おおさかナウ

2017年02月19日

賭博依存に未来なし 大阪にカジノはいらない
市民連合高槻・島本が学習会

カジノの問題点を学び合った市民集会=7日、高槻市内

カジノの問題点を学び合った市民集会=7日、高槻市内

 「安保法制の廃止と立憲主義の回復を求める市民連合高槻・島本」は7日、高槻市内で市民集会「とばく依存に未来なし!大阪にカジノはいりません」を開き、150人が参加しました。

賭博正当化の余地はない

 「カジノ解禁推進法の問題点と社会的影響」と題して講演した大阪弁護士会消費者保護委員会委員の鈴木嘉夫弁護士は、刑法が賭博を処罰対象とする一方、特別法によって競馬や宝くじ、サッカーくじなど公営ギャンブルを認める日本の現状を取り上げ、賭博正当化に必要とされる法務省の8要件を詳述しました。

 業務委託を受けた民間団体が不当な利益を得ないとする「目的の公益性」、「射幸性の程度」「運営主体の廉潔性」「公的監督」など8要件について解説し、昨年12月に成立した「特定複合観光施設区域の整備の推進に関する法律(カジノ解禁推進法)」の条文に触れ、「運営主体が民間事業者であれば、公益性だけに収益の使途を限定するのは困難であり、法務省が8要件の見解を変更しない限り、もうけを追求する民間賭博を公認するカジノ合法化の余地は一切ない」と強調しました。

深刻な影響と社会コスト

経済効果超える社会コスト

 続けて鈴木氏は、依存症患者の増加、多重債務者の増加や闇金融・マネーロンダリングなど犯罪発生と暴力団の関与、風俗環境の悪化、青少年への影響など、ギャンブルがもたらす社会的影響について述べ、「推進派が主張する経済効果をはるかに上回る社会コストが発生する。カジノを解禁し収益で依存症対策を進めるのは、まさに本末転倒だ。実施法の成立を阻止し、カジノ誘致を許してはならない」と語りました。

客が年5兆円負ける計算

 カジノ問題を考える大阪ネットワーク代表の桜田照雄阪南大教授が「カジノで大阪経済は再生できない」と題して講演しました。

カジノ利益は客が負けた金

 桜田教授はまず、「カジノを考える際、肝心なことは、カジノ運営業者(胴元)の利益は皆さんが博打で負けた金だということだ」と述べ、大阪市此花区の人工島・夢洲カジノ万博構想をめぐって、海外のカジノ経営者が「1兆円投資する用意がある」と発言した問題を取り上げました。

 ビジネス世界の投資慣行に基づき、7年で投資額1兆円を回収するには、年間1400億円の純利益が必要だと試算を示し、収益率3%と仮定した場合、「1400億円の約33倍、年間4兆7千億円の売上=客の掛け金が必要になる」と述べました。

24時間365日いつでも打てる

 「24時間、365日いつでも博打が打てる場所」――それがカジノと競馬・競輪・パチンコとの決定的な違いだと述べ、外的空間と遮断された窓のない施設構造や、ルーレットやバカラ、スロットマシン、ブラックジャックやポーカーなど、カジノで繰り広げられる実情を紹介。夢洲カジノの場合、「10万円負ける客が1時間で5400人、24時間で13万人必要になる計算だ」と述べ、わずか1時間で5億円超、24時間で130億円を売り上げる異常な商売の世界がカジノだと述べました。

健康リゾートという欺瞞

 桜田教授は、「健康・長寿」をテーマに掲げた国際博覧会誘致運動に関し、府・市と経済界挙げた賭博場誘致の動きの中、有識者が「賭博は認知症予防になる」とした発言を批判しました。

真の経済再生が求められる

 ギャンブル依存症の実態や、犯罪増加の深刻な実態にも触れながら、「健康万博と言いながらカジノを作ってどうするのか。認知症予防になるという議論は、社会の劣化現象としか言えない」と厳しく批判。万博開催に伴う経済波及効果が6兆円に及ぶとする主張の欺瞞を指摘し、「真の経済再生のため、今ある経済資源を見直し徹底的に活用する方策を考え、消費に結び付ける新しい産業の連関を生み出すことが求められている」と強調しました。

参加者を交えて意見交換も

 高槻市、島本町の無所属、緑の党、民進党、日本共産党の府議・市議・町議が紹介され、フロアの参加者を交えて意見交流。「経済活性化いうが、ギャンブル犠牲者が増えるだけだ」「競輪やパチンコ以上に射幸心をあおり、勝ち負けの額が多いカジノの異常さが分かった」「法務省の賭博8要件の議論はどうなるのか」「幻想のような経済効果が振りまかれて、ギャンブルを進める政治を変えたい」など質問や感想を熱心に話し合いました。

 最後に生田勝義氏(立命館大学名誉教授)が閉会あいさつし、引き続き学習と運動を広げていこうと呼び掛けました。

カジノ推進の維新政治転換

立憲野党は共闘を
市民連合高槻・島本

 「市民の力と立憲野党の共闘で新しい政治の流れを」と市民が呼び掛けて、「安保法制の廃止と立憲主義の回復を求める市民連合高槻・島本」は昨年12月に発足しました。①安保関連法の廃止②立憲主義の回復③個人の尊厳を擁護する政治の実現―の一致点で、新しい政治の実現を目指す共同を進めています。

 集会で呼び掛け人を代表して、正路怜子さんが開会あいさつしました。3年前、秘密保護法反対を掲げて党派を超えた共同の取り組みがスタートしたと紹介するとともに、「私たちが目指しているのは民主主義を守り、一人一人の人権を尊重するリスペクトの政治です」と述べました。

 正路さんは、カジノ誘致を進める維新政治の転換が大阪にとって重要だと強調。「個人が尊重され、そのもとに経済も文化も政治があるのが基本。『立憲野党は共闘を』と力を合わせ、対話を通じて政治を変えていきましょう。次の選挙で、国会3分の2の改憲勢力を変えていけるよう頑張りましょう」と呼び掛けました。

(大阪民主新報、2017年2月19日付より)

 

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