おおさかナウ

2016年06月19日

争点は立憲主義・民主主義・平和主義
迫る参院選 担当記者が座談会

 参院選(22日公示、7月10日投票)が目前に迫りました。大阪選挙区の様相や選挙戦の争点などについて担当記者で話し合いました。

大阪でも野党と市民の共同が

全1人区で統一の候補

日本共産党の街頭演説でわたなべ大阪選挙区候補とともに訴える小池晃書記局長=11日、堺市堺区内

日本共産党の街頭演説でわたなべ大阪選挙区候補とともに訴える小池晃書記局長=11日、堺市堺区内

A 全国では32の参院選1人区で野党候補の一本化が実現し、4野党の書記局長・幹事長会談(1日)では、複数区では各野党が競い合って自公とその補完勢力を少数に追い込むために力を尽くすことが確認された。
B 安倍首相やおおさか維新の松井代表は野党共闘を「野合」と攻撃しているが、安保法制廃止・立憲主義回復の大義に立つのが野党共闘。世論と運動を通じてこれを後押ししてきた市民・国民に矛先を向けるものだ。
C 大阪でも「おおさか総がかり行動」(5月3日)では、野党4党代表と市民がスピーチし、「国政選挙は野党が共闘」とのコールが響いた。わたなべ候補と大門みきし比例候補の事務所開き(5月21日)には、社民、生活、新社会の各党代表、平松邦夫元大阪市長も駆け付けて、期待が語られた。
B 関西市民連合の街頭演説(12日)でも野党代表と市民がアピールし、「市民の力でできた野党共闘。責任を持って野党を勝たせたい」との声も聞かれた。安倍政権の自公与党とおおさか維新の会と、野党プラス市民の共同という流れが大阪でも発展している。
A さらなる野党共闘の前進にとって参院選の結果が重要。その上で野党共闘の成功とともに、日本共産党が、「安倍暴走政治にブレずに対決し政治を変える党」「国民との共同を何よりも大切にし、共同の力で政治を変える党」「安倍政権に代わる責任ある政権構想=『国民連合政府』を提唱する党」として、この歴史的な参院選で躍進・勝利することが決定的だ。

共産党勝利で自公維に痛打を

大阪は屈指の激戦区に

A 参院大阪選挙区(定数4)で、維新が2人目の候補者を決めた。日本共産党、民進党、自民党、公明党、おおさか維新の主要5政党の6人が4議席を争うという、全国屈指の大激戦に突入している。
B 自民党府連の中山泰秀会長は大阪選挙区候補の事務所開き(11日)で「私どもが目指すところは一番じゃなきゃだめだ」と強調した。維新の松井代表は街頭演説(12日)で、「2人通すのは至難の業。でも国政において影響力を持つためには数が必要」と、2議席獲得に執念を見せている。
C 松井氏はかねてから2人擁立の狙いについて、「それは一番、共産党、民進党に大阪での議席を与えたくないから」だと公言してきた。
B 維新は通常国会の党首討論で安倍首相に「改憲」をけし掛け、野党4党共同提出の内閣不信任案に反対し、自民・公明とともに否決。「責任改革野党」を叫ぶが、安倍政権の補完勢力ぶりを示した。
C 大阪選挙区では日本共産党・わたなべ結候補の勝利、野党の勝利で自公与党と維新に痛打を与えることができるチャンスだ。
B 同時に、維新は大阪で一定の支持を維持しており、その動きは軽視できない。安倍政権と「改憲タッグ」を組む維新が大阪選挙区で2議席を取れば、安倍政権の改憲戦略を支え、安倍政権と一体に大阪で維新政治の暴走が加速する危険がある。
A 日本共産党は今回の参院選を、自民・公明とその補完勢力を少数に追い込み、安倍政権を退陣させ、日本の政治に立憲主義・民主主義・平和主義を取り戻す選挙と位置付けてきた。大阪で日本共産党とわたなべ候補の勝利で、自民・公明、維新に痛打を与えるのか、それとも改憲勢力の議席独占、暴走政治の加速を許すのかが、問われている。

暴走政治の全体を問う論戦に

B 安倍首相は記者会見(1日)で、参院選は「アベノミクス選挙」と発言。自民党の大阪選挙区候補は街頭などで、「アベノミクスも日本全体で見れば成果が上がっているが、大阪は少し状況が違う」とし、「大阪を世界都市にする」などと演説している。

安保法制や改憲語らず

C 一方で安保法制や憲法改正についてはまともに語っていない。
A まさに「争点隠し」だ。自民党は参院選公約で、「衆参両院の憲法審査会での議論を進め、各党との連携を図り、国民の合意形成に努め、憲法改正を目指す」と明文改憲の推進を明記している。
C それだけに、日本共産党が打ち出している「安倍暴走政治の全体を問う政治論戦」が重要。憲法違反の安保法制を強行し、日本の立憲主義と民主主義を破壊したのが安倍政権。参院選は、この暴挙に対して主権者・国民が審判を下す最初の国政選挙だ。
B 秘密保護法強行、集団的自衛権行使容認の「閣議決定」強行、安保法制成立の強行など、憲法破壊の暴走政治を許していいのか。ここに参院選の大争点がある。日本共産党とわたなべ候補は安保法制廃止、「変えるべきは憲法ではなく、憲法をないがしろにする政治」ときっぱり主張している。

「3つのチェンジ」で経済再建

A 「アベノミクス」や消費税大増税路線の是非も正面から問われる。
C 安倍首相は「海外経済の不透明感」などを増税延期の理由にしているが、首相が語らなかった2つの数字がある。1つは働く人の実質賃金が5年連続でマイナスとなり、5%の目減りになっていること。もう1つは日本経済の6割を占める個人消費が2年連続でマイナスだということ。戦後初の異常事態だ。
B 消費税10%増税の2年半延期そのものが、格差と貧困を広げ、大企業減税の一方で庶民に消費増税を押し付ける安倍政権の「アベノミクス」・消費増税路線の破綻を示している。

わたなべ氏提言に歓迎

A この点で日本共産党は、「社会保障財源は『消費税に頼らない別の道』で賄うのが当然」「大企業応援から国民の暮らし最優先」を掲げ、「経済にデモクラシーを」の立場から、①税金の集め方②税金の使い方③働き方の「3つのチェンジ」で格差を正し、日本経済を立て直す展望を示している。
C 日本共産党のわたなべ結候補は、「若者提言」「女性提言」「消費税増税中止の呼び掛け」を相次いで発表し、各界に歓迎や共感の声を広げている。
B 環太平洋連携協定(TPP)、原発問題、沖縄の米軍基地問題など安倍政権の暴走と対決し、その全体にノーの審判を示し、政治を変えるチャンスだ。

安倍政権補完する維新の打破を

改憲エールを送る維新

A 安倍首相はNHKの番組(1日)で、「改憲を考えている責任感の強い人たちと(改憲発議に必要な)3分の2を構成したい」と、おおさか維新にエールを送った。
B 維新は参院選マニフェストで改憲を前面に押し出し、「(改憲を)発議しようとする勢力が3分の2必要だ」(松井代表)と、「改憲与党ぶり」を改めて表明。安倍政権の経済失政でも「(われわれは)構造改革をやらせられる勢力になっていく」(同)と語り、ここでも補完勢力ぶりが目立つ。
A 消費増税延期の下で財源を生み出すためとして、「身を切る改革」を維新は叫ぶが、政党助成金の廃止に触れず、8億円借り入れ問題でみんなの党代表を辞任した渡辺喜美氏を比例候補にしている。府民・有権者をあざむく話だ。
B さらに維新は安倍政権に対する「野党ポーズ」を取ると同時に、野党攻撃を強めている。
C 大阪で、安倍政治とともに維新政治の暴走と正面からたたかい、府民・市民の共同に努めてきたのが日本共産党。大阪での「改革」を実績に掲げ、全国に進出しようというおおさか維新の野望を打ち砕くかどうか。日本共産党の躍進とわたなべ候補の勝利にかかっている。

(大阪民主新報、2016年6月19日付より)

 

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