おおさかナウ

2018年12月16日

2025年大阪万博
カジノと一体・インフラに巨額税金・
ダイオキシン汚染 このまま進めていいのか

 2025年の国際博覧会(万博)の大阪開催が決まったことを受け、大阪市の吉村洋文市長が関連の補正予算を提案するなど、万博の準備が動き出しています。さらに維新府市政が、会場予定地である大阪湾の埋め立て地・夢洲(ゆめしま、大阪市此花区)に誘致を狙っているのが、カジノを核とする統合型リゾート(IR)。カジノと一体の万博計画の問題点が、大阪市議会の日本共産党の追及で浮き彫りになっています。

「カジノありき」の補正予算
大阪市議会 日本共産党が追及

カジノは断念し簡素な万博こそ

19大阪市会平野区_小川陽太RGB

小川陽太議員

 小川氏は、「万博にかこつけて補正予算を組んでまで推進するのはカジノ・IRありきという異常な姿だ」と批判。「読売」(11月13日付)の世論調査でIR誘致に反対が55%と、賛成の32%を大きく上回っていることを示し、「カジノのターゲットは大阪周辺の一般市民。大阪経済にとってプラスどころか、マイナスでしかない」と強調しました。

 さらに万博会場建設費1250億円、地下鉄延伸540億円(当初計画から30億円増)をはじめ関連事業費は市民負担としてのしかかってくると警告。「経費がいくらでも膨らむのではないかという市民の不安に応えるのが市の役目だ。カジノ・IR誘致はきっぱり断念し、『命輝く未来社会のデザイン』というテーマに込められた持続可能な社会を実現する立場に立ち、簡素な万博にすべき」と主張し、補正予算案に反対しました。

夢洲の土地造成に地下鉄延伸も

 万博関連の補正予算は総額約140億円です。会場予定地である大阪湾の埋め立て地・夢洲(ゆめしま、大阪市此花区)の土地造成費136億円、地下鉄中央線を現在の終点のコスモスクエア駅から夢洲駅(仮称)まで延伸するための鉄道整備検討調査費1億3600万円などを計上。土地造成費用には万博開催に間に合わせるための急速施工分50億円も含まれています。

 5日の大阪市議会都市経済委員会で日本共産党の小川陽太議員は、土地造成費用は万博のためだが、下水道などの基盤整備や鉄道整備検討調査はカジノ・IRのためだと指摘。市は「万博開催決定を契機に、夢洲の街づくりの準備を万博に付随して実施する」と強弁しました。

市としてダイオキシン類調査を

こはら孝志議員

こはら孝志議員

 日本共産党のこはら孝志議員は6日の港湾消防委員会での質問の中で、夢洲での道路や下水道工事に関連して、埋め立てで受け入れたしゅんせつ土砂に、ダイオキシン類による汚染土が混入している可能性があると指摘しました。

 市は「国の基準を順守したものを受け入れている」と答弁。こはら氏は1987年以降に受け入れたしゅんせつ土砂約3800立方㍍のうち、2003年にダイオキシン類の国基準が決まるまで受け入れたものが約3500立方㍍に上ることを示し、「汚染されていないことを明らかにするためにも、調査を行うべき」と求めました。

 


(大阪民主新報、2018年12月16日号より)

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