おおさかナウ

2023年06月10日

子ども医療費・給食費の無償化を
大阪府議会本会議
石川府議が知事に質問

 6月府議会が1日に開会し、6日の本会議で日本共産党の石川たえ府議が一般質問に立ちました。府民の暮らしを直撃している物価高騰への対応や子育て支援策の充実、コロナ対策、カジノ誘致の中止など、吉村洋文知事をただしました。

物価高騰対策に消費減税求めよ

質問する石川たえ府議=6日、大阪府議会

 長引く物価高騰で、暮らしへの影響は「消費税が15%になったようなもの」と石川氏は指摘。国に消費税減税を求めるよう吉村知事を促しました。吉村知事は「国が判断すべき」と繰り返しました。
 石川氏は今議会に提案されている物価高騰対策について「すべて国庫の範囲内で、府独自の財政支出がない」と指摘。節約のために「うどん1玉と豆腐1丁を3回に分けて食べる」など、府民の暮らしぶりを紹介し、「府民生活を守る点で不十分だ」と述べました。
 府は国の交付金を活用し、子どもや妊婦へ「お米クーポン」などを配布する事業の第2弾を計画しています。保護者による申請が必要で、第1弾の申請率は、先月半ばまでに6割にも達しません。
 石川氏は、申請の必要のない現金での給付を求めました。

子ども医療費を完全無償化せよ

 子どもの医療費について石川氏は「(窓口負担の)500円は1日の食費。食費を取るか医療を取るかの選択」と府民の声を紹介し、「高齢者医療助成の復活や障害者医療の薬代無料化、子ども医療費完全無償化にただちに踏み出すべきだ」と主張しました。
 吉村知事は「受益と負担の適正性」などを理由に拒否しました。

私立高の入学金も無料化対象に

 府は私立高校授業料「無償化」の所得制限を撤廃する方向を示していますが、石川氏は「授業料以外に入学金や宿泊研修経費、制服代など、初年度に約81万円が必要」と、府内の私立高校の例を示し、入学金も「無償化」の対象とするよう求めました。
 吉村知事は、「府は国の制度に上乗せ実施している。入学金は国制度の対象外」として拒否しました。
 「無償化」となる授業料も12月ごろに還付されるため、多くの学校が入学時に授業料全額を納付するよう求めています。
 石川氏は「進学を断念する子どもがいる。入学時から無料とすべき」と求めました。吉村知事は「検討する」と応じました。

私学経常費助成は最低のレベル

 一方で府の私学経常費助成金は、生徒1人当たりで全国最低レベルです。私立高校の教育条件の維持向上や経営の健全化などのための補助金ですが、橋下知事時代に生徒数に応じて支給する方式にしたため、小規模校ほど経営が苦しくなりました。
 生徒1人当たりの助成額は、公立高校にかかる費用の2分の1として算出します。石川氏は「府立高校にお金をかけない結果、私立高校へしわ寄せとなっている。府立高校つぶしは私立高校をも圧迫する。このやり方を見直し、子どもたちが安心して学べる環境をつくることこそ行政の責任だ」と主張しました。

給食費無償化は国の措置待って

 府は今議会に、府立学校の給食費無償化を含む補正予算案を提案しています。なぜ4月から実施しなかったのかを石川氏に問われ、吉村知事は国の財源措置待ちだったことを明かしました。
 「国の財政措置がなくても無償化すべき」と石川氏は主張。また小中学校給食についても、「府内のどこに住んでいても、子どもたちが給食を無償で食べられるよう、市町村の無償化を支援すべき」と求めました。
 吉村知事は、「市町村が判断すべき。財政措置は考えていない」と述べました。

新型コロナ検査無料での再開を

 新型コロナウイルス対策で石川氏は、高齢者施設での定期頻回検査を10月以降も継続し、無症状者への無料検査の再開を求めました。
 吉村知事は無料検査について「自己負担で検査する有症状者との公平性を踏まえ、再開は考えていない」と述べました。
 石川氏は、「症状がある人だけを検査していては感染の急拡大は抑えられないということを、大阪はこの3年間繰り返している。同じことを繰り返すのは駄目だ」と批判しました。

依存症生むカジノ造るな

 カジノを核とする統合型リゾート(IR)に関し、石川氏がギャンブル依存症患者を減らす具体策をただしたのに対し、吉村知事は「万全の対策を講じる」「総合的かつ計画的に取り組む」などと繰り返し、具体策を示せませんでした。
 石川氏は「これ以上の依存症を生まない鍵は、カジノを造らないことだ」と強く主張しました。

(大阪民主新報、2023年6月11日号より)

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