 2019年は改憲を許さない決意を新たにして、攻勢的に運動を展開しましょう。そのために、憲法をめぐる戦後のたたかいを振り返ってみたいと思います。

再軍備の要請と改憲論に抗して

第1の波

 日本国憲法が制定されてから、たびたび自民党政権の側からと米国の要請・圧力によって改憲の動きが起こりました。第1の波は1950年代です。冷戦体制の下、米国は日本を「反共のとりで」とすることを狙い、米国が日本に再軍備を要求。警察予備隊の創設を経て自衛隊が生まれました。この動きと結び付いて、もともと「自主憲法制定」を掲げていた保守層から改憲論が台頭していきました。

 しかし60年安保闘争の高揚と一体に、再軍備や「戦争する国」づくりを許さない国民闘争が一気に広がりました。労働組合の違いを超えて国民共闘が生まれ、野党も安保反対で一致。国民的大闘争の末、安保条約は成立しましたが、当時の岸信介内閣は総辞職し、改憲の野望は挫折しました。

 その後、1990年に旧ソ連が崩壊するまでの約30年間、明文改憲は実質的に封印されました。非核三原則や軍事費GDP(国民総生産)1%枠の制約、集団的自衛権行使禁止など、9条が日本の軍事化を阻む盾となってきました。内閣法制局も改憲の歯止め役になってきました。平和と民主主義を守る国民の共同のたたかいがあったからこそ、改憲を許さなかった歴史が刻まれたと思います。

派兵への圧力と解釈改憲に抗し

第2の波

 第2の波は、冷戦が終結して、米国の世界戦略が大きく転換する中で生まれました。米国が「世界の憲兵」として一国覇権主義を強める下で、日本に自衛隊の海外派兵を求めて圧力をかけました。再び自民党や保守層の改憲派から、解釈改憲論が台頭しましたが、海外派兵反対の国民運動の力で暗礁に乗り上げます。

 しかし、自衛隊海外派兵の策動を引き継いだ小泉政権は、テロ対策特措法によってインド洋への海外派兵を強行しました。イラクへの自衛隊派兵は「派兵」ではなく「非戦闘地域」への「派遣」だなどと、欺まん的な解釈を行うなど、内閣法制局の転落も始まります。2004年の世論調査で「改憲すべき」が6割台で、「すべきでない」という声は2割台でした。「憲法は時代遅れ」というキャンペーンも行われ、9条は非常に危うい状況にありました。

安倍9条改憲と国民運動の激突

第3の波

1万2千人が参加した「おおさか総がかり集会」。安倍9条改憲に反対する市民と野党の共闘が大きく広がっています=2018年11月3日、大阪市北区内

1万2千人が参加した「おおさか総がかり集会」。安倍9条改憲に反対する市民と野党の共闘が大きく広がっています=2018年11月3日、大阪市北区内

 2006年に第1次安倍政権が発足しました。安倍首相は「任期中の憲法改正」を掲げ、教育基本法に「愛国心」を明記する改悪を強行するなど、「戦争する国」づくりへ動き出しましたが、政権は1年で崩壊しました。

 2004年に九条の会が結成され、全国で最高時、7千の九条の会がつくられるなど、草の根の運動が一気に広がりました。その結果、2008年の世論調査では改憲反対が賛成を上回って逆転。九条の会の草の根の運動が世論を動かしたのです。これも国民にとって、9条を守る共同のたたかいへの大きな経験となりました。

 これに対し、2012年に発足した第2次安倍政権が、改憲のための体制を強化して国民の前に立ち現われました。改憲右翼団体の「日本会議」を実行部隊として、改憲推進署名を集め、武器製造の大企業との連携も強めます。そして自民・公明・維新の改憲連合を構築してきたのです。

 安倍政権は「秘密保護」法(13年)、集団的自衛権行使容認の閣議決定(14年)、安保法制=戦争法(15年)、「共謀罪」法(17年)を強行し、15年には武器調達を進める防衛装備庁を創設。大学研究を軍事に動員する軍産学複合体づくりの動きも強まりました。

 これに対して、安保法制に反対する国民運動が全国に広がり、市民と野党の共闘等の流れが加速してきました。安保法制廃止を求める「2千万署名」が全国で取り組まれました。

 さらに安倍政権は「戦争する国」づくりの本質を覆い隠す「加憲」戦略に出ました。17年の憲法記念日に、9条1・2項を残して「自衛隊」を明記することを公言。さらに、それだけでは国民を改憲に巻き込めないとして、「教育無償化」や「緊急事態条項」など4項目を結び付けて改憲への世論誘導を狙いました。

矛盾に直面する安倍政治の強権

 これに対して私たちは、「全国市民アクション」が呼び掛けた安倍9条改憲に反対し、憲法を守り生かすことを求める3千万署名に取り組んできました。半年で1千万筆を超え、いま1800万筆に達して、改憲阻止の世論を広げています。

 昨年は改憲発議を狙う安倍政権にとって、誤算の連続でした。史上初の米朝首脳会談が実現し、朝鮮半島での平和への激動が起きています。一方、森友・加計疑惑での安倍首相への追及、沖縄県知事選で翁長雄志知事の遺志を継いで「新基地建設反対」を掲げる玉城デニー氏が勝利するなど、安倍政権による強権政治は、深刻な矛盾に直面しています。国民世論の後押しを受けて、野党は結束して憲法審査会での審議を拒否しました。

 しかし安倍改憲の執念は決してあなどれません。自民党は全国の小選挙区支部へ「改憲推進本部」を設置するように通知しました。自衛官の募集に対し7割しか集まらない中で、学校・地域を巻き込んで勧誘を進め、昨年10月には募集年齢の上限を27歳から33歳に引き上げました。

 若者を戦場に駆り立てる、新しい軍国主義とファシズムへの歴史逆流を許すことはできません。憲法をめぐる安倍政権とのたたかいは、まさに最終章のたたかいとなっています。

3千万署名集め選挙で審判下す

 戦後、改憲のたくらみを阻止してきたのは、平和と民主主義を願う国民の思いです。いまこそ、その思いを再結集しましょう。世代、支持政党や思想信条の違いを超えて、3千万署名を集め切る運動を発展させましょう。

 4月の統一地方選、7月の参院選で安倍政権と補完勢力である維新に審判を下し、国会で3分の2の議席を占める改憲勢力を少数派に追い込むチャンスです。

 市民と野党の共闘にこそ、未来があります。野党6党・1会派の党首会談で、全国32ある参院1人区で候補者を一本化することで合意し、書記局長・幹事長間で協議を加速することになりました。

 3千万署名の運動と、連続する2つの選挙で国会の力関係を変えるたたかいに必ず勝利し、安倍9条改憲を安倍政権・維新政治もろともに葬り去る2019年にしようではありませんか。日本共産党も全力を尽くして頑張ります。

(大阪民主新報、2019年2月17日号より)

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