おおさかナウ

2016年05月22日

急増する「無人駅」 指導強化で安全確保を
共産党 国交省近畿運輸局と交渉

 駅係員が配置されない「無人駅」問題で、日本共産党近畿ブロック事務所と大阪府、奈良県、和歌山県の同党委員会は16日、国土交通省近畿運輸局と交渉を行いました。わたなべ結参院大阪選挙区候補、坂口多美子同和歌山選挙区候補、いずみ信丈同党比例候補、辰巳孝太郎参院議員秘書、大阪、奈良、和歌山の地方議員ら24人が参加。各地の実態を報告し、国としての指導責任を果たすよう求めました。

わたなべ候補・地方議員先頭に

乗降客7千人でも無人化に

 駅の無人化は全国的に進み、大阪でも南海電鉄が府内全75駅の半分以上が無人化(終日25駅、一時14駅)されるなど、阪急電鉄を除く大手私鉄で無人駅が近年、急増。1日の乗降客が7千人を超える駅でも無人化が強行され、地元自治体や利用者などから、安全への不安や利便性の問題などが指摘されています。
 無人駅問題では、近畿ブロックと党地方議員が実態調査や住民からの聞き取りを行い、2月には近鉄、3月には南海電鉄と交渉しました。

辰巳氏の質問に国交相答弁

 同党の辰巳議員らが国会でもこの問題を取り上げ、国土交通大臣は国会答弁で、「安全性確保が前提」「安全確保が大事」とし、無人化にあたっては「地元自治体や利用者など関係者の理解を求めることが重要」と述べてきました。
 交渉では、国交大臣、近畿運輸局長宛てに、近畿の各私鉄の無人駅の実態調査の実施、安全性・利便性の確保への指導強化、バリアフリー化の推進などを求める要望書を手渡しました。
 要望内容への回答で近畿運輸局鉄道部の川隅則明監理課長は、駅員配置については「各駅の利用状況、安全確保と利用者の利便確保を考慮して鉄道事業者自らが判断して行うもの」だとした上で、無人化に際して「安全性確保を前提としながら、サービス水準を可能な限り維持するよう指導する」と述べました。

安全軽視の実態が明らかに

無人駅問題で近畿運輸局に要望書を手渡すわたなべ氏(右から2人目)ら=16日、大阪市中央区内

無人駅問題で近畿運輸局に要望書を手渡すわたなべ氏(右から2人目)ら=16日、大阪市中央区内

 交渉では、「南海松ノ浜駅が高架化と同時に無人化された。非常通報ベルを押しても人がいない。すぐに飛んでくる体制があるのかと南海に聞くと、有人駅の窓口を閉めて駆け付けると言われた。あまりにも無責任で安全が軽視されている」(泉大津市)、「人身事故が起きた南海二色浜駅が無人化され、半年後にも人身事故が起きた」(貝塚市)などの実態が出されたほか、トラブルが起きた際、有人駅から係員が来るまでに10分〜20分かかることや、「ある日突然、駅に張り紙がしてあった」など、利用者に事前に知らされず無人化が行われていることが各地から報告されました。
 南海粉浜駅、吉見ノ里駅を調査し、南海交渉にも参加したわたなべ候補は、「理解を得る以前の、話すらしていないのは言語道断。命と安全はお金には変えられない」とし、国としての指導を強めることを求めるとともに、「命と安全を守っていく立場で、私たちも力を合わせていきたい」と述べました。

(大阪民主新報、2016年5月22日付より)

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