おおさかナウ

2018年07月14日

西日本豪雨 死者・行方不明180人超える
土砂崩れで国道寸断・民家直撃
大阪でも被害相次ぐ

 5日から西日本を中心に襲った記録的豪雨で、各地で土砂崩れや堤防決壊、浸水が発生しました。消防庁のまとめ(11日午前6時45分現在)によると、12府県で158人が死亡、30人が行方不明となっています。これは1982年7月に起きた長崎大水害以来の甚大な被害。大阪では、府防災・危機管理司令部が把握しているだけでも、高槻市と豊能町で2人が重傷を負ったのをはじめ、全壊1(高槻市)、一部損壊9、床上・床下浸水などの被害(9日現在)が相次ぎました。

全世帯に避難指示 能勢町

 大阪北端の能勢町(総世帯4556、人口1万225人)では、町内全域が土砂災害警戒区域になり、5日、全世帯に避難勧告、避難指示が出されました。

 自身の田に崩れた土砂が流入する被害を受ける中、被災状況の確認に町内を回った日本共産党の中西顕治町議に同行しました。

1963年以来の被害

山から谷への土砂崩れが起き、約30メートルにわたって寸断された国道173号線。見ているのは中西能勢町議=6日、能勢町内

山から谷への土砂崩れが起き、約30メートルにわたって寸断された国道173号線。見ているのは中西能勢町議=6日、能勢町内

 同町には田園や棚田、山里が広がり、猪名川流域の清流など、豊かな自然を求めて町外からもたくさんの人が訪れます。

 「1963(昭和38)年の水害で1人死亡して以来、地震や雨などでの大きな被害はない地域。僕も生まれてからずっとここに住んでるけど、こんなことは初めて」と中西議員は言います。

 能勢電鉄山下駅から車で能勢に向かう途中、増水した一庫ダムを見下ろすと、東屋が水没して見えなくなっていました。

 道路は、路肩やのり面から滝のように濁水が流れ、土砂が崩れている所もありました。

 日頃、水遊びができる清流も、木くずを含んだ濁流が強い勢いで、護岸が決壊している川も。川沿いにある工場が浸水したり、民家の庭が川に崩れ落ちたりしていました。

 山が崩れて赤土がむき出している所もありました。中西議員の田は茶色に変色。育った稲の葉も見えず、「水が引かないと分からないけど、半分はあかんかな」と言います。

 山辺地域では、土砂崩れで町の南北を走る国道173号線を約30㍍に渡って寸断。ガードレールも曲がり、周辺が通行止めになりました。

 崖崩れを起こした大里の城山台では、地下水がアスファルトをはがし、随所で陥没。その部分から水があふれ出していました。

 城山台の自宅から家族3人で浄るりシアターに避難した60代の女性は、「避難勧告が出て、外に出てみると、滝のように水が流れていました。しばらくしたらパトカーや関電の車が上がって来て、『1回逃げてください』と言われました。雨がやんでも土砂崩れが怖い。いつ帰れるか分からない」と話していました。

学校統廃合で避難所減

 同町の避難所は以前10カ所あり、そのうち7カ所が学校でした。2016年に町内すべての小中学校7校を廃校し、府民牧場跡に小中一貫学校を建設。そのため、今回避難所として機能したのは旧校3校だけで、うち1校は土砂崩れの危険から閉鎖されました。別の公共施設を新たに加えて、6カ所が避難所になりました。

 「小中学校が統廃合されて、教職員も110人から半分に。校舎や体育館が残っていても、人員不足で避難所として使えなくなった。こういうときに弊害が出てくる」と中西議員は話します。

道路予定地が崩壊 枚方市

窓をつきやぶり流れ込んだ土砂で埋まった風呂場=8日、枚方市内

窓をつきやぶり流れ込んだ土砂で埋まった風呂場=8日、枚方市内

 大阪北部地震で震度6弱を記録した枚方市では、小倉町で5日夜、隣接する上野3丁目の都市計画道路予定地の土砂が崩れ落ち、民家を襲いました。

 3階建の家では、土砂が風呂場の窓やドアを突き破って、1階部分に流れ込んで泥まみれになりました。住人夫婦は近くに住む娘一家の家に避難。8日は3世代総出で泥かき作業をし、家の前には泥の入った土のうが積まれていました。

 住人の女性は、「11時頃、3階で寝ていたらすごい音が聞こえて、1階に降りると大変なことになっていました。29年住んだ家だけど、こんなことになるとは。いつ帰れるか分からない」と話し、泥かきを手伝っていた家族は、「もしあの時間にお風呂に入っていたら、生き埋めになっていた」と語っていました。

 被害発生直後の6日午後、現場に駆け付けた日本共産党の野口光男市議は、状況を確認し、現場の定点確認や道路の泥を取り除く作業を早急に行うこと、被害の発生原因の究明と被災者への公的支援を市に求めました。


生活再建支援法の対象拡大を
衆院災害対策特別委 宮本議員が質問

 日本共産党の宮本岳志衆院議員は5日の衆院災害対策特別委員会で、大阪北部地震で一部損壊が被災者生活再建支援制度の対象とならないことを取り上げ、支援対象とするよう求めました。

 同地震での住宅被害は一部損壊が圧倒的。制度の対象要件は10世帯以上の全壊被害が発生した市町村ですが、同日現在で全壊世帯は計9軒です。

 小此木八郎防災相は支援拡充について、「過去の災害被災者との公平性、他の制度とのバランス、国や都道府県の財政負担などを勘案して慎重に検討すべき」と述べました。

 宮本議員は被災地の自治体や関係団体、有識者による同制度見直しに関する検討会設置を提案。小此木防災相は「検討のあり方も含めて慎重に検討する」と答えるにとどまりました。

 文科省は小中学校や幼稚園、幼保連携型認定こども園のブロック塀など危険箇所の総点検を行っていますが、宮本議員は「公私の区別なく子どもたちは守られなければならない」と述べ、国の支援を求めました。

 通学路や生活道路などで、違法で危険なブロック塀の数を「把握していない」との答弁に、宮本議員は「ブロック塀の安全対策は40年前の宮城県沖地震を教訓に、建築基準法施工令を改正したもの。徹底されているかどうかを確認するのは、政府の当然の責任だ」と批判しました。

 自治体ではブロック塀撤去費用の補助制度をつくりはじめていますが、宮本議員は「国の財政支援を求める要望に応えよ」と求めました。

柔軟運用で宅地復旧に支援を
参院災害対策特別委 たつみ議員が指摘

 日本共産党のたつみコータロー参院議員は6日の参院災害対策特別委員会で、大阪北部地震で宅地に被害を受け、滑落の不安を抱える地域について、「人命に関わる危険を取り除くため、法を柔軟に運用し必要な復旧を進めていくことが重要だ」と主張しました。

 今回の地震で、高槻市の南平台など盛り土で大規模造成された住宅地で、家屋の下の宅地に割れ目が発生しました。雨水が流れ込むなどして宅地が崩壊すれば、下の住宅にまで被害が及ぶ可能性があります。

 国の宅地耐震化推進事業で、大規模盛土造成地の滑動崩落を防ぐ費用の補助制度があります。滑動崩落により「地域防災計画に記載されている避難地又は避難路に被害が発生する恐れがあること」が補助要件の一つです。

 たつみ議員は、被災後に宅地周辺道路を自治体が避難路に指定したことで、補助要件を満たした例があることを指摘。国交省は被災後に市町村が地域防災計画を見直し避難路を指定することで、補助要件を満たすことは「可能だ」と認めました。

 また同様の事業が実施された熊本県内では、各市町村は個人負担を求めなかったことも明らかにしました。

 公立小中学校の耐震化率を国は昨年4月1日現在で98・8%としますが、たつみ議員は校舎の渡り廊下が調査対象に含まれず耐震診断もされていないケースがあると指摘。調査を求めました。

(大阪民主新報、2018年7月15日号より)

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