おおさかナウ

2023年05月20日

得票数・得票率伸ばし、全員当選となった力は
枚方市議選 折口勲枚方・交野地区委員長に聞く

 統一地方選後半戦でたたかわれた枚方市議選で、得票数・得票率とも前回から伸ばし、全員当選を勝ち取った力について、折口勲地区委員長に聞きました。

「野党候補一本化」で取り下げ

 統一地方選前半戦で私たちは、「野党候補一本化」の方針の下で、枚方市で擁立していた野口光男前市議の候補を取り下げました。党内でも疑問の声が多くありました。しかし、この方針があったからこそ、東大阪で残念な結果となったものの、吹田で前回から大幅に得票を増やし、石川たえ議員の議席を2位で守り抜くことに貢献し、自公維の府議会独占を許しませんでした。
 枚方市では、府議候補を降ろしたことで、前半戦本番は拡声器を使った宣伝ができませんでした。それをカバーするために、駅頭やスーパー前でシールアンケートを活用した「対話型宣伝」を重視しました。どこでも対話が弾み、枚方市での辰巳孝太郎候補の得票は、昨年の参院比例票の105・4%になるなど一定貢献できました。

市議選は大量立候補で多数激戦

後半戦の枚方市議選では、定数32に維新が前回7から今回11、自民・自民系は前回5から今回10と大量の候補を出し、公明8、立憲2、連合系3と、46人が立候補し、かつてない多数激戦となりました。
 こうした中で共産党は、前回から得票数・率とも伸ばして、1万2364票(得票率8・7%)を獲得し、4人全員が当選しました。得票数は、昨年の参院比例票の106・7%でした。
 4人全員当選を勝ち取った力は5つあると考えています。

政治論戦   

 第1に政治論戦です。
 選挙戦では、「枚方市駅前大型開発の推進で、暮らし・福祉・教育を壊すのか」「市駅前大型開発中止で、暮らし・福祉・教育を拡充するか」の対決構図を鮮明にし、大型開発の問題でも、命・暮らし・教育の問題でも、党議員団の果たしてきた役割と値打ちを突き出してたたかいました。平和の問題でも、香里団地の「エントツ山」や、「禁野の火薬庫」など、地域に引き寄せて「戦争する国には絶対にさせない」と論戦を展開。新しい層への支持を広げました。

要求型宣伝  

選挙中、各地域の実情に応じて出された要求ビラ

 第2に要求型宣伝を重視したことです。
 とりわけUR住宅や府営住宅の問題、高齢者などの外出支援の要求ビラを作成し、該当地域に配布。「声の宣伝」も重視して取り組みました。
 ビラでは、それぞれの問題での党の議員団が果たした役割や値打ち、政策を伝えると共に、維新批判を盛り込みました。UR住宅問題では、維新の東徹参院議員が、国会で完全民営化を政府に要求したことを紹介。自治会連合会で大問題になりました。府営住宅問題では、選挙後、府営住宅に住んでいる人から電話が地区事務所にあり、「私たちのことを考えてくださってありがとう。涙が出るぐらいうれしい。共産党に投票してよかった」と寄せられました。

折り入って作戦

 第3は、支持者に支持広げなどをお願いする「折り入って作戦」が力を発揮したことです。
 選挙後、候補者や地区事務所に後援会員や支持者から、「〇〇票広げた」などの声が多く寄せられました。「30票広げた」という後援会員の方もおられました。前回から党内の対話・支持拡大は大幅に遅れましたが、「折り入って作戦」がそれをカバーしたことが、得票増と4人全員当選につながったと思います。

ブロック集中作戦      

 第4は、各ブロック選対(個別選対)で取り組まれた支部を超えての「ブロック集中作戦」です。高齢化などで困難を抱えた支部もある中で、ブロック全体で集中して個別の支部に入ってサポートする「ブロック集中デー」を設け、宣伝や対話・支持拡大活動などを行いました。

情勢判断と対策

 第5は、情勢判断と対策です。
 告示直前も選挙中も統一選対メンバーが4候補の選対事務所を訪問し、ブロック長から現場の声を聞き、必要な対策を講じました。「折り入って作戦」が位置付けられていないブロックでは、意義を確認して改めて位置付けると共に、「3票、5票増やしてください」と訴える後援会ニュースの作成や、府営住宅ビラづくりなどの対応も、こうした中から生まれました。
 支援の弱い地域では、統一選対で支援先に支援強化を要請するなど手を打ちました。

総力挙げて130%の党づくり  

 今回の選挙での最大の課題は、党づくりと世代的継承です。どの党支部も高齢化が進み、4年前にやれていたことがやれなくなっているところが増えています。党員・読者数も前回との比較で、約1割減の現勢でたたかい、対話・支持拡大はいずれも前回の8割にとどまりました。組織戦の遅れの根本には、党の自力の問題があります。第29回党大会に向けて「130%の党づくり」に総力を挙げていく決意です。

(大阪民主新報、2023年5月21日号より)

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