大阪から日本の世直しを
「比例は共産」広げ5候補勝利と
大阪で清水ただし氏の必勝を
参院選目前 日本共産党街頭演説に4500人
日本共産党大阪府委員会が1日、志位和夫議長を迎えてJR天王寺駅前で街頭演説を行いました。志位氏は、物価高騰から暮らしを守る党の政策と立場を詳しく語り、目前に迫った参院選で「比例は日本共産党」との声を広げ、山下よしき副委員長・参院議員はじめ比例5候補の勝利と、大激戦となっている大阪選挙区(定数4)での、清水ただし候補の必勝で、「日本の世直しの審判を大阪から下そう」と訴えました。
志位和夫議長が訴え
志位氏は清水氏の押し上げ演説で、清水氏は「困っている人に笑顔を届ける政治家」と紹介。清水氏が衆院議員時代に、犯罪被害者の支援に取り組み、犯罪被害の遺族・被害者の苦しみに寄り添って支援拡充に奔走したと話しました。
清水氏は国会質問だけでなく、法相と「犯罪被害補償を求める会」との面会を実現し、20歳未満の被害者の遺族給付金を、320万円から1060万円に大幅に引き上げさせ、遺族・被害者から熱い信頼が寄せられていると述べました。
万博・カジノ問題を巡って清水氏は2016年に、「万博誘致の本当の狙いはカジノ」と、国会で初めて告発したのが清水氏の質問だと強調。「この質問から始まって(カジノ推進勢力を)追い詰めてきた」と力説しました。
志位氏は、「参院大阪選挙区選出議員は全員がカジノ推進。こんな人たちに大阪の議席を独占させるわけにはいかない。カジノストップの願いは、どうか清水さんに寄せて下さい」と呼び掛けました。
続いて志位氏は、参院選で問われるのは「物価高騰からどうやって暮らしを守るかだ」と述べ、消費税減税、コメ問題の解決、年金・医療・介護の充実の3つの問題について訴えました。
消費税減税
一律5%に引き下げ 責任ある財源を提案
平均的な世帯で年12万円の減税
「物価高騰からどうやって暮らしを守るか」――志位氏が第1に訴えたのは、消費税減税です。「消費税は廃止を目指して緊急に5%への減税を行い、インボイスは撤廃する。その財源は赤字国債に頼らず、大もうけを上げている大企業と富裕層の応分の負担を求めることで賄う」と、党の提案を示し、その2つのポイントに言及しました。
1つは一律で5%への減税を行うこと。食料品も衣服も、日用品も、水光熱費も、携帯料金もすべての消費税を5%に下げれば、平均的な世帯で年間12万円の減税に。「食料品ゼロ」と比べ、減税効果は2倍になり、一律5%になればインボイスも必要がなくなるとし、「物価高騰から暮らしを守る上で、最も合理的で効果的だ」と力説しました。
もう1つは、責任ある財源提案を行っていること。志位氏は、石破茂首相が衆院予算委員会(5月12日)での辰巳議員の質問に、「御党の安易に国債の発行に頼らないという姿勢は、本当に立派だ。志位議長がそういうご発言をされたということを、感動をもって拝聴した。法人税など税制のあり方を議論させていただきたい」と答弁したことを紹介しました。
大企業に対して応分の負担求め
志位氏は、衆院決算委員会(5月19日)で、大企業が11年間で利益を29兆円から77兆円へと2・6倍増やしたのに、法人税は9兆円から15兆円へと1・6倍増えただけで、内部留保は333兆円から539兆円へと空前の規模に膨れ上がっていることを示しました。
「大企業に、いま以上の税金を負担する能力があるのは明らかだ」と志位氏が迫ったのに対し、加藤勝信財務相は「ある」とはなかなか答弁しません。志位氏がさらに、法人税の実質負担率は小規模企業18%、中堅企業20%に対し、大企業は10%に過ぎないという優遇ぶりを示すと、加藤氏は担税能力が「ない」とは言えませんでした。
志位氏は「大企業に、もうけにふさわしい税金を払ってもらおう。そうすれば景気が良くなり、大企業のビジネスも良くなる。そこまで考えているのが日本共産党だ」と強調しました。
「赤字国債を出せばいい」と言う党があることに触れて志位氏は、消費税5%に必要な財源は15兆円、廃止の場合は30兆円以上が毎年必要になり、国債を過剰に発行すれば、ひどいインフレを引き起こす可能性があり、あまりに無責任だと指摘しました。
本気の実行には税制改革が必要
「本気で消費税減税を実行するには、大企業と富裕層に応分の負担を求める税制改革がどうしても必要。本気か口先かの分かれ道だ。日本共産党の躍進と清水さんの勝利で、大阪から消費税減税の、のろしを上げよう」と呼び掛けました。
コメ問題
減反・減産政策やめ大幅増産に転換する
第2は、コメ問題の解決です。
志位氏は、異常な価格高騰の根本原因はコメ不足にあり、2023年の需要量705万㌧に対し生産量は661万㌧しかなかったと指摘。小泉進次郎農相は「全体として供給量はある」などとコメ不足を認めていないとし、「こういう認識だから、備蓄米放出も後手後手に回っている。その場しのぎの小手先細工では解決しない」と志位氏は述べました。
農政の失敗こそコメ不足の原因
コメ不足は、自民党農政の3つの失敗①コメの消費が毎年減ることを前提に、農家に減反・減産を押し付けてきた②コメの生産基盤そのものを弱体化させてきた③減反・減産を押し付けながら、ミニマムアクセス米を毎年77万㌧輸入してきた――にあると批判しました。
志位氏は①減反・減産の押し付けをやめ、大幅増産に切り換える②所得補償と価格保障で安心してコメがつくれる農業にする③ミニマムアクセス米の輸入を中止する――などの抜本策を提起。「コメは日本人の主食。生産者に再生産可能な価格補償をし、消費者に納得できる手頃な価格で提供するのが国の責任」とし、緊急に農業予算を1兆円増やすよう求めました。
社会保障
年金・医療・介護の充実へ抜本策を提案
第3は、年金・医療・介護の充実です。
志位氏は、自民・公明・立民などの賛成で衆院を通過した年金制度改定法案・修正案に言及。最大の問題は、年金を物価や賃金の伸びより低く抑えて目減りさせる「マクロ経済スライド」という仕掛けが温存されていることにあり、断固反対を貫くと表明しました。
その上で志位氏は、「マクロ経済スライド」は中止し、巨額の年金積立金の活用や、高額所得者の年金保険料の「頭打ち」を見直すことで、「物価や賃金に応じて増える年金していこう」と呼び掛けました。
医療では、診療報酬が物価高騰で実質大幅減となり、全国で61%の病院が赤字になるなどの深刻な状況を示し、緊急に国費を5千億円投入して医療崩壊を止め、医療従事者の待遇改善を図ろうと提案しました。
自民、公明、維新が「4兆円の医療費削減」の第一歩として、「11万床の病床削減」で合意したことに対し、「『余剰ベッド削減』というが、コロナの教訓を忘れたのか」と批判。「医療崩壊を加速させる自公維に厳しい審判を」と訴えました。
介護では「崩壊がすでに深刻だ」と志位氏。昨年の在宅介護の基本報酬の引き下げで、大阪府では全国最多の73の介護事業所が倒産・休廃業するという事態だとし、「国費負担割合を10%増やし、1・3兆円を投入して、介護崩壊を止め、介護従事者の賃金引き上げを」と訴えました。
外交
憲法9条を生かした平和外交こそが必要
最後に志位氏は、平和と外交の問題に言及しました。
トランプ米政権は、日本に不当な関税を押し付けるだけではなく、「軍事費を国内総生産(GDP)比3%に増やせ」などの号令を掛けていると指摘。「日本が大軍拡の道を走れば、相手も軍拡を加速し、軍事対軍事の悪循環に陥る」とし、「平和も暮らしも壊す大軍拡はきっぱり中止を」と力説しました。
志位氏は、「東アジアに平和をつくる、憲法9条を生かした外交こそが必要」とし、日中友好議員連盟の一員として4月末に訪中したことを報告。「言うべきことをしっかり言いながら、日中関係を前に動かす努力をしているのが日本共産党。こういう外交こそ必要ではないか」「この党の躍進で、財界中心、アメリカ言いなりの自民党政治を大本から変え、希望が持てる新しい日本をつくろう」と訴えました。
辰巳衆院議員があいさつ
街頭演説では、辰巳孝太郎衆院議員があいさつ。日本共産党が財源と共に消費税減税策を示していることに、石破茂首相が「立派だ」と言わざるを得なくなっているとし、「5%への減税を実現するには、企業・団体献金を受け取らない日本共産党を伸ばして下さい」と訴えました。
日本共産党を応援するJCPサポーター大阪の、みぃさんが応援演説。非正規労働者として長い間働いてきた体験に触れ、「普通に働いて普通に生きていける賃金の保証を。日本共産党は、私が求める当たり前のことを、ぶれずに追求している政党」と語りました。山中智子大阪市議が司会をしました。
終了後の懇談会には山下氏や辰巳氏も参加し、感想を交流しました。入党の呼び掛けに応えて、大阪市東住吉区から参加した60代の「しんぶん赤旗」読者が入党しました。
街頭募金は約27万円が寄せられ、日本共産党への期待の高さを示しました。
雇用のルールつくろう 山下氏
山下氏は、参院の政治倫理審査会で、自民党の裏金議員27人全員を追及したが反省がなく、自民党全体が真相解明に背を向けていると批判。「裏金問題を明るみに出した日本共産党の躍進で、自民党に再び厳しい審判を下そう」と力を込めました。
自民党政権が労働法制を改悪し、非正規雇用を増やしてきたと告発。「財界からの献金を1円も受け取らず、労働者と一緒にたたかえる日本共産党を伸ばし、誰もが人間らしく働ける雇用のルールをつくろう」と訴えました。
カジノより暮らし応援 清水氏
清水氏は、訴えの中でカジノ問題に言及しました。
警察庁がオンラインカジノの取り締まりに乗り出したことに触れ、「オンラインカジノが駄目なのであれば、大阪に造られるカジノこそ止めなければならない」と強調しました。
清水氏は、参院大阪選挙区で選ばれている維新・自民・公明の議員は、全員カジノ賛成だとし、「カジノより暮らしの応援を。カジノストップで頑張る私を大阪から送り出して下さい」と呼び掛けました。
(大阪民主新報、2025年6月8日号より)