おおさかナウ

2017年03月05日

チェック!維新府政 府民のくらし守ろう
日本共産党府議団レポート②

大阪府2017年度予算と施策の特徴(上)
カジノと大型開発に着手、巨額の将来負担に備える予算

自民・公明の悪政と維新政治で深刻になった暮らしと経済

 消費税5%になった1997年は、大阪府と全国の生活保護率はあまり変わりません。ところが10年後の2007年は大阪府は全国の2倍以上です(表1)。橋下知事就任は2008年ですが、保護率は増え続け、最近でも全国の2倍です。この数年は、大阪市を先頭に生活保護受給を強引に押さえ込むやり方がとられ、保護率は下がっていますが、これは生活実態を反映しているとはいえません。生活扶助は3人世帯、夫婦世帯とも減り、老齢加算も廃止され、住宅扶助も減額されているので、生活困難な人はさらに増えていると思われます。

 子どもの貧困率は1997年と2012年の比較ですが、全国2・3倍に対して大阪府は2・6倍です(表2)。貧困率は全国ワースト2ですが、悪化率は全国ワースト1です。維新政治になってからの5年間でも京都府12%増、兵庫県22%増に対して大阪府は34%増となっています。

 数字が分かる直近の2013年度と2007年度の総生産を比較すると、全国が横ばいなのに大阪府は2・7%も減っています(表3)。大阪経済が沈滞する中で、大人も子どもも貧困化が進んでいます。

新年度はカジノと大型開発がいっせいに始まる予算 暮らし、医療、教育に背を向けている

①大阪府の新年度予算案の特徴は、何といっても昨年末に安倍政権と維新の会が強行したカジノと大型開発です。カジノには構想(素案)づくりと府内10カ所の説明会等の予算を組んでいます。しかし、カジノは実施法さえまだできていません。

 松井知事は、今から準備しないと夢洲が指名されないといいますが、刑法違反のものを、推進室まで作って進めるのは異常です。橋下知事(当時)が就任直後の2011年に初めて予算化を検討して以来の宿願が叶ったと有頂天になっているのでしょう。

 統一地方選前の2014年末に急に言い出した万博も夢洲で、こちらは世界中への誘致の働きかけなどに3億780万円を組んでいます。

 来年夏にはカジノの夢洲誘致を決め、11月には万博を誘致したい――これが今の維新の会の方針です。

 橋下氏の市長転身の動機ともなった淀川左岸線延伸部も、4千億円を見込み測量などが始まります。1900~3000億円といわれる「なにわ筋線」は、国、府と大阪市などがつくる別会社で進め、その借金の一部をJRと南海が返す、最初から税金投入ありきで進められてきました。JRと南海は少しでもリスクを少なくしたい思惑があり、調整がつかないため調査費しかつけていませんが、場合によっては税金投入が増え、調整がつけば一気に進むでしょう。

 これらの大規模開発を進める行政上の仕組みとして、副首都局は維持し、法定協再設置を議会に提案しています。

②大型開発による財政負担は膨大です(表4)。

 淀川左岸線延伸部は国の直轄事業を1800億円、NEXCO西日本に600億円負担させます。万博は現地の建設費だけでも1200億円といわれ、府、大阪市400億円、国400億円、地元経済界400億円の予定でした。しかし最近では1300億円以上になると言われ始めています。その場合、国と自治体の負担が増えると私たちはみています。

 建設資材の値上がりなどを理由にしていますが、地下鉄中央線延伸や埋め立て、道路の拡幅などの事業費も膨らむことになるでしょう。そこでも府や大阪市、国の負担が膨らみます。今までの開発との違いは、安倍政権が大型開発に躍起になり、維新と無駄遣いでも一体になっていることです。「二重行政解消」と無駄遣いをなくせといってきた府と大阪市が、ことごとく協力して大型開発を進めていることも特徴です。

③このままでは、再び1990年代に象徴される府、大阪市のベイエリア開発の失敗が繰り返され、少なくとも今後30年以上は府と大阪市の財政負担が巨額になります。それは住民負担の増加にもなり、大阪経済の落ち込みにもつながります。

 新年度予算案では、35人以下学級(県独自では大阪・広島・熊本の3県が未実施)や子ども医療費補助拡充などは見送られました。介護施設の拡充、介護や医療の予防、早期発見は無策で、全国屈指の不健康都市・大阪がいっそう進み府民と大阪経済を苦しめることになりかねません。

 また、子どもの貧困調査を実施しましたが、新年度予算では調査結果を反映した具体的で効果的な対策はとられていません。

④一方で、住民負担増は目白押しです。

 2018年度からの障害者、高齢者、難病・人工透析・結核患者などへの医療費助成制度改悪・負担増に備えてシステム改修費が組まれ、5月、6月にも市町村で条例や規則の改定が進められようとしています。国民健康保険は、2018年度からの一元化に向け、「府内統一保険料率」を前提に2017年度の「試算」なるものを出し、法定外繰入の削減を押しつけようとしています。すでに新年度から保険料を値上げする市町村も少なくありません。

 府営住宅の駐車場料金が、4割の団地、9200人でこの10月から値上げになります。国が、公営住宅の住民には低廉に駐車場を提供する必要はない、という通知を20年前に出したことを理由にしているのですが、ただでさえ苦しい府営住宅の住民の暮らしを直撃するものです。(続く)

(表1)生活保護率の推移

  1997年 2007年 2014年 2016年(10月)
大阪府 12.6% 25.6% 34.1% 33.2%
全国 12.1% 12.1% 17.0% 16.9%

(表2)子どもの貧困率の推移

  1997年 2012年 伸び率
大阪府 8.4% 21.8% 2.6倍
全国 6.0% 13.8% 2.3倍
兵庫県 7.7% 15.4% 2.0倍
京都府 10.4% 17.2% 1.7倍
東京都 5.7% 10.3% 1.8倍

戸室健作山形大准教授の研究より

(表3)県内総生産の伸び率

2013年度(2007年度が100)
大阪府 97.3
全県平均 100.1
兵庫県 102.1
京都府 98.8
東京都 98.1

(表4)2017年度予算案に計上された主な開発型事業

事業名 事業費 2017年度当予算 完成時期など
統合型リゾート(カジノ)   4,770万6千円 「2023年までの開業を目指す」(松井知事)
万博誘致

建設費:1,300億円

運営費:740億円

鉄道整備費等:640億円

道路改良費:40億円

3億780万1千円

2025年開催に立候補

経済産業省試算では運営費830億円

なにわ筋線 1,900~3,000億円 500万円

未定

淀川左岸線延伸部 4,000億円 1,666万1千円 2032年度
モノレール延伸 1,050億円 4億600万円 2029年

(大阪民主新報、2017年3月5日付より)

 

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