おおさかナウ

2026年01月24日

国保逃れの一方で府民に高保険料
維新府政 また国保料値上げ
来年度標準料率公表 日本共産党府議団が試算

 大阪府は15日、国民健康保険制度の府内統一国保料について、2026年度の標準保険料率(本算定)を公表しました。これによると全国最高額レベルの国保料が4月からさらに上がることになります。一方、日本維新の会は同日、〝国保逃れ〟疑惑の最終報告で大阪市議2人の関与が明らかになったとし、地方議員ら計6人を除名処分。「身を切る改革」と繰り返し、「社会保険料を下げる」を看板政策にしながら、脱法的に国保の支払いを逃れ、高額な国保料負担を府民に押し付ける維新政治のうそとごまかしが浮き彫りになっています。

保険料の府内統一で続く値上げ

 日本共産党大阪府議団(石川たえ団長)の試算では、30歳代夫婦と子ども2人の4人世帯(年収300万円)の場合、2026年度保険料は39万678円(今年度比1万3859円増)となります。
 40歳代ひとり親と子ども2人の3人世帯(年収250万円)は35万4507円(同1万403円増)、70歳単身世帯(年金12万円・月)は2万7831円(同894円増)となります。

府内全市町村が引き上げへ

 府は2026年度の国保被保険者数を約150・7万人(今年度比2・4%減)と推計し、総医療費から窓口負担などを除いた保険給付費を、加入者1人当たり37・8万円(同3・8%増)と見込んで国保料を算定。子ども・子育て支援制度の追加負担を含め、26年度保険料は1人当たり16万3911円(同1・1%増)になると試算しました。
 府内統一保険料率(医療分)は、所得に応じてかけられる所得割が9・5%(同0・2%増)です。
 すべての加入者や世帯に一律にかけられる「人頭税」部分(均等割・平等割)も引き上げられ、加入者1人当たりの均等割は3万4990円(同566円増)、1世帯当たりの平等割は3万3908円(同334円増)です。
 後期高齢者医療への支援金分も所得割(同0・04%増)、均等割(同157円増)、平等割(同84円増)と引上げます。

国保統一化で府民の負担増

 国保制度は2017年度まで、各市町村が被保険者数と所得水準、医療費水準を考慮して算定する仕組みでした。しかし府は18年度から全国に先駆けて「都道府県化」を推進し、24年度に、国保料の算定基準を府全体で完全統一し、同じ所得水準と世帯構成の場合に負担額が同水準となるようにしました。また市町村独自の国保料減免や財政支援の解消などを押し付けたこともあって、独自に値下げ努力を払ってきた自治体ほど「統一保険料」化で急激に負担が増えました。
 「都道府県化」前の17年度に各市町村が定めた国保料と26年度国保料を比較すると、全市町村で大幅値上げとなります(表)。
 日本共産党の石川たえ府議は、国保料率の府内統一化の問題を繰り返し議会で取り上げ、全国最高額レベルの国保料の引き下げを要求。シングルマザー家庭の重い負担軽減が必要とし、未就学児の均等割減額を府独自に18歳まで引き上げることなどを提案してきました。
 しかし吉村知事(22日に府知事を辞職)は「国保は国の制度。加入者によって成り立たせることが前提」と繰り返し、負担軽減に背を向けてきました。

府民を苦しめる国保料値上げ
統一やめて独自に財政出動を 石川たえ日本共産党府議団長の話

 「社会保険の負担軽減」をうたいながら、物価高に苦しむ府民にさらに国保料値上げを強いるなど、絶対に許せません。
 府は90年代に年50億円以上行っていた国保への独自補助を5分の1にまで減らしました。一方で「完全統一」した24年度の府国保会計は大幅黒字で、貯まっている基金は加入者1人当たり1万円を超えています。
 府がその気になれば値上げは中止できます。「統一料金」を中止し市町村に国保料抑制の努力を促すとともに、府独自の財政出動で値上げ中止、子どもの「人頭税」部分ゼロを今すぐ行うべきです。

幕引き図るも疑念は深まるばかり 維新「国保逃れ」

 日本維新の会は15日、一般社団法人の理事に就任することで国民健康保険から社会保険に切り替え、高額保険料の支払いを免れる「国保逃れ」の最終調査結果を公表し、所属議員ら6人を除名処分にしたと発表しました。大阪では松田昌利、佐竹璃保両大阪市議が関与していたとして、松田議員を15日付で除名処分。佐竹議員は勧誘しただけで、自身は仕組みを利用していなかったとし、離党届を受理するにとどめました。2人は議員辞職しない意向だといいます。
 吉村洋文代表は同日の定例会見で「最終処分を下した」と述べ、調査終了の幕引きを宣言しましたが、真相解明にはほど遠く、疑念は深まるばかりです。
 歳費や議員報酬を主たる収入とする国会議員や地方議員は、個人事業主やフリーランスと同様、国民健康保険や国民年金に加入することになっており、保険料全額が「自己負担」です。
 「国保逃れ」に関与した議員は、年間1千万円超の議員報酬を得ながらも、一般社団法人の理事に就くことで、著しく低額な役員報酬を基準とした社会保険料しか支払っていませんでした。
 同党の今月7日の中間報告では、国会・地方議員約800人中364人が社保加入。党から独立した第三者による外部調査を行わないまま、自己申告制の内部調査のみで、「組織的関与はなかった」としました。
 「国保逃れ」は国民健康保険料の算定にも影響して保険料高騰につながりかねず、悪質な脱法行為です。維新の会は選挙政策で、「現役世代の負担軽減」「支払能力に応じた応能負担の徹底を計る」などとし、「社会保険料を下げる」を看板政策の一つに掲げてきました。「身を切る改革」を叫ぶ裏で、高額保険料負担を免れる一方、大阪府民に全国最高水準の国保料を押し付けてきたことは許されません。
 会見で、今後新たな「国保逃れ」関与者が出た場合の対応を問われた吉村氏は、「適切に対処する」としか答えませんでした。

全世帯・所得構成で2026年度国保料が引き上げ

世帯構成 所得条件 2026年度 2025年度 引き上げ額
30代夫婦・就学児2人の4人世帯 年収400万円 53万2331円 51万3223円 1万9108円増
年収300万円 39万 678円 37万6819円 1万3859円増
40代ひとり親・就学児2人の3人世帯 年収250万円 35万4507円 34万4104円 1万 403円増
64~74歳・一人暮らし 年金月額12万円 2万7831円 2万6937円 894円増
64~74歳・夫と妻の2人 年金月額12万円×2=24万円 4万2237円 4万574円 1663円増

※日本共産党大阪府議団が府の標準保険料率でモデルケース別に試算

府内統一で値上げ急激に

30代夫婦と就学児2人の4人世帯で年収300万円の場合。日本共産党大阪府議団作成

  26年度 25年度 17年度 府内統一前(17年度)と26年度の比較
大阪市 39万 678円 37万6819円 299,243 +91,435 130.60%
堺市 295,806 +94,872 132.10%
岸和田市 360,044 +30,634 108.50%
豊中市 290,434 +100,244 134.50%
池田市 365,902 +24,776 106.80%
吹田市 304,092 +86,586 128.50%
泉大津市 309,452 +81,226 126.20%
高槻市 253,904 +136,774 153.90%
貝塚市 324,410 +66,268 120.40%
守口市 327,021 +63,657 119.50%
枚方市 295,758 +94,920 132.10%
茨木市 325,632 +65,046 120.00%
八尾市 327,757 +62,921 119.20%
泉佐野市 332,520 +58,158 117.50%
富田林市 331,375 +59,303 117.90%
寝屋川市 298,626 +92,052 130.80%
河内長野市 325,380 +65,298 120.10%
松原市 349,662 +41,016 111.70%
大東市 316,896 +73,782 123.30%
和泉市 305,694 +84,984 127.80%
箕面市 348,237 +42,441 112.20%
柏原市 339,201 +51,477 115.20%
羽曳野市 314,023 +76,655 124.40%
門真市 312,822 +77,856 124.90%
摂津市 300,853 +89,825 129.90%
高石市 359,229 +31,449 108.80%
藤井寺市 327,870 +62,808 119.20%
東大阪市 321,855 +68,823 121.40%
泉南市 332,735 +57,943 117.40%
四條畷市 316,451 +74,227 123.50%
交野市 317,034 +73,644 123.20%
島本町 324,207 +66,471 120.50%
豊能町 303,714 +86,964 128.60%
能勢町 312,024 +78,654 125.20%
忠岡町 319,902 +70,776 122.10%
熊取町 304,479 +86,199 128.30%
田尻町 301,004 +89,674 129.80%
阪南市 346,464 +44,214 112.80%
岬町 315,950 +74,728 123.70%
太子町 294,543 +96,135 132.60%
河南町 292,797 +97,881 133.40%
千早赤阪村 275,688 +114,990 141.70%
大阪狭山市 296,757 +93,921 131.60%

(大阪民主新報、2026年1月25日号より)

 

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