おおさかナウ

2017年10月14日

日本共産党大阪市議の質問から

決算特別委

 2016年度の大阪市公営・準公営企業会計決算を審議する大阪市議会決算特別委員会で日本共産党の井上浩議員が4日、小原孝志、江川繁両議員が5日、それぞれ質問しました。主な質疑を紹介します。

ホーム柵や浸水対策を地下鉄の最優先課題に
井上浩議員

井上浩大阪市議

 井上浩議員は地下鉄の安全・防災対策などについて質問しました。地下鉄駅でのホーム転落事故は14年度から3年間で、御堂筋線93件など6路線で計225件に上る一方、可動式ホーム柵がある長堀鶴見緑地線、今里筋線では0件です。

 井上氏は、橋下前市政で民営化方針が決定されて以後、当初計画されていた御堂筋線全駅への可動式ホーム柵設置が心斎橋・天王寺両駅を除いてストップし、安全対策が停滞していることは大問題だと指摘。市営地下鉄を運営する8政令市のうち、仙台など4市で可動式ホーム柵を全駅設置していることを示しました。

 「輸送力低下などの課題が未解決」として全駅設置に背を向ける交通局に対し井上氏は、心斎橋・天王寺両駅への可動式ホーム柵設置前後の御堂筋線の停車時間、運行本数などの変化を検証。「可動式ホーム柵の設置とダイヤの乱れに直接の因果関係はない。自動運転装置など技術革新を見通していたからこそ、当初の全駅設置計画も出た。それにストップをかけたのが民営化だ」と批判しました。

 さらに民営化後の資金計画で可動式ホーム柵設置費用を見込んでいないのは重大だとして、「お客様第一主義で御堂筋線への全駅設置を進めるべきだ」と主張しました。

 また井上氏が、河川氾濫浸水想定範囲内にある地下鉄駅のうち、浸水対策が未実施の55駅について質問。民営化後の新会社は、大阪市危機管理局が作成したハザードマップ(被害予測地図)に基づく対策を行うことになっていないとし、「乗客・市民の安全を最優先にした取り組みを進めるべき」と求めました。

カジノ前提の夢洲開発 埋立もリスクが大きい
小原孝志議員

大正区市会 こはら孝志 小原孝志議員は、吉村洋文市長や松井一郎知事がカジノ・万博を誘致しようとしている、大阪港の人工島・夢洲のまちづくりや埋立事業の問題点について質問しました。

 府や大阪市、経済界などでつくった検討会がことし8月にまとめた「夢洲まちづくり構想」は、カジノを核とする統合型リゾート(IR)の誘致などで、「国内外から人・モノ・投資を呼び込む新たな国際観光拠点」の形成を打ち出しています。

 小原氏は、かつて大阪市が夢洲への2008年五輪誘致を当て込み、「常住人口4万5千人、就業人口3万人の街」を計画したが、ことごとく失敗したと指摘。「(今回の構想は)絵空事だ。膨大な公金投入がされた上に、失敗するのではないか」と警告しました。

 小原氏は、旧WTC(ワールドトレードセンター)ビルをはじめベイエリア開発の破綻で、1千億円あった都市整備事業基金も底をつき、埋立事業会計も火の車となって、長期収支見込みも出せない事態に陥っていると強調。港湾局は「まちづくり構想の大幅な変更で見通しが出せない」と説明しました。

 これまでの舞洲の護岸建設・埋立土地造成・基盤整備などに2811億円の巨費が投じられ、今年度以降の事業費538億円と合わせ全体事業費は3349億円に。小原氏は、そのうち税投入が1955億円(58%)に膨らんだことを批判。残りの1394億円は土地売却収入を充てるというが、土地が売れる保障はないことや、夢洲の開発に伴う新たな負担も不透明だとし、「万博、IRの誘致は埋立事業からみても大変リスクが大きい」と断じました。

平和な大阪港の発展へ「非核神戸方式」採用を
江川繁議員

04東住吉区 江川しげる 江川繁議員は、大阪港の平和的な発展や、夢洲へのカジノ誘致問題などで質問しました。大阪港は1868年に開港し、ことし150年を迎えました。国際情勢が緊迫する中、江川氏は1994年に大阪市議会で可決された「大阪港の平和利用に関する決議」を示し、吉村洋文市長に「世界に開かれた平和な貿易港としてさらに発展させることが市長の責務だ」と述べました。

 また同決議にもかかわらず、大阪港に入港する米艦船が核兵器を積んでいる疑いが残っていると指摘。艦船に核兵器を搭載していないことを証明する「非核証明書」の提出を義務付ける「非核神戸方式」を取り入れることが重要だと迫りました。

 吉村氏は「決議の趣旨を踏まえ、平和な貿易港として運営する」とする一方、「国防は国家の専権事項」と答弁。核積載艦船の入港については日米韓の「事前協議」があることを理由に、「非核神戸方式」の採用には背を向けました。

 また江川氏は、港湾法の趣旨や港湾の目的は市民のための物流、人と人との交流による暮らしと平和の発展にあると強調。世論調査でも国民の6割が反対するカジノを核とした統合型リゾート(IR)を夢洲に誘致することは、その目的に反するとし、「港湾行政を進める立場から、きっぱり断念すべき」と主張しました。

 吉村氏は「夢洲は大阪の成長発展に貴重なエリア」と、カジノ誘致に固執。江川氏は「ベイエリア開発の失敗を深く、冷静に反省し、市民に損害を与えないよう、引き返せるのは今。賢明な判断をしなければ、吉村市長は歴史に大汚点を残すことになる」と述べました。

(大阪民主新報、2017年10月15日付より)

 

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