おおさかナウ

2016年09月11日

憲法生かし住みよい摂津に
11日告示 摂津市長選
清水信行候補が決意

 9月11日告示(18日投票)で摂津市長選挙が実施されます。日本共産党も参加する「摂津明るい民主府・市政をつくる会」の清水信行さん(69)=無所属=は、憲法を市政にいかし住みよいまち摂津市に「5つのプランと24の重点政策」を発表しています。清水さんに市政の課題や選挙戦への決意を聞きました。

――市政の現状をどうみますか

暮らし支援を次々切り捨て

清水信行摂津市長候補

清水信行摂津市長候補

 摂津市の上下水道料金は北摂7市で最も高額で「引き下げてほしい」と悲鳴の声が広がっています。国民健康保険料は2014年と15年に連続で引き上げられ、40代夫婦のモデル世帯(子2人=所得200万円)で約37万円と所得の18%を占め大変重い負担となっています。
 3期12年の森山市政は財政危機を理由に市民の暮らしを守る施策を次々に切り捨ててきました。「行革」と称し就学援助基準改悪など福祉施策を削ったことも大問題です。
 自治体の使命は「住民の福祉の増進を図る」(地方自治法)ことにあります。安倍政権の下、貧困と格差が広がり市民生活がますます厳しくなっている今こそ、憲法を暮らしに生かし国と府の悪政から市民生活を守る防波堤の役割を果たす自治体への転換が必要ではないでしょうか。

――どのような摂津市を目指しますか

豊かな財政力生かし施策を

 「行革」が進む一方で摂津市の財政力は非常に高く、市民1人当たりの市税収入は府下の衛星都市の中で府内2位、自治体の貯金に相当する積立基金は、過去最高の146億円に達しています。この豊かな財政力を生かせば、市民の暮らしを守る施策が実現できることを財源の裏付けも示し、「5つのプランと24の重点政策」として発表しました。
 特に子育て支援と教育分野では、自校式・生徒全員対象の中学校給食や18歳までの医療費助成拡充、小中全学年の35人学級実現を訴えています。
 3年前に、豊かな中学校給食を求め1万4千人の署名が市に提出されましたが、昨年6月にスタートした中学校給食は希望者だけの選択式デリバリー給食で、利用率は市が想定した3割に遠く及ばずわずか4・7%と低く、学校給食法が「教育の一環」と定める給食と呼べる内容ではありません。市内5中学で自校式給食実現に必要な初期費用は貯金146億円の3・7%でまかなえます。問題はやる気があるかどうかではないでしょうか。

切実な願いと声を反映して

 摂津ではかつて黒田革新府政に先駆けてゼロ歳児の医療費無料化を実現しました。その背景には学習や署名を粘り強く続けた母親をはじめ市民の運動がありました。
 その後も市民プールの存続、小学校の統廃合反対をはじめ、市民ぐるみの署名活動が実際されるなど、摂津市は市民運動の盛んな都市です。
 こうした切実な願いと声こそ市政に反映されなければなりません。市民の願いをしっかりと受け止め、安心して子育てができ、住み続けられる街を市民の皆さんと一緒につくっていきたいと思います。

――選挙戦へ臨む意気込みをお聞かせください

誰もが人間らしく働ける街

 京都大学大学院を経て約40年、ダイキン工業で冷凍機の設計を担当して働き続け、自らが長時間過密労働を体験しながら、労働条件の改善と非正規労働者の雇用、権利を守る闘いを続け、特に業界世界1位に成長したダイキン工業が有期間社員数百人を一斉に期限切れで雇い止めした労働者使い捨てを許すことはできず、職場復帰を求めた原告4人の裁判闘争の支援を続けました。
 このため出世とは無縁でしたが、私はこの生き方を後悔どころか誇りと思っています。
 摂津は大企業や中小企業の多い街で、長時間過密労働の是正や正社員が当たり前の社会を実現することは摂津の地域経済にとっても大切な課題です。誰もが人間らしく働ける街になるように、そしてすべての市民が希望を持って暮らせるような摂津市へと頑張りたいと思います。

悪政から市民を守る
清水候補が事務所開き

 11日告示、18日投票の摂津市長選に立候補する、「摂津明るい民主府・市政をつくる会」の清水信行氏の事務所開きが、同市正雀3で行われ、清水氏は、「憲法を生かし、市民の暮らしを守る摂津市政に転換したい」と訴えました。

 ダイキン有期社員雇止め裁判元原告の青山一見さんは、訴訟支援に奮闘してくれた清水氏の人柄に触れ、「国と府の悪政から市民の暮らしを守ってくれる人です」と語りました。新日本婦人の会摂津支部の平尾鮎子事務局長は、「安心して子育てできる摂津市に」と子ども医療助成拡充や自校式中学校給食を願う保護者の願いを紹介し、摂津民主商工会の脇坂望事務局長は、高すぎる国保料の問題に触れ、「命を守る社会保障制度が市民の暮らしを脅かしている」と指摘。維新政治が進める府内統一保険料の計画を批判しました。日本共産党摂津市議団の安藤薫幹事長は、市長選の様相や争点を報告し、「市民不在の権力争いを続ける古い政治の枠組みを変えて、市民の願いが届く『市民が主人公』の摂津市を目指そう」と呼び掛けました。

 清水氏は、格差を広げる安倍政権と維新政治の暴走を批判し、「悪政から市民の暮らしを守ることが地方自治体の使命だ」と強調。▽国保料年1万円引き下げ、国保統一保険料に反対▽北摂1高い水道料など公共料金引き下げ▽自校調理・全員給食の中学校給食▽高校生まで子ども医療助成の拡充―などの「5つのプラン」を紹介し、「市民の暮らしを守り子育てと教育を大切にする摂津へ頑張りたい」と決意を表明しました。

(大阪民主新報、2016年9月11日付より)

 

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