おおさかナウ

2018年09月30日

コンビニエンスストア
オーナー搾取で本部は高利益
共産党府委が考えるつどい〝法規制・FC法を〟

 日本共産党大阪府委員会は9月23日、コンビニ問題を考えるつどいを開き66人が参加しました。国会でコンビニ問題を繰り返し取り上げてきた日本共産党のたつみコータロー参院議員が報告。フランチャイズ契約に詳しい愛知大学法学部の木村義和准教授、兵庫県内でファミリーマートを経営する酒井孝典さんが報告しました。

日本共産党大阪府委員会が開いたコンビニ問題を考えるつどい=23日、大阪市中央区内

日本共産党大阪府委員会が開いたコンビニ問題を考えるつどい=23日、大阪市中央区内

たつみ参院議員・専門家・オーナーが発言

廃棄分を原価から除外する

発言するたつみ氏

発言するたつみ氏

 「社会インフラとして存在感を強めるコンビニを持続発展させるためには、日本全体で考えなければなりません。その視点で質問を続けてきました」。たつみ議員は報告でそう述べて、15分単位で時間給を計算する労基法違反の賃金システムや、コンビニオーナーの過酷な労働実態を取り上げてきた論戦を紹介。小売業であるコンビニ本部が高い利益率を上げる背景には、フランチャイズ店舗オーナーへの搾取があるとし、「ここにこそコンビニ問題の核心があります」と強調しました。

 たつみ議員は、売上から原価などを除いた粗利にかけるロイヤリティー(上納金)に関し、廃棄商品を原価から除外するコンビニ独自の会計システムを告発し、「過剰仕入れを奨めて、廃棄商品が増えるほど本部の利益は増え、逆に店舗側は経営悪化に陥ります。スーパーのような値下げ販売がコンビニでできない絡繰りがここにあります。コンビニオーナーは独立した事業主なのに、フランチャイズ(フランチャイズ)契約では実質的な裁量は制限され、労働者ではないため労働基準法にも守られません。オーナーの権利を守るための法規制が必要です」と語りました。

店舗オーナーは破綻寸前に

 木村氏は、フランチャイズ本部と加盟店の共存関係の実現には、①契約前の情報開示②不当な契約更新拒否の規制③近隣出店の規制④オーナーの団結権保障――が必要だと指摘しました。

 酒井さんは、加盟店を苦しめるコンビニ会計の問題を説明し、フランチャイズ本部が利益を伸ばす一方で、店舗オーナーは破綻寸前だと指摘しました。

 参加者から、「消費者としてコンビニはたくさんあった方が便利だが、働く人の生活が保障されないとだめだと思った」などの感想が語られました。

 コンビニでアルバイトをしたことのある男性は、「オーナーはオープンから1日も休まず、朝9時から夜10時まで働き詰めだった」と語り、本部のドミナント戦略(一定地域への集中出店によって、認知度向上や配送効率化で競合他社に対すする優越的地位を確保する戦略)による近隣出店の具体例や、駅構内へのコンビニ進出など、質問や意見が出されました。

健全に発展させるため共同

 たつみ議員は、府内に4千店舗あるコンビニで対話・アンケート活動を進めていきたいと述べ、「オーナーさんの犠牲の上に成り立つフランチャイズ業界に未来はありません。店舗オーナーの経営と暮らし、権利保障を実現することは、国民生活と日本経済の未来を守ることにつながります。優れた日本のコンビニシステムを持続させ、健全に発展させるため、多くの人と共同して取り組みを進めたい」と語りました。

近隣出店や更新拒絶を規制
FC法制定が進む諸外国

愛知大学准教授 木村義和さん

木村義和さん

木村義和さん

 木村氏は、米国ハンバーガーチェーンの近隣出店をめぐる裁判事例を紹介。「加盟店は排他的商圏を与えられない」と規定したフランチャイズ契約に対し、裁判所は「本部が自由に近隣出店できることを意味しない」と判断し、州レベルで近隣出店の法規制が進んだと述べました。

 「テリトリー内に直営店、フランチャイズ店を設置してはならない」(韓国)、「契約書にテリトリーに関する権利が含まれなければならない」(マレーシア)など、フランチャイズ法による諸外国の出店制限や、総量規制を設けるインドネシアのケースを紹介。契約更新拒絶に関しては、「本部が契約を解約する場合には正当な事由が必要」(米アイオワ州)、「契約違反がないのに契約を解約する場合、合理的な目的と理由を記載した書面で通知」(オーストラリア)など、法規制を進める諸外国の取り組みを説明しました。

 加盟店の団結権や団体交渉権を認めない日本の現状に対し、諸外国は事業者団体への参加を妨げることを禁止したり、本部との協議要請を可能にするなど、法律によって団結権と団体交渉権の保障が実現していると述べました。

 近隣出店をめぐる国内の裁判では、加盟店側敗訴が続いた一方、契約更新拒絶事件では裁判ごとに司法判断が分かれてきたと述べ、「加盟店保護のため、少なくとも裁判所で示された判断基準の条文化が必要だ。本部だけでなくオーナー、消費者がともに繁栄し幸せになれるシステム実現へ、フランチャイズ法が必要だ」と述べました。

過労死基準を超えて働いて
業界健全化へFC法必要

コンビニオーナー 酒井孝典さん

酒井孝典さん

酒井孝典さん

 「過労死基準を超えて月間350時間働いても、年収二百数十万円と低水準」「2店舗を経営する加盟店では、オーナー夫妻がそれぞれの店舗で週100時間以上働かないと店がまわらない」。酒井さんは、コンビニ本部が過去最高利益を更新する一方、加盟店には利益が残らないと強調。オーナーの多くが、生活費を確保するため、週80時間以上働いていると告発しました。

 オーナーが非課税になるほどの低い所得水準に加え、全国約80万人の従業員の多くが非正規雇用で、社会保障を含め業務量に見合った十分な賃金を確保できていないと指摘。本部が過剰仕入れを推奨する一方、見切り(値引き)販売を推奨しないあり方を批判し、「利益はコンビニ本部に集中し、廃棄商品のごみ処理に地元の税金が使われる。本当の意味で地域経済や雇用対策にはなっていない」と訴えました。

 酒井さんは破綻寸前の加盟店の実情を述べ、コンビニが地域から姿を消せば、生活の糧を失うオーナーだけでなく、利用者である国民生活と社会システムにまで支障が及ぶと指摘。災害時の応急対応や、自治体業務の代行収納など、多様な公共サービスを担うコンビニの責任の重さを強調し、「このままでは社会インフラの中心と言われるコンビニ業界が破綻する。新しい業態であるフランチャイズ契約に対応する法整備が必要だ。日本社会が直面する大問題として、政策順位を引き上げ対策を講じなければならない。党派を超えて合意形成を図り、フランチャイズ法実現へ取り組みを進めていきたい」と語りました。

(大阪民主新報、2018年9月30日号より)

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