おおさかナウ

2025年09月06日

差別なくすため声上げよう
大阪でノーヘイト宣伝
手つなぎ共生社会へ

 差別反対を訴える街頭デモ「NO・HATE Protest in OSAKA」が8月31日夕、大阪市北区の大阪駅前で行われ、海外ルーツの人たちやいわれなき差別・偏見とたたかう市民らがリレースピーチしました。大阪から差別に抗う市民有志メンバーの主催。「差別許さない」「ともに共生社会へ」などと書いたボードを手に多くの市民が詰め掛け、共感の拍手を送りました。

差別のない社会実現へ、一緒に声を上げ行動を広げようとアピールした「大阪NO HATE街宣」=8月31日、大阪市北区内

差別のない社会実現へ、一緒に声を上げ行動を広げようとアピールした「大阪NO HATE街宣」=8月31日、大阪市北区内

外国人はけっして優遇されていない

 移民2世でヒップホップDJのJ―Rawr(じぇいろあ)さん(22)は、総人口に占める外国人比率が3%に過ぎない現実を示し、「外国人は決して優遇されていない」と強調。昨年改悪された入管法は〝永住権取り消し法〟だと差別性を告発し、「102年前の関東大震災で起きた朝鮮人ら外国人虐殺事件は、現代の日本の差別問題と地続き。大阪で生まれ育っても、なぜ同じ人間として扱ってもらえないのか。この不 安とリスクを知って下さい。俺も同じ人間だ。今すぐ包括的差別禁止法を作って下さい」と訴えました。

ヘイトスピーチは言葉が凶器の暴力

 LGBTQ当事者として差別とたたかってきた、日本共産党島本町議の河上りささんは、「ヘイトスピーチは言葉を凶器にした暴力であり、当事者の自己肯定感 と人生そのものを奪い取り、最悪の場合、命を奪ってしまう。目の前に暴力があれば、それをやめさせるのが人間としての行いのはずだ。差別の根幹にある生 きづらさや生活の困難に目を向け、ヘイトスピーチをなくすためにたたかっていきたい」と訴えました。

すべての人の命と尊厳守られるよう

 大阪入管被収容者への面会活動や、仮放免者への支援活動を続ける市民グループ「SAVEIMMIGRANT大阪」の小野潤子さんは、入管収容中の死亡者が2007年以降で18人に上ると述べ、「長期の監禁と栄養不足の食事、職員による差別的言動と悪意のネグレクトなど、収容者は精神的にも肉体的にも苦しんでいる。日本で生きる全ての人の命と尊厳が守られるよう力を合わせよう」と呼び掛けました。

差別は民主主義・自由・社会を壊す

 弁護士の國本依伸さん、作家のアルテイシアさん、東大阪でヘイト問題を考える会の代表らが発言。街宣を呼び掛けたメンバーで会社員のみぃさんは、「差別は民主主義と個人の自由を否定し、社会を壊すことにつながる」と話し、「私たちは子どもの時から差別はだめだと学んできはず。みんなで一緒に生きている社会をつくるため、〝ヘイトはあかん〟〝レイシズムは許さない〟と声を上げていこう」と呼び掛けました。
 街宣を聞いた女性は、「差別と憎悪の対象がどんどん広がる現状は怖い。政治の貧困そのものを変えたい」と語りました。

事実と歴史を学び共生できる大阪を

 街宣には野党代表も参加。日本共産党から辰巳孝太郎衆院議員、山添拓参院議員、清水忠史元衆院議員が参加。辰巳氏は、YouTubeやXなどに差別的投稿があふれ、金もうけの道具にされる現実を厳しく規制しなければならないと指摘し、「ヘイトがたれ流されている現実にあらがい、正確な情報を伝え、差別を許さない社会をつくるために手をつなごう。差別禁止の立法化など、国会活動に全力を挙げたい」と決意を表明しました。
 清水氏は、「ヘイトスピーチは法律違反であって、差別行為は日本国憲法が認めていない。差別はやめろと声を上げていこう」と力説。外国人への生活保護廃止や帰化要件改悪など、排外主義をあおる国政政党の主張を批判し、「正確な事実を学び、歴史の真実を知って、周りの人たちに伝えていこう。差別と右翼的潮流を決して許さず、誰もが共生できる大阪をつくるために、力を合わせよう」と呼び掛けました。
 立憲民主党の尾辻かな子衆院議員は、排外主義を唱える政治勢力が伸長した参院選結果に触れ、「差別で票を取る政治勢力を許すことはできない」と力説。社会民主党の大椿裕子副党首(前参院議員)は、「日本人の賃金が上がらなかったのは、外国人のせいじゃない。排外主義を食い止めるため、働く人を大切にしない政治を変えよう」と呼び掛けました。

(大阪民主新報、2025年9月7日号より)

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