おおさかナウ

2014年01月12日

架空支出疑惑 全会一致で市長問責
吹田市議会 〝説明責任果たさず〟

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 吹田市の井上哲也市長が、政治資金をめぐり説明を尽くしていないなどとして、市長に対する問責決議が2013年12月24日の同市議会本会議で全会一致で可決しました。井上市長に対しては、市が発注した太陽光パネル設置工事を自身の後援企業が単独随意契約していた問題や、私設秘書(すでに解雇)が同社の関連企業から報酬を得ていたことで、市議会で百条委員会が設置されています。決議に法的拘束力はありませんが、年明けに委員会の報告書が提出された後、不信任案提出の可能性もあります。

井上市長 疑惑まみれでも〝辞任せず〟

 井上市長が府議時代に代表を務めていた「自民党大阪府吹田市第1支部」は、2010年1月から10月に毎月10万円、計100万円を支部交付金として、政党支部「自民党大阪府吹田市支部」に支出したと政治資金収支報告書に記載。吹田市支部に収入があったとして領収書10枚を作成していましたが、吹田市支部の同年の収支報告書には第1支部からの収入の記載はありませんでした。
 支部は「記載ミス」として収支報告書を訂正していますが、支出されていなかった100万円の行方について明確な説明はありません。
 また同年、大阪維新の会から後援会への寄付金99万5千円について、入金処理をしていませんでした。当時、井上市長は大阪維新の会の会計責任者を務めていました。
 井上市長は社会党市議や自民党府議を経て、2011年に大阪維新の会公認で当選。後援企業をめぐる疑惑が発覚し、12年10月、大阪維新の会顧問を解任され、離党しています。 

疑惑の一方で市民いじめ

 井上市長は「行政の維新プロジェクト」を推進し、公立保育園の民営化計画をはじめ、国民健康保険(国保)料の連続引き上げ(12年から)、高齢者や障害者、妊産婦などが利用していた福祉バスを廃止するなど、住民サービス切り捨てを強行してきました。
 しかしこの1年ほどの議会では、市長提案議案が否決・修正される場面が増えています。
 決議を受け、井上市長は「これまで以上に丁寧な説明をしたい。市民との約束を果たすため、任期満了まで務める」と記者団に述べました。

全会一致に大きな意味 真相究明へ全力尽くす
日本共産党市議団

 日本共産党吹田市議団(塩見みゆき団長)は「与野党がまとまって総意を示したことは、法的拘束力のない問責決議と言えども、非常に大きな意味がある。市長の政治と金の問題では、市長自身がまともに説明をしないことが真相究明を妨げている一番の問題。太陽光パネル問題については、今後も百条委員会で究明に全力を尽くしていきたい」としています。

 

 

(2014年1月12日付「大阪民主新報」より)

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