おおさかナウ

2018年10月28日

該当しないデータ適用・期間は未定・コスト考慮外
経済効果は「机上の空論」
「都」構想 共産党・山中幹事長が指摘

 大阪市議会大都市税財政制度特別委員会が17日開かれ、日本共産党大阪市議会議員団の山中智子幹事長は、大阪市を廃止して「特別区」に再編する「大阪都」構想の「経済効果」などについて質問しました。

大阪市議会大都市税財政制度特別委

山中智子市議

山中智子市議

 「経済効果」の試算は松井一郎知事が提唱したもので、再公募で学校法人「嘉悦学園」に委託しました。調査報告書は、自治体の人口が増えるにつれて1人当たりの歳出額は減るが、人口50万人を境として人口が増えれば1人当たりの歳出額が増えるという「U字カーブ」を描くとし、人口規模が大きい大阪市では、「特別区」に再編すれば年1100億円の財政削減効果があるなどとしています。

 山中氏は、人口50万人の東大阪市は1人当たりの歳出額は40万円なのに対し、人口70数万人の東京都大田区、足立区の歳出額は東大阪市と同程度であることなどを示し、「人口が50万人を超えても1人当たりの歳出額が伸びていかない。東京や大阪などの大都市には『U字カーブ』は当てはまらない」と批判しました。

 削減効果額について副首都推進局が「(『特別区』設置後)一定の期間が経過すれば生み出される可能性のある数字が示された」と説明していることに対し、山中氏は「一定の期間とはどのくらいの年数か」と質問。同局が「具体的な時期は想定していない」と答弁したのを受け、「そんなレポートをもらっても仕方がないではないか」と詰め寄りました。

 さらに山中氏は、「特別区」設置に伴う庁舎建設やシステム改修などの初期費用や運用経費の増加が、調査報告書の試算では一切考慮されていないと指摘。副首都推進局が「経済効果を算出するという目的は果たしている」と答えたのに対し、「効果を出すのにコストを計算に入れないなど、とんでもないことだ。このレポートは理論的にもおかしいし、実現可能性もゼロ。机上の空論だ」と強調し、「大阪都」構想をめぐる不毛な議論は打ち止めにすべきだと主張しました。

不毛な制度議論はやめ災害対策に全力挙げよ
吉村市長を追及

 山中氏は、吉村洋文大阪市長にも質問。6月の大阪北部地震に続き、9月の台風21号で大阪市も大きな被害を受けた中で、「大阪都」構想の議論は打ち止めにして、災害に強い街づくりに全力を挙げるべきだと迫りました。

 山中氏は、咲洲(住之江区)、夢洲(此花区)の防潮堤や護岸が一部倒壊し、修復もままならない状況だと指摘。公園樹・街路樹などの倒木は8500本に上り、市の公共建築物も400件以上の被害が出ており、民間家屋の被害は全容把握さえできないほどで、「復旧は大仕事だ」と述べました。

 市民は地域で、要支援者を含めていかに人命を守るかを必死に考えているとし、「顔の見える地域コミュニティーづくりの大事さが浮き彫りになっている。地域で活動する方と困っている人をつなげる仕事は、地域任せにせず行政が担うべき」と力説。不毛な制度いじりに時間や税金、職員・市民のエネルギーを費やすことはやめ、防災対策など市民の命と安全を守るために力を注ぐべきと主張しました。

 吉村氏は、「防災体制や安全なまちづくりは重要」としつつ、「大都市制度改革は諦めない。大阪を一地方都市に終わらせない」などと、「大阪都」構想に固執しました。

(大阪民主新報、2018年10月28日号より)

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