おおさかナウ

2024年04月06日

今こそ万博中止の決断を
建設現場でガス爆発事故
夢洲 やはり危険
たつみ氏ら 大阪市環境局に聞き取り

 大阪湾の埋め立て地、夢洲(ゆめしま、大阪市此花区)で来年4月に開催予定の2025年大阪・関西万博の会場建設現場で3月28日、可燃性ガスによる爆発事故が起きたことに、衝撃が広がっています。日本共産党の、たつみコータロー元参院議員(衆院近畿比例候補)らは2日、事故が起きた夢洲1区を管理する大阪市環境局に聞き取りを行いました。

爆発事故が起きた現場(2025年日本国際博覧会協会提供)

 事故が発生したのは、建設現場のうち「グリーンワールド(GW)工区」の屋外イベント広場横の東側、開幕中に使用されるトイレの1階です。
 溶接作業中に発生した火花が、配管ピット内にたまった可燃性ガスに引火し、1階床が破損。けが人はありませんでした。
 「GW工区」を含む夢洲1区は、もともと廃棄物の最終処分場。メタンガスの発生源となる下水汚泥、ダイオキシンなどの有害物質が埋め立てられています。メタンガスなど有毒ガスを放出するため、ガス抜き管が設置されてきました。
 大阪市環境局への聞き取りには、たつみ氏と山中智子、井上浩両大阪市議、カジノに反対する大阪連絡会の中山直和事務局次長が出席しました。

大阪市環境局から聞き取りを行う(左から)たつみ、中山、山中、井上の各氏=2日、大阪市役所内

 環境局の担当者は、事故の発生以来、現場の工事は止められており、立ち入り禁止になっていると説明。今回引火した可燃性ガスが何に由来するか分からないとしつつ、「そもそも夢洲1区は土地利用を目的としていない、現役の廃棄物の処分場。1区全体からガスも出続けている。そのことを前提に万博協会に土地を貸している」と話しました。
 万博協会が、消防局の現場検証を踏まえて再発防止策を作成し、工事を再開するとしていることを巡り、現場検証がいつ行われるのか、協会側からまだ報告を受けていないとしました。
 聞き取りを受けて、たつみ氏は「廃棄物の最終処分場である夢洲で、2820万人もの人を集める万博を開催してはならないことは、今回の事故からも、いよいよ明らか。1区での建設工事で十分な対策が行われていたのかどうか、万博協会の責任も問われる。きっぱり中止を決断すべき」と話しています。

超有害な廃棄物を埋め立て
こんな場所が会場でよいか
おおさか市民ネットワーク 藤永のぶよ代表の話

 万博会場のうち、店舗やコンサートホールなど観光客が集まる夢洲1区は、大阪市と八尾市・松原市の家庭や事業所から出る一般ごみを、大阪市の焼却炉で燃やし、その後に残る焼却灰やすすなど、極めて有害な廃棄物を埋め立てている「管理型最終処分場」で、立ち入り禁止の区域でした。
 しかも下水汚泥が96万㌧も投棄されており、有機物類が化学反応を起こし、メタンガスなどが発生します。廃棄物処理法に基づく「管理型最終処分場規則」では、ガス抜き管の設置など厳密な管理が求められ、ガスはゼロにならない限り、処分場は終了できません。夢洲1区ではいまだにガスは出ており、埋め立ては終了できません。「ここにはごみは入れない」と決めた場所でも、土を50㌢乗せた表面だけしか使えず、杭も打てません。こんな頼りない危険な場所を、万博会場にしていいでしょうか。
 今回の事故は、トイレ用の浄化槽をつくる工事中に、地下部分にたまったガスの放出管対策をしていなかったのでしょう、溶接の火花がガスに引火し爆発したのではないかと思います。こういう危険は指摘してきました。
 万博協会は「2区・メイン会場部分はガスがないから大丈夫だ」と言っているそうですが、とんでもない。2区には産廃の建設残土やしゅんせつ土砂が埋め立てられています。地下鉄の工事現場でメタンガスの発生が確認されており、その対策に17億円が計上されています。
 今後の工事で人身被害が出ないか心配です。危険な夢洲での万博開催は、きっぱり中止すべきです。

(大阪民主新報、2024年4月7日号より)

 

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