おおさかナウ

2018年05月25日

初期投資は776億円に
「特別区」庁舎でコスト増大
大阪市議会委 共産・山中氏が追及

山中智子市議

山中智子市議

 大阪市議会大都市・税財政制度特別委員会が17日開かれ、日本共産党の山中智子幹事長が大阪市を廃止・解体する「特別区」素案について質問しました。

 山中氏は、維新や副首都推進局が「特別区」は「中核市並みの基礎自治体」になると掲げてきた以上、「特別区」の本庁舎の建設は当然だと指摘。素案では本庁舎建設案のイニシャルコスト(初期費用)は558億円だが、それは現在の区役所の建物の空スペースに本庁職員を分散して配置した上で、不足する面積を算出したものだと述べました。

 「実際にこのように配置することは不可能で、市民はどこへ行けばよいか分からなくなる」と山中氏。本庁職員を本庁に配置できる庁舎とするためには、党市議団の試算では、庁舎建設費用は142億円の追加となり、用地費も96億円増となるなど、総額のイニシャルコストは776億円に膨れ上がることを示し、「これほど壮大な無駄はない」と批判しました。

 ことし2月に市が発表した財政収支概算は、前年と比べ、収支が改善していると指摘。「未反映の効果額を加味すれば、市民施策を拡充できるようになりつつある。明るい兆しが見えるこの流れを元に戻すようなことがあってはならない。巨大開発や何百億ものコストをかけて大阪市を廃止するなどは、決してやってはらならない」と強調しました。

 山中氏は世論調査でも大阪市廃止に反対が多数であり、「市民の間では『都構想ノー』ということで、2015年5月の住民投票以来、引き続き決着済み」と述べ、「都」構想と住民投票はきっぱり断念するよう求めました。

 吉村洋文市長は、「断念しない。大阪を成長させるための大都市制度改革が『都』構想だ」と答弁しました。

 山中氏は「いつまで不毛な議論を重ねるのか。一日も早く断念して、暮らしと福祉の向上など基礎自治体としてなすべきことに力を注ぐべき」と反論しました。

(大阪民主新報、2018年5月27日号より)

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