おおさかナウ

2023年10月14日

大阪関西万博は中止しかない
日本共産党府カジノ万博プロジェクトチーム責任者
たつみ氏に聞く
膨張する予算 ツケは国民・府民に

 2025年大阪・関西万博の会場建設費が当初の1・8倍、2350億円に膨れ上がることに、メディアの世論調査でも反対の声が広がっています。日本共産党大阪府委員会が万博中止を求める声明を発表したのは、8月末。この間の情勢の変化やこれからの取り組みについて、党府カジノ万博プロジェクトチーム責任者の、たつみコータロー元参院議員・衆院近畿比例候補に聞きました。


会場建設費の大幅な上振れに府民の疑問や怒りが広がる中、建設工事が続けられている夢洲=11日、大阪市此花区(さきしまコスモタワー展望台から撮影)

世論の動向に大きな変化が

 ――声明を発表した記者会見(8月30日)では、記者から「なぜこのタイミングで」などの質問も少なくありませんでした。ところが最近、「朝日」(1日付)が社説で「万博開催の是非が問われている深刻な事態」と書くようになっています。
たつみ JNNの世論調査(9月30日~10月1日)では、万博予算が当初より大幅に上昇していることに「納得できない」と答えた人は64%で、「納得できる」の23%をはるかに上回っています。
 私は、カジノに反対する大阪連絡会の中山直和事務局次長をゲストに迎えて、ユーチューブ動画「やっぱり万博・カジノは中止しかない」を発信しました。9月28日に公開したところ、視聴者数は半日で2万人を超え、12日後には約5万8千人と、大反響です。

このままでは命を守れない

 ――改めて中止を求めた理由を。
たつみ 最大の理由は、このままでは命が守られないからです。海外パビリオンの建設が間に合わないからと、万博協会は政府に、来春から始まる建設業の残業時間規制を万博だけ除外するよう求めました。
 現行法を守ればできない事業は、そもそも破綻しているし、やるべきではありません。規制を適用しても、短い工期で工事を強行すれば、サービス残業が横行するなど、建設労働者を危険にさらします。
 万博のテーマは「いのち輝く未来社会のデザイン」で、サブテーマの一つは「いのちを救う」。看板倒れの事業は、即刻中止すべきです。

関連事業含め1兆円の税金

たつみ 第2の理由は、事業費の際限のない膨張が、国民・府民の負担になり、推し進めようとすればするほど、膨らみ続けるということです。当初は1250億円とされていた会場建設費は1850億円になり、一時は2回目の上振れで2300億円というニュースが流れました。万博協会の最新の見込みでは、2350億円です。声明が警告した通りの事態になっています。
 高速道路淀川左岸線2期事業はじめ関連事業を含めると1兆円もの税金が投入されます。自治体はチケットを押し付けられ、「空飛ぶ車」どころか財政は「火の車」に。今、中止を決断することが、これ以上の負担をなくすことにつながります。
 世論調査で示された反対世論の背景には、物価高騰などで国民があえいでいる中で、わずか半年間の万博になぜ巨額の税金をつぎ込むのかという怒りや疑問があると思います。

最大の要因は夢洲での開催

インタビューに答える、たつみ氏

 ――事業費が膨張するのは。
たつみ 最大の要因は、夢洲という大阪湾の人工島での開催を決めたことです。夢洲は、ごみの最終処分場で、有毒物質のPCBやダイオキシンなどが埋まっています。軟弱地盤で地盤沈下は確実で、建築物を造るには数十㍍の杭を打たなければならない難工事です。
 夢洲へのルートは、夢咲トンネルと夢舞大橋の2つに限られ、工事が始まれば資材搬入そのものが困難なので、契約をためらうゼネコンも相次いでいます。
 問題は、なぜ夢洲に決めたかということです。2015年に万博の大阪誘致が持ち上がった当初、夢洲は候補地ではありませんでした。ところが16年、当時の松井一郎知事がトップダウンで夢洲に決めたのです。念頭にあったのはカジノです。
 夢洲にカジノを誘致する方針を決めたのは14年。しかし、民間事業者であるカジノ業者ではインフラ整備ができません。国策として万博を進めれば、税金でインフラ整備ができると踏んだわけです。政府や維新府市政は、夢洲をなめていたと言わざるを得ません。

カジノのため夢洲に固執を

 ――それでも推進勢力は万博開催をごり押ししようとしています。
たつみ 会場建設費の上振れを巡り、自民党幹部は国と大阪府・市、経済界で等分の負担とする考え方を示す一方、日本維新の会の馬場伸幸代表は「万博は国のイベント。主体的に国が費用負担していく」と述べるなど、責任のなすり付け合いを始めています。
 維新は万博誘致を実績と語り、吉村洋文知事は記者会見などで万博のロゴが入ったポロシャツを着ていましたが、最近、そのロゴが消えたとネット上で話題になっています。万博推進の姿勢を隠さざるを得ないのではないでしょうか。
 今、推進勢力は追い詰められていますが、夢洲での万博に固執するのはカジノをやりたいからにほかなりません。同時に、万博・カジノのごり押しは、維新政治の正体を浮き彫りにしています。

カジノ万博がアキレス腱に

たつみ 維新は国政では改憲や軍拡などで右から与党をあおる「補完勢力」。一方、大阪などで維新がもてはやされる最大の理由は、彼らが「改革勢力」と見られているからです。維新が登場する前の大阪では、日本共産党を除く「オール与党」が進めた巨大開発が破綻しました。それを批判する中で台頭したのが維新です。
 しかし今、維新がやろうとしている万博・カジノは、その古い政治そのものだということが、はっきりしています。「成長戦略」だと言ってきた万博・カジノが、維新のアキレス腱になっているのです。
 ――暮らしや経済が上向かない中、万博やカジノに期待する声も一部にあります。
たつみ 万博中止を求める声明では、日本経済の最大の弱点は、実質賃金が下がり続けていることにあると指摘し、大型開発や一時的なイベントではなく、削減された中小企業予算を抜本的に増やし、賃上げで全国より落ち込んだ府民所得の向上を実現することを提案しています。

今こそ中止を決断するべき
28日にシンポ

たつみ 博覧会国際事務局(BIE)の規則によると、万博の中止を来年4月12日までに決めれば、補償金の上限は日本円で325億円ですが、4月13日以降は780億円。今、中止を決断するほうが傷は浅いのです。
 日本共産党府委員会は10月28日(土)午後2時から、大阪市都島区の大阪私学会館で「ストップ万博・カジノシンポジウム」を開きます。こうした取り組みも通じて、大阪関西万博の中止へ、広範な府民の皆さんと力を合わせて、全力を尽くします。

(大阪民主新報、2023年10月15日号より)

 

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