おおさかナウ

2024年05月18日

府市から104億円受注・契約
維新の会のパー券購入企業
企業・団体献金の禁止こそ

 維新の会は、企業・団体献金を受け取らないと宣伝し、4月に行われた衆院東京15区補選でも吉村洋文共同代表は「自民党、立憲民主党、やってますか? 僕たちは(企業団体献金を)受けていません」(4月20日)と演説しました。
 ところが、実際には吉村共同代表はじめ維新は、企業へのパーティー券販売で多額の企業・団体献金を得てきました。足立康史衆院議員は、維新が掲げている企業・団体献金の禁止について「抜け穴はパーティー券の企業売りだ」(2022年8月14日)と維新の内幕を暴露しています。
 企業・団体献金は、本質的に政治を買収するわいろ性を持っています。利益追求を目的にする企業が、見返りを期待しないで多額の献金をするわけがありません。

カジノ解禁に資金提供    

 2016年にカジノ解禁法案を提出した国会議員3人が、献金やパーティー券購入などでパチンコメーカーなどギャンブル関係企業から資金提供を受け、カジノ解禁を推進したことは、特定業界への利益誘導と、問題になりました。
 日本維新の会の小沢鋭仁衆院議員(当時)は、全国に約400店舗のパチンコホールを出店しているダイナムから、13年に30万円、15年に100万円をパーティー券購入という形で受け取っていました。

パー券購入企業に府が補助金 

 16年には、大阪府が「実感できるみどりづくり事業」で771万円の補助金を出していた三栄建設が、大阪維新の会の政治資金パーティー券40万円分を購入していました。17年12月8日の府議会でこの問題を取り上げた日本共産党の宮原威府議(当時)から、「パーティー券という形でも事実上の献金を受け取ることに道義的責任を感じないか」と問われたのに対し、松井一郎知事(当時)は「パーティー券購入と補助金交付は関係なく、問題ない。道義的責任も感じていない」と言い張りました。

週刊誌も批判 

 週刊文春23年12月14日号は、「吉村知事『親密企業』が維新万博を続々受注している!」の見出しで報道。吉村知事が19年2月1日に開いた政治資金パーティー券を購入した「リーガル不動産」が「万博を契機にしたビジネス拡大を目指していたことが窺える」、「乃村工藝社」が「パビリオンの運営に携わることが明らかになっている。万博協会からも営業実施計画の策定業務を受注していた」と報じています。

パー券購入企業が次々と受注・契約     

 大阪府や大阪市と利害関係を持つ企業が、維新のパーティー券を購入しています。購入企業の16年以降の府市との契約額は104億1622万円にのぼります。
 大阪府の特別顧問の和泉洋人氏とアドバイザーリー契約を結んでいる大和ハウス工業は19年の吉村市長就任3周年記念パーティー券を40万円購入していますが、大阪府と1億5441万円、大阪市と5億5235万円の土地売買契約を結んでいます。
 乃村工藝社は、16年の吉村市長就任1周年記念パーティーや19年の3周年記念パーティー券を60万円購入していますが、大阪府の万博推進局から「大阪ヘルスケアパビリオンにおけるiPS細胞による生きる心臓モデル等の展示計画・設計業務」を1505万円で受注した他、大阪府で11億7183万円、大阪市で8912万円、計12億6096万円受注しています。
 パーティー券280万円を購入していた三栄建設は、「実感できるみどりづくり事業」での771万円の補助金の他、府営住宅建設を共同企業体で19億2500万円で受注するなど府市で19億6246万円の契約をしています。
 パーティー券を30万円購入していた積水ハウスは、元府営住宅用地を58億100万円で取得するなど58億8583万円の契約をしています。
 パーティー券46万円を購入していたダイカンは産業廃棄物焼却処分などを5億862万円で受注しています。
 パーティー券75万円を購入しているフジオフードシステムは、大阪市役所に「OSAKA市役所食堂(まいどおおきに食堂)」を出店しています。が、16年~23年の使用料の契約額は4717万円です。
 その他のパーティー券購入企業も含めると大阪府・市の契約額は、104億1622万円にもなります。

「利害関係企業の献金は禁止を」の指摘無視  

 政治資金オンブズマンの阪口徳雄弁護士は早くから「改革されなくてはいけないのは政業癒着、政官癒着の構造。そのために必要なのは企業・団体献金の禁止。最低限、公共事業受注など国の予算と密接にかかわる企業、国と利害関係を持つ企業の献金を禁止すべきです」(2005年9月9日付「しんぶん赤旗」)と指摘していましたが、維新はそれを無視し続けてきました。(日本共産党大阪府委員会政策宣伝部・名部廣美)


維新のパー券購入企業への大阪府と
大阪市の契約額とパー券購入額

  大阪府の発注額(円) 大阪市の発注額(円) 府市発注額合計(円) 維新と吉村後援会のパー券購入額
三栄建設 1,925,000,000 37,456,346 1,962,456,346 280万円
乃村工藝社 1,171,832,610 89,123,972 1,260,956,582 60万円
積水ハウス 5,885,828,667 0 5,885,828,667 30万円
大和ハウス工業 154,411,333 552,353,752 706,765,085 40万円
ダイカン 0 508,624,250 508,624,250 46万円
大光電機 0 7,625,200 7,625,200 60万円
フジオフードシステム 0 47,169,677 47,169,677 75万円
南海環境開発 0 36,793,034 36,793,034 30万円
合計 9,137,072,610 1,279,146,231 10,416,218,841 621万円

(大阪民主新報、2024年5月19日号より)

 

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