おおさかナウ

2015年10月04日

「大阪会議」 実質審議に入れず閉会
橋下氏らの無理難題で

橋下氏らが強引な主張に終始した大阪会議の第1回代表者会議=9月28日、府庁内

橋下氏らが強引な主張に終始した大阪会議の第1回代表者会議=9月28日、府庁内

 大阪府、大阪市、堺市の首長と各議会議員が大阪全体の広域行政課題などを議論する大阪戦略調整会議(大阪会議)は9月28日、府庁内で第3回会合を開き、議題などを事前に協議・調整する代表者会議の設置を決めたものの、実質的な議論に入れないまま閉会しました。橋下徹大阪市長(大阪維新の会代表)や松井一郎知事(同幹事長)が代表者会議で、議題の決め方で無理難題を持ち出して譲らず、他会派との合意に達しなかったため。「大阪都」構想への再挑戦を掲げて策動する橋下・維新の会の強引な政治姿勢があらためて浮き彫りになっています。

 第3回会合に先立つ9月24日に準備会合を開き、3首長と各会派代表5人の計8人からなる代表者会議の規定を議論。代表者会議では大阪会議の会期や議題の選定、協議の順位・方法を選定し、議決は全会一致を原則とすることを橋下氏も含めて合意し、第3回会合で設置が確認されました。

 ところが休憩中に開かれた代表者会議で橋下氏は、「二重行政解消」の名で市議会に提案している府市統合議案への大阪会議の態度を早く明らかにするよう主張。議題が全会一致で選定できず決裂した場合は、大阪会議の今井豊会長(維新府議)に議事整理権を与えることを、先に決めるよう要求しました。
 他会派からは「各会派・委員が準備した議題を本会議で示すべき」と反論しましたが、橋下氏らは譲りませんでした。閉会後の記者会見で橋下氏は、「これがものが決まらない大阪ポンコツ会議の実態」などと言い募りました。

 大阪会議は、大阪市の住民投票(5月)で「都」構想が否決されたのを受けて、自民党が設置条例を各議会に提案して可決。知事、大阪市長、堺市長と各議会議員9人の計30人で構成しています。
 橋下氏は第1回会合(7月)で、大阪会議の目的は「『大阪都』構想の対案」であることを規約に明記するよう強硬に主張して議論が紛糾し、規約や議論の進め方などを決められないまま閉会。その後、今井会長が第2回会合(8月)の開催を一方的に通知し、日本共産党、自民党、竹山堺市長が欠席して定足数を満たさず、流会していました。

会議決裂させ宣伝に利用
「政治の中身」の改革こそ

山中日本共産党大阪市議団幹事長(大阪会議委員)の話

 日本共産党は、住民投票で示された民意は「統治機構改革」といった「仕組み」ではなく、よりよい大阪のための「中身の改革」こそ必要だという願いだと考えています。大阪会議は、その市民の願いに背きかねないなどの理由から、設置には反対しました。同時に、設置された以上は、少しでも府民・市民、大阪にとってプラスになる前向きなものとなるよう、7月の初会合に出席し、早く実質的な議論ができるよう求めてきました。
 ところが橋下市長や松井知事は、無理難題を突き付け、会議を決裂させることに終始してきました。橋下市長らが大阪会議を「大阪会議は役に立たない」「『大阪都』構想こそ必要だ」と宣伝する場に利用していることが、いよいよ明らかになっています。
 橋下市長の就任以来、大阪市政では「大阪都」構想の設計図づくりなど「仕組み」の議論に時間とエネルギー、税金が費やされてきました。住民投票で否決された「大阪都」構想を再び持ち出して混乱を拡大する維新政治ではなく、南海トラフ巨大地震などに備える防災対策、市民の福祉・暮らしを守り、中小企業を支援する「政治の中身」の改革に取り組むことこそが求められています。


(大阪民主新報、2015年10月4日付より)

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