おおさかナウ

2018年05月29日

「大阪比例80万」を正面に、自公とその補完勢力・維新を少数に
柳利招・大阪府委員長に聞く

 日本共産党大阪府委員会は「比例80万票、20%以上」をかかげ、参院選・統一地方選必勝をめざすとりくみをすすめています。大阪での維新とのたたかいにもふれて、その意義を柳府委員長に聞きました。

自公と維新を少数に

新委員長 柳氏minpou この5月から6月、内外情勢が大きく激動するなかで、大阪では「比例80万・20%以上」を正面にすえ、安倍政権与党とその補完勢力・維新を少数に追い詰めていく本格的たたかいが求められています。

 安倍政権は、世論調査で国民の8割以上が不信を抱く森友・加計疑惑から逃げの一手をはかる一方、維新などとの「修正協議」で「過労死促進法」というべき「働き方改革」法案をごり押ししようとしています。また自民、公明と維新が結託し、「カジノ(民営賭博)実施法案」まで強行する狙いをあらわにしています。

 「カジノ実施法案」でいえば、維新が「大阪誘致」をもくろみ、成立へひた走っています。「カジノの売り上げを観光などに回す」から「刑法が禁じる賭博を免罪」というもので、ギャンブル依存症を際限なく拡大し、「暴力団関与」「マネーロンダリング」などにも実効ある規制が講じられない、とんでもないものです。

黒いたくらみ砕く

 安倍政権と維新は、「9条改憲タッグ」を組み、「森友疑惑隠し」でも、「カジノ解禁」でも一蓮托生ぶりをみせています。こうした国政における実態を府民に知らせ、市民と野党の共同した力で、国会最終盤の黒い企みを打ち砕かなくてはなりません。

 大阪では松井知事、吉村市長が「大阪都」構想への「住民投票」は「9月、10月はできない」と「先送り」をいいだしました。これは公明党との「調整」がつかないことなどが直接の理由ですが、背景には、➀NHKなどの府民・市民世論調査でも、多数が「いまの大阪市の存続」を求めていること、②新たにだした「特別区4区案」が、「前回からのバージョンアップ」どころか、「東西区」ネーミングなど、新たな破たんをあらわにしていること、③これまで後ろ盾になってきた安倍政権が国民世論に追いつめられていることなどがあります。

 何よりも、3年前の「住民投票」やこの間2回の堺市長選挙において、「反維新の共同」の力で維新を打ち破ってきたことなど、党と市民団体の一貫したたたかいの反映があります。先日の5・17「大阪市をなくしたらアカン 大阪都構想ストップ! 24色の元気なまちを 府民のつどい」にもそれが表れていました。

格差と貧困が

「橋下・維新政治」が大阪に出現して10年になりますが、どの地方よりも深刻な格差と貧困の広がり、「住吉市民病院つぶし」強行がリアルに示す「二重行政解消」論の欺まん、教育の現場で「チャレンジテスト」問題など怒りと批判が広がります。

 この局面で、いよいよ維新を少数に追いつめ、維新政治を終わらせるたたかいへと打って出る時です。安倍政権にべったりよりそう維新の姿を明らかにするとともに、彼らの「本丸」、この大阪で、維新が大阪の自治とくらし、教育をいかに壊してきたか、その徹底検証と宣伝をすすめていきましょう。「維新政治」と対極にある「まっとうな大阪」づくりへの提起と府民的討論をすすめていきましょう。

 こうして「住民投票延期」にとどまらず、「大阪都」構想の断念を迫り、「維新政治」そのものを打ち破ろうではありませんか。

力関係変える五つの活動

 大阪から自民・公明と維新を少数に追い詰める決定的カギは、来年の参院選・統一地方選挙で、日本共産党が「比例を軸」に「大阪80万・20%」の得票を実現できるかどうかにあります。

 私たちは昨年の第3回中央委員会総会決定にもとづいて、「大阪比例80万得票」は、「大企業中心」「アメリカいいなり」の日本の政治を変革する綱領的展望実現への一歩をひらくものであり、来夏に迫る参院選で全国850万・15%得票へ、大阪が担う大きな役割であること。政党・候補の組み合わせがどうなろうが、比例代表での山下よしきさん、大阪選挙区でのたつみコータロー候補必勝を切り開くものだと意思統一してきました。

決定的転機に

 ここで強調したいのは、それが維新との関係でもきわめて大きな意味をもつことです。

 わが党が大阪において80万票を獲得するなら、自民、公明、維新との力関係を抜本的に変えることができます。それは国政における「自公と補完勢力」による悪政、暴走を打ち破る抜本的展望を開くとともに、大阪における「維新政治」を打ち破る決定的転機となります。私たちがすすめる「市民と野党の共闘」を本格的に強化するうえでも、大阪の「反維新の共同」を発展させるうえでも、わが党が自力をつけ、「大阪80万」を実現することが決定的保障になるでしょう。

 そのために大阪府委員会は5つの活動を提起してきました。

 1つは、大阪のすべての党機関、支部・グループと党員の一人一人に至るまで、こうした位置づけをもつ「大阪比例80万」への構えとそれに見合う得票目標を確立し、生きたものにすることです。4月末の12都道府県委員長会議の志位委員長の提起を受けて、新たな意気込みでの議論と実践が始まっています。

 2つは、ポスター、ビラを手に、音もだし、国政と大阪で党の果たしている役割を知らせる宣伝に打って出ることです。

 3つは、日本共産党を丸ごと語る「集い」を、得票目標にふさわしく、のべ80万人参加の規模になるところまで「気軽に、双方向で、繰り返し」開くことです。16日に中央委員会で開かれた「経験交流会」では、堺地区の田中ひろみ地区委員長を含む6人がすぐれた活動を報告し、新たな刺激になっています。

 4つは、後援会活動です。「大阪府日本共産党後援会ニュース」5月号もできあがり、活用が始まっています。すべての支部のまわりに後援会をつくり、広げましょう。

 5つは、「80万得票」への決定的土台となる党員拡大を根幹にした党建設です。7月末までに前回参院選時以上をめざす党員・「しんぶん赤旗」読者拡大に総力をあげていきましょう。

支部を基礎に

 府委員会も、地区委員会も、こうした5つの活動を「比例80万」を正面にした作戦として組み立て、支部を基礎に、毎週毎週ダイナミックに推進していきましょう。

 7月末に向かう全党の運動の先頭にたち、大阪から自公と補完勢力を少数に追い詰める大きな流れをつくりだそうではありませんか。

*「しんぶん赤旗」2018年5月25日、26日「近畿版」掲載

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