おおさかナウ

2017年06月11日

「共謀罪」法案
処罰対象が不明確/監視社会招く恐れ
国会は徹底審議を 大阪弁護士会有志が緊急声明

 終盤国会の焦点になっている「共謀罪」法案をめぐり、安倍晋三首相が国民の疑念や不安を無視し、問答無用で強行する姿勢を強めています。これに対し大阪弁護士会の有志が「共謀罪」法案の徹底審議を求める緊急声明を発表し、同会所属の弁護士に賛同を呼び掛け。7日正午現在で930人が賛同しています。

1週間で930人賛同

 「共謀罪」法案が衆院本会議で自民・公明・維新の賛成により可決(5月23日)されたのを受けて同月24日、大阪弁護士会の小原正敏会長は、審議不十分なままでの採決に抗議する声明を発表。これに先立つ同月21日には、歴代会長17氏も十分な審議を求める共同声明を発表しています。

 今回の緊急声明は今月1日と5日の2回にわたって賛同を呼び掛けたもの。

 緊急声明は、処罰規定は誰が見ても処罰対象が明確でなければならない(罪刑法定主義)と指摘。しかし「共謀罪」法案は「2人以上で計画」した段階での処罰対象が団体に限定されるのか、一般人も対象になるのかという根本問題についてすら、政府答弁が一定していないと強調しています。

 また法案が成立すれば、捜査機関は「いつ、どこで、誰が、どのような相談をしているか」を探る捜査を行う責務を負うことが必須となるため、「共謀罪の導入は監視社会を招く可能性がある」と警告。これらの問題や懸念を明らかにするため、国会での徹底審議を求めています。

不十分な審議に憂い
緊急声明の呼び掛け人 伊賀興一弁護士

 6月1日から始めてわずか1週間で1千人に迫る賛同が寄せられたことは、日本の歴史上でも特筆すべきこと。多くの弁護士が共謀罪の審議の不十分さを憂いていることが明らかになりました。

 何が処罰され、誰が処罰されるのか、団体なのか個人なのかも分からない、曖昧模糊(もこ)としたむちゃくちゃな政府説明で、法律としても不全であること、法案の中身は知らしむべからず、寄らしむべからずというお上意識は、加計学園問題などにも共通しています。

 アピールへの賛同は安倍政権全体への憂いの現れだろうと思います。

 

(大阪民主新報、2017年6月11日付より)

 

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