おおさかナウ

2018年04月01日

山下よしきの徒然エッセイ
過労死の教訓学ばない首相

山下よしき氏

山下よしき氏

 「過労死、過労自殺の悲劇を二度と繰り返さない」――安倍首相の言葉です。昨年11月、私の代表質問にそう答えました。

 そこで3月5日、「ならば一つ一つの過労死の事例から、しっかり教訓をくみ取る必要がある」と予算委員会で首相をただしました。

 まず取り上げたのは、厚労省が裁量労働制の違法適用を摘発した好事例として紹介していた野村不動産で、じつは50代の男性が過労自殺していた問題です。

 私は「裁量労働制を〝隠れ蓑〟にただ働きや長時間労働をさせても、労働者の命が失われなければ違法行為が見つからないということだ。届け出だけなので事前チェックは難しい」と指摘。首相は「労基署が適切な指導を行っていくことが大切」と答えるだけでした。

 次に取り上げたのは、31歳の若さで過労死したNHK記者・佐戸未和さんの事例です。未和さんが亡くなる2カ月前の時間外労働は188時間(!)、209時間(!!)でした。

 私は「裁量労働制など『みなし労働時間制』は使用者が労働時間を把握しなくても罰則がない。長時間労働がまん延するのは当たり前だ」と告発。首相は「制度導入は労使が話し合って決める」というだけでした。

 「毎日毎日、娘の後を追って死ぬことばかり考えていました」――未和さんの母・恵美子さんの言葉です。「過労死の悲劇を繰り返さない」と見えを切りながら、過労死の教訓を学ぼうとしない首相に、労働者と家族の願いを託すことはできません。(やました・よしき 日本共産党参院議員 毎月第1週に掲載)

(大阪民主新報、2018年4月1日号より)

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