おおさかナウ

2016年07月06日

日本の命運かかった参院選
野党勝利と共産党躍進必ず
日本共産党街頭演説 志位委員長が訴え

 参院選投票(10日)まで最後の日曜日となった3日午後、日本共産党府委員会が志位和夫委員長を迎えて大阪市中央区・難波の髙島屋前で街頭演説を行いました。炎天下の中、6500人が参加し、わたなべ結大阪選挙区候補、大門みきし比例候補も訴え。生活の党の玉城デニー幹事長、シールズ関西(自由と民主主義のための関西学生緊急行動)の塩田潤さんが日本共産党とわたなべ候補への期待を語りました。

ダッカでのテロ事件を糾弾

 志位氏は冒頭、バングラデシュの首都ダッカで日本人7人を含む20人が犠牲になったテロ事件に断固抗議するとともに、亡くなった人々に哀悼の意を表明。同時に、犯行声明を出した過激組織ISを、アフガニスタン戦争やイラク戦争が生み出したとし、「戦争でテロはなくせず、悪循環に陥るだけ。国際社会が一致結束し、警察と司法の力でテロリストを追い詰め、根絶のための政治的・外交的努力こそ必要」と述べ、そのために力を尽くすを語りました。

野党共闘は民主主義を取り戻す「希望」だ

 志位氏は「日本の命運がかかった参院選」と切り出し、党として「2つの目標」を達成するため最後まで頑張ると語りました。
 第1は野党と市民との共闘を必ず成功させること。
 全国32の1人区すべてで野党統一候補が実現するという画期的でかつてないたたかいになっている中、危機感を抱いた安倍晋三首相が野党共闘を「野合」と攻撃しています。

大義のもとに結束した野党

 志位氏は「野党は安保法制(戦争法)廃止、立憲主義を取り戻すという大義の下に結束している。立憲主義を取り戻すとは、憲法をちゃんと守るまっとうな政治をやるということ。これを壊したのが安倍首相。回復しようと言っているのが野党」と反論。「政策の違いを横に置いてでも立憲主義回復は最優先でやるべき仕事。野党共闘は『野合』どころか、日本に民主主義を取り戻す『希望』だ」と強調しました。
 第2は日本共産党の躍進へ比例代表で850万以上を獲得し、大門候補はじめ9人の当選を勝ち取ること。
 志位氏は大激戦・大接戦の大阪選挙区で、自民・公明とその補完勢力であるおおさか維新に絶対に負けるわけにはいかないとし、わたなべ候補を必ず押し上げてほしいと呼び掛けました。

党への1票は戦争法廃止と9条守る1票

改憲を隠し続ける安倍首相

声援に応える(左から)大門、玉城、わたなべ、志位の各氏=3日、大阪市中央区内

声援に応える(左から)大門、玉城、わたなべ、志位の各氏=3日、大阪市中央区内

 参院選では憲法改定を許するのかどうかが大争点になっていると志位氏。安倍首相は全国遊説で改憲にまったく触れず、「改憲隠し」を続けているが、党首討論では「憲法は変えていく」と明言。志位氏が自民党の改憲草案を示して「9条に手を付けないと言えるか」と詰め寄ると、安倍首相は最後まで否定しませんでした。
 志位氏は「手を付けようと思っているから言えない。安倍改憲の本丸は9条を変えること。自民党への1票は9条を壊す1票。こんな道は絶対に許すことはできない」と力を込めました。
 安倍首相が争点そらしのために“共産党は自衛隊を憲法違反と言っている”と攻撃していることに対し、志位氏は「いま問われているのは自衛隊が合憲か、違憲かではなく、自衛隊を海外の戦争に派兵していいのかということ。野党は合憲・違憲の違いを超えて海外派兵を止めようと結束している」ときっぱり語りました。
 志位氏は、「違憲の安保法制は廃止しかない。日本国民がたくさんの犠牲の上に勝ち得た憲法9条という世界に誇る宝を守り抜こうという願いは、党をつくって94年、一筋に反戦平和を貫く日本共産党とわたなべ結さんに託してほしい」と訴えました。

アベノミクス不況を「3つのチェンジ」で

 志位氏は「格差拡大のアベノミクスはストップ、暮らしを応援して経済を良くしたい。この1票はこぞって日本共産党とわたなべ結さんに」と呼び掛けました。

家計消費は初の異常事態に

志位委員長の訴えを聞く聴衆=3日、大阪市中央区内

志位委員長の訴えを聞く聴衆=3日、大阪市中央区内

 アベノミクスでは一部の大企業と富裕層は大もうけしたが、働く人の実質賃金は5年連続マイナス、家計消費は14年から2年連続でマイナスという戦後初の異常事態だとし、「アベノミクスはうまくいっているどころか、日本経済はアベノミクス不況だ」と厳しく批判しました。
 安倍政権が株価をつり上げるために年金積立金を株の運用に回した結果、15年度決算で5兆円もの損失が出ていることが判明。志位氏は「正式の数字は選挙が終わって7月29日にしか出さない。株価の落ち込みで4月以降は2兆円の損失といわれる。合わせて7兆円。高い年金保険料を取り、年金給付を削っておいて、積立金を7兆円も消す。こんなばかな政治があるでしょうか。アベノミクスのために年金を削ることは絶対に許せない」と力を込めました。
 その上で志位氏は、格差をただして経済に民主主義を貫く日本共産党の「3つのチェンジ」(「税金の集め方のチェンジ」「税金の使い方のチェンジ」「働き方のチェンジ」)を詳しく紹介しました。
 志位氏は給付制奨学金制度の創設や保育士給与の引き上げなど、日本共産党の提案の多くが野党の共通要求になっていることを示し、「野党を伸ばし、共産党を伸ばして実行させる力を与えてほしい」と訴え。「企業・団体献金をびた一文受け取らない日本共産党だからこそ、『財界応援』から『暮らし応援』へと政治の流れを変えることができる」と力説しました。

TPP・原発・沖縄…独裁政治を許さない

 志位氏は「環太平洋連携協定(TPP)、原発、沖縄問題など、国民の声に耳を傾けない安倍政権の強権政治を許さない1票を野党と日本共産党、わたなべさんに託してほしい」と続けました。
 沖縄県うるま市の女性会社員(20)が元米海兵隊員の軍属に暴行・殺害された事件に、沖縄県民の怒りがあふれていると志位氏。亡くなった女性は、少女暴行事件に島ぐるみの怒りが沸騰した1995年に生まれて被害に遭ったとし、「沖縄の皆さんの無念の思いは、日本国民みんなが共有しなければならない」と強調しました。

 志位氏は、6万5千人が参加した県民大会(6月19日)に被害女性の父親が「もう次の被害者を出さないでほしい」と全基地撤去を求めるメッセージを寄せたことを紹介。「日米両政府は犯罪が起きるたびに『再発防止』『綱紀粛正』を何百回も言ってきたが、守られたことは一度もない。ならば全部の基地を持って帰ってもらうしかない」ときっぱり。

主権国家の代表の資格なし

 事件後の日米首脳会談で安倍首相が「辺野古が唯一の選択肢」とオバマ米大統領に新基地建設推進を約束したことについて、「主権国家の代表者の資格はない。沖縄の問題は日本の問題、私たちの問題。連帯して基地のない平和な沖縄を国民みんなの力でつくろう」と呼び掛けました。

さらなる共闘発展へ
鍵は共産党の躍進に


 最後に志位氏は「今度の参院選を、野党と市民の共闘を前に進める1票を日本共産党とわたなべさんに」と訴え。野党共闘の勝利へ全国を駆け巡っている志位氏は、「共闘を参院選で成功させ、その後も発展させたい。そしてその鍵は日本共産党の躍進にある」と話しました。

政党政派超え手をつないで

 志位氏は、安保法制強行を受けて昨年9月19日に「国民連合政府」を提唱、国政選挙での野党協力を呼び掛けたことが、今日の共闘前進に貢献したと指摘。ことし2月の野党5党首会談で、参院1人区で党として思い切った対応をすると表明したことが、32の1人区すべてでの野党統一候補実現につながったと振り返り、「すべての1人区で勝利し、日本共産党躍進へ頑張る」としました。
 志位氏は「力合わせ、未来を開く。政党政派を超えて、いまの政治は危ない、政治を変えようと思う人は手をつなぎ、大阪を変え、日本を変えよう」と演説を締めくくりました。

 

(大阪民主新報、2016年7月10日付より)

 

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