みんなの願いを国会へ
清水ただしのいきいきトーク
憲法を暮らしに生かす社会の実現を 清水氏
自由な選挙活動こそ民主主義の基礎 茶畑氏
福崎事件の人権侵害を追及 清水ただしさん
『独立警察監視機関』を上梓 茶畑保夫さん
警察・検察による人権侵害の実例や冤罪を生み出す社会構造、捜査機関を外部監視する諸外国の取り組みなどを調査・研究してきた元京都府参与の茶畑保夫さんが新著『独立警察監視機関~冤罪をなくすために』(新日本出版社)を5月末に上梓しました。国際標準の自由で公正な選挙制度の実現で真っ当な民主主義社会をと提唱を続ける茶畑さんと、2015年12月の兵庫県福崎町長選を巡る警察による住民弾圧事件を国会で追及した日本共産党の清水ただし参院大阪選挙区候補が対談しました。
清水 今日はよろしくお願いします。
本書では、市民を守るべき警察による人権侵害と違法捜査が詳細に検証されています。多くの人に読んでほしいと心から思いました。
茶畑 ありがとうございます。
現憲法下で決して許されないような権力犯罪が後を絶ちません。なんとしてもこの現状を変えたいと思っています。
警察による前代未聞の人権侵害
清水 第1章で兵庫県警察・福崎署による福崎町長選挙事件を取り上げていらっしゃいます。私の国会質問にも触れて、「福崎事件を衆院法務委員会で清水忠史議員が追及し、闘いが前進したことも国会の行政監視の好例」と書いていただきました。
茶畑 福崎事件とは、5期20年続いた日本共産党員町長・嶋田正義さんが勇退する2015年暮れの町長選挙の際、嶋田町政の「継承・発展」を掲げる候補者の「後援会だより」を違法文書と決めつけ、未曾有の選挙介入・妨害を繰り広げた大規模な人権侵害事件です。
清水 公職選挙法を悪用し〝捜査〟の名で警察官が、「あなたは後援会員か」と、思想信条の自由に土足で踏み込むような聞き込み捜査が、大規模に行われました。
茶畑 戦前の暗黒時代の特高警察を思い起させるような前代未聞の事件です。民主主義の根幹に関わる重大問題ですよ。
清水 私も後日現地調査に入りましたが、「選挙妨害になる」との選管の要請も無視され、住民たちに「後援会を出ます」と署名押印するよう圧力を掛ける異常事態に発展しました。
茶畑 常軌を逸した〝捜査〟は投票日当日も続けられ、投票所出口で警察手帳を見せて、「誰に投票したか」と尋ねる事態も起きました。福崎町長選としての投票率は過去最低に落ち込みました。人権侵害であり選挙の自由と公平を脅かす暴挙です。
清水 国会質問で公選法を所管する関係閣僚を呼び、後援会活動の自由を明らかにした上で、警察庁に違法捜査をやめるよう厳しく求めました。
与野党問わず、委員から「これはひどい」と驚愕の声が漏れるほどでした。
茶畑 三権分立の大原則に立って、警察を含む行政のやりたい放題を監視しけん制するのが立法府の責任です。その点からも、清水さんの国会での追及は、注目に値するものでした。
警察を監視する独立機関が必要
茶畑 私は革新府政の時代に京都府庁に入り、民生・福祉、議会事務局、府税事務所、経済振興、企業誘致など行政全般に関わってきました。
清水 〝憲法を暮らしの中に生かそう〟の垂れ幕を庁舎に掲げた蜷川虎三さんの行政運営は、公害・環境行政を画期的に前進させた大阪の黒田革新府政にもつながりました。
茶畑 〝地方自治は民主主義の学校〟との言葉の思いを旨として、職責に努めてきました。
清水 自治体職員としての原点がそこにあるのですね。
茶畑 だからこそ「住民こそ主人公」の立場を大切にしてきた嶋田町政を、高く評価してきました。公正・中立が保障されるべき選挙に対する干渉妨害が白昼堂々となされる事態に、危機感を覚え、警察の実態と公選法の課題を論じ、警察を監視する独立機関の必要性を提起してきました。
清水 法務省人権擁護局などによる相談・救済手続きもありますが、機能は十分に果たされていません。やはり独立した警察監視機関が必要だと思います。
本書で茶畑さんは「先行きを悲観もしていないし、へこたれてもいない」と書き、獄中の宮本顕治さんが妻・百合子さんに宛てた「誠実と理性と大らかな勇気で航海する船は、結局ある朝、彼岸への到達の果実のかくも早く、又実り多かったことに驚くだろう」との手紙を引用していますね。
茶畑 絶対に歴史を逆戻りさせてはいけません。そして歴史を前に動かす力を持っているのも、私たち国民です。戦後80年の今年、憲法の各条項、とりわけ平和的民主的諸条項を具現化し、日々の暮らしの中に生かす政治を実現するために、力を合わせていきたいと思います。
清水 福崎町内に建立された日本国憲法「九条の碑」は、町長選弾圧事件を告発し、「花には太陽を人間には自由を」の言葉が刻まれています。
日本共産党創立から103年。党員作家の小林多喜二が特高警察に虐殺されてから92年。先人たちの思いをつなぎ、今も不当弾圧とたたかう人々と固く連帯し、国民の暮らしを守る政治実現へ全力を尽くします。
今日は本当にありがとうございました。
(大阪民主新報、2025年6月22日号より)