おおさかナウ

2018年06月10日

戦争放棄(9条)・個人の尊厳(13条)・信教の自由(20条)…
大好き憲法 しっかり守ろう
日本共産党が「考えるつどい」

 八尾市の中央部で活動する日本共産党中田・青山支部が5月27日、「憲法を考える100人のつどい」を同市総合体育館で開きました。9条だけでなく、日本国憲法の優れた内容を考え合い、憲法が生きる政治をつくる共同を地域から広げようと、3月から準備を始めていたもの。地域の党支持者や住民ら約100人が参加しました。

八尾 中田・青山支部が開催

死臭忘れない

 憲法の条文に即して地元住民らが語り合いました。96歳の出本悦朗さんは、1945年3月の第1次大阪大空襲を福島区から目撃。空襲後、1㌧爆弾の投下でできた穴で死体が焼かれた様子を生々しく語り、「そのときの死臭は終生忘れぬ。悲惨な戦争を二度としてはならない。9条を子や孫の代まで絶対に守ろう」と語りました。

 円照寺(浄土真宗)住職の北田学龍さんは、大日本帝国憲法では主権者は天皇で、信教の自由は「法律の範囲内」に限られていたと指摘。「現憲法20条の信教の自由は、単に宗教団体の自由ではなく、国民が生まれながらにもつ固有の権利。これを否定するのが自民党の改憲案だ」と述べました。

全ての国民に

日本共産党中田・青山支部が開いた「憲法を考える100人のつどい」=5月26日、八尾市内

日本共産党中田・青山支部が開いた「憲法を考える100人のつどい」=5月26日、八尾市内

 古本律子さんは、重度重複障害者の娘(昨年3月に28歳で死去)を育てた体験から、「すべて国民は、個人として尊重される」と明記した13条に言及。「娘は作業所で働くことが好きで、仕事によって生き生き暮らせ、学校も大好きだった」と振り返り、障害者も幸福を追求する権利があると力説しました。

 「かつては、『大企業の門に入れば憲法はない』と言われた」と切り出した伊藤武治さんは、明治乳業による不当労働行為や差別と長期にわたりたたかい続ける明治乳業争議について紹介。「共産党を排除する時代は終わり、新しい政治が始まろうとしていることに確信をもち、共産党を大きくしたい」と話しました。

 日本共産党の谷沢ちか子八尾市議は、地方自治(94条)とのかかわりで、議員団として取り組んだ市民アンケートの結果を報告。住民の足を守るための身近なバス路線を求める声や保育・子育の願いが切実になっているとし、「安心して年がとれ、子どもが生み育てられる八尾市へ頑張りたい」と決意を語りました。

憲法生かして

 集会では日本共産党前衆院議員の清水忠史府副委員長が講演し、安倍政権が狙う9条改憲派、安保法制(戦争法)によって海外での武力行使ができる自衛隊を憲法に書き込むもので、日本が無法な戦争の当事者になると強調。安保法制を廃止する政府を実現するためにも、安倍9条改憲に反対する「3千万署名」の達成が大切だと語りました。

 あいさつした憲法をいかす会・八尾の柏本景司さん(新社会党)は、憲法改正についてのNHKの世論調査結果の推移を示すと同時に、「その結果に一喜一憂することなく、『憲法なんてどうでもいい』という人にも訴えて、改憲すると大変だということを訴え広げよう」と呼び掛け。

 日本共産党元府議の小松久さんは、「30カ条にわたって国民の権利について書いている憲法は世界で日本だけ。最も歴史を前に進めたこの憲法を堂々と生かすことが、憲法を守る力になる」と語りました。


(大阪民主新報、2018年6月10日号より)

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