大阪府選挙管理委員会が11月28日に公表した２０２４年の政治資金収支報告書などによると、日本維新の会の大阪府総支部や、国会議員が代表を務める衆参の選挙区支部の収入合計の９割を、政党助成金が占めていることが分かりました。「身を切る改革」を叫び、国会議員定数削減に暴走する維新ですが、〝税金丸抱え政党〟の実態が浮き彫りです。

２０２４年政治資金収支報告
100％依存支部も

　府選管の政治資金収支報告書と、総務省が同日発表した収支報告書、同省が９月に発表した「政党交付金（政党助成金）使途等報告書」を照合すると、大阪府総支部、府内19の衆院小選挙区と、３つの参院大阪選挙区の計23支部の収入合計は４億６８３７万円で、うち政党助成金は４億２７５０万円（91・28％）に上ります（表）。24年の収入のうち政党助成金が９割以上を占める支部は15あり、うち６支部は１００％です。
　本部からの交付金に加えて、他の支部や後援会などからの寄付も、その原資は政党助成金であることが少なくありません。衆院第３選挙区支部（代表者＝東徹衆院議員）の場合、本部からの交付金は９１０万円。これとは別に「大阪副首都研究会」から５３０万円、「東徹事務所」からも１１００万円の寄付を受けています。
　「大阪副首都研究会」の代表者は東氏で、日本維新の会国会議員団から６００万円の寄付を受けていますが、同議員団の収入の99％は政党助成金。「東徹事務所」の代表者も同じ東氏で、「大阪副首都研究会」から５５１万円、大阪選挙区選出の維新の浅田均参院議員の後援会から30万円（原資は政党助成金）を受けています。

助成金が原資に

　他府県の支部からの寄付の原資が、政党助成金という場合もあります。大阪第４選挙区支部（代表者＝美延映夫衆院議員）、第10選挙区支部（同＝池下卓衆院議員）、第13選挙区支部（同＝岩谷良平衆院議員）に、「参院比例区第４支部」が各20万円を寄付しています。
　この支部の代表者は当時参院議員だった石井章氏。秘書給与をだまし取ったとして東京地検特捜部に詐欺罪で起訴された人物＝辞職、維新を除名＝です。
　「参院比例区第４支部」の収入１６００万円のうち本部からの交付金（政党助成金）は９００万円。残り７００万円は石井氏が代表の「茨城章和会」の寄付ですが、同会の収入の原資も政党助成金です。高木佳保里参院議員・党総務会長が代表の「参院大阪府選挙区第３支部」も、石井氏側から５万円の寄付を受けています。
　藤田文武衆院議員・維新共同代表が代表者の衆院第12区選挙区支部は、収入の99％が政党助成金。これとは別に、「藤田文武後援会」（代表者＝藤田氏）は、石井氏が代表を務める「参院比例区第４支部」から50万円を受け取っています。同後援会には、維新国会議員団からの寄付（政党助成金）６００万円も流れています。
公金還流の疑惑
　「しんぶん赤旗」日曜版のスクープで、藤田氏の公設第１秘書が代表の「株式会社リ・コネクト」への公金還流疑惑が浮上。総務省が公表した政治資金収支報告書によると、日本維新の会の党本部は２０２４年10～11月、「株式会社リ・コネクト」に「ビラ製作費」として計91万５００円を支出しています。
　府選管の収支報告書でも、「リ・コネクト」には藤田氏が代表の「衆院第12選挙区支部」が昨年11月に60万５千円、「藤田文武後援会」も昨年10月に２５０万８千円、いずれも「デザイン、印刷費」として支出。総務省の政党交付金使途等報告書によると、「衆院第12選挙区支部」の支出分は政党助成金が原資です。
　日本維新の会代表の吉村洋文知事が代表を務める党大阪府総支部も同年５月、同社に「ビラ作成費」として１００万７２１５円を支出。政党交付金使途等報告書によると、全額政党助成金です。

日本維新の会の政党支部の収入と政党助成金

（大阪分。２０２４年、単位：円）

(大阪民主新報、2025年12月7日号より）