おおさかナウ

2014年08月24日

法定協正常化条例 市長再議で否決
大阪市議会

橋下市長は政治家失格 野党会派が批判

now20140824_gikai 大阪府・大阪市特別区設置協議会(法定協)の正常化へ、大阪市議会からの推薦委員を各会派の議員数に応じて割り当てるようにする条例案が7日の本会議で可決されましたが、橋下徹市長が審議のやり直し(再議)を求めた結果、11日の本会議では否決されました。橋下市長は再議の説明で、「民主主義を否定する条例」と攻撃し、提出した野党4会派を「政治家失格」などと言い募りましたが、経過や今回の臨時市議会の討論を通じて、橋下市長や維新の会の道理のなさが、ますます浮き彫りになっています。

 大阪府議会推薦の法定協委員をすべて維新の会に差し替えるという暴挙に対して、大阪市議会では府議会の状況が正常化するまでは市議会からの委員を推薦しないことを決めるとともに、法定協正常化条例案を維新の会以外の全議員が共同で提出しました。
 再議に付した橋下市長は、大阪市議会の推薦委員はすでに議員数を反映した構成で、条例制定に意味はないと主張。逆に、野党会派は法定協という議論の場に出席せず、「民主主義を否定した」と決め付けました。

二重・三重に民主主義蹂躙

 11日の本会議で再可決を求めて討論に立った日本共産党の山中智子議員は、橋下市長の再議の説明を「そっくりそのまま市長にお返しする」ときっぱり。特別区設置の「協定書」は暴挙に次ぐ暴挙、二重にも三重にも民主主義を踏みにじり、維新の会のみで法定協の回を重ね、でっち上げたものだと強調しました。
 その内容も、特別区間の人口格差は最大と最小で2倍以上、財政上の格差も埋めがたいと指摘。特別区議の定数は現在の市議定数を当てはめただけで、「とてもまともに議論したとは思えず、『中核市並み』どころか、全くの半人前自治体だ」と断じ、「協定書」の撤回を求めました。

議席数に応じた委員構成に

 その上で、府議会・大阪市議会とも各会派の議席数に応じた委員による法定協を再構築し、「二度と恣意(しい)的な委員差し替えなどが起きないよう、ルールの明文化が求められる」と主張しました。
 他会派の討論でも、「再議の理由はあまりにお粗末」(公明党・土岐恭生議員)、「唯我独尊、独裁政治を推し進める正体が明らかになった」(自民党・木下吉信議員)など、橋下市長の暴走を批判する発言が続きました。
 再議の可決には出席議員の3分の2の賛成が必要で、維新の会が反対したため、条例案は否決されました。


(2014年8月24日付「大阪民主新報」より)

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