おおさかナウ

2023年12月16日

伐採不要の木を600本も 専門性・合理性・客観性欠く
樹木伐採はいったん中止を
大阪市議会建設港湾委 井上浩議員が追及

公園樹の実情をパネルで示して質問する井上議員=8日、大阪市議会建設港湾委員会

 8日の大阪市議会建設港湾委員会で、日本共産党の井上浩議員が公園樹の伐採問題で質問しました。井上氏は、市内各地の公園で根拠や理由があいまいなまま、樹木が伐採されている事例を詳しく紹介。その背景に、伐採するかどうかの判定資料を市が現場の公園事務所に提供していない問題があることを明らかにしました。


 井上氏は、大阪市が2020年度にコンサルタント業者に委託して行った公園樹木調査結果(グラフ)を示しました。2481本の樹木について、伐採する必要があるかどうかの判定を行ったものです。
 判定は「a:保存」「b:剪定または保存」「c:剪定または保存(落枝などの危険性)」「d:要経過観察」「e:要注意樹木」「f:伐採(台風などで倒木の可能性)」「g:伐採(倒木の危険性)」の7区分があります。

全体の7割は伐採不要判定

 井上氏は、調査結果では約7割が「a」~「e」に判定されており、伐採しなくていい樹木だと指摘。ところがその中でも伐採されているケースがあるとし、伐採の理由とこれまで伐採した本数をただしました。
 建設局の担当者は、外部委託とは別に、民有地への越境や公園施設の損壊など、交連管理上の観点から市職員が調査・選定したとし、本数は今年度分を含め約600本と答えました。
 井上氏は、現場の公園事務所に提供したのは、樹木調査の「予備調査」の段階で個々の樹木について作成した「予備調査カルテ」だけで、最も重要な「a」~「g」の7区分の資料を提供していないのは大問題だと強調しました。

判定資料を現場に提供せず

 井上氏は「現場の職員と膝を交えた丁寧な判断がされていない。これだけでも(伐採)工事を中断すべきだ」と主張。10月末に、ある公園事務所を訪ねたところ、現場の職員から「a」~「g」という7区分を始めて知ったという声が出たことも紹介しました。
 井上氏は、公園樹の伐採を巡る市の対応には、専門性も合理性も、客観性も著しく欠けていると強調。「現場を預かる公園事務所とも、市民とも双方向になっていない。こんなやり方では駄目だ。いったん(工事を)止めるべきだ」と重ねて主張しました。

(大阪民主新報、2023年12月17日号より)

 

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