維新の市政乗っ取り許さぬ
枚方明るい会 竹内氏勝利へ全力
枚方市長選8月30日投票
維新の会に市政乗っ取りを許すのかどうかが最大の争点になっている枚方市長選は30日投開票を迎えます。前府議で大阪維新の会推薦の新人、伏見隆候補(47)の陣営は、橋下徹代表(大阪市長)が現地入りし、維新議員や運動員を大量動員して「僕や松井知事、維新がやってきたことを枚方でやっていく」(橋下氏)と維新政治の持ち込みを公言。日本共産党も参加する「明るい民主府・市政をつくる枚方連絡会(枚方明るい会)」は「維新政治阻止」の一点で、維新政治を批判する現職の竹内脩候補(66)を自主的に支援し、勝利へ全力を挙げています。
橋下大阪市長が現地入りしテコ入れ
反維新の流れに
巻き返しを狙い
市長選には竹内、伏見候補のほか、難波秀哉氏(60)と福川妃路子氏(52)=いずれも無所属新=計4氏が立候補していますが、事実上、竹内候補と伏見候補の争い。選挙戦の対決構図が「維新」対「反維新」であることがいっそう鮮明になっています。
橋下氏は大阪市の住民投票(5月)で「大阪市つぶしノー」の審判を受けて「政界引退」を表明しながら、枚方市への維新政治の持ち込みを公言しています。告示日の街頭演説で「維新の灯だけは消さないでほしい」「維新の政治哲学をしっかり枚方でやってもらうためにも、伏見さんに当選してもらいたい」などと持ち上げました。
大阪市の住民投票での審判や、2年前の堺市長選での竹山修身市長の勝利以来、「反維新」の立場をとる自治体が、岸和田、貝塚、豊中、泉南、吹田、八尾、寝屋川と次々に拡大しています。
その中で巻き返しを狙う維新は、「関西維新の会」の設立を総務省に届け出た(19日付)ほか、今回の枚方市長選を今秋の知事・大阪市長のダブル選の前哨戦と位置付け、告示前から橋下氏と伏見氏との連名ポスターを張り出し、維新の国会議員や地方議員などを大量動員しています。
混乱の維新政治
持ち込み許さぬ
これに対し竹内候補の支持母体「躍進ひらかた」は、ビラでも「大阪では維新政治が特効薬のように思われがちですが、維新政治が行っているのは『既得権の解体』という名のもとに行われる切り捨て行政を、『決定できる政治』という名のもとに行われる極端な権力の集中化と反対意見の封殺」と批判。その結果がもたらすのは「行政と議会との対立、そして市政の混乱」で、「ここ枚方に、そうした混乱を持ち込ませてはならないと考えています」ときっぱり表明しています。
23日の出陣式で竹内候補は、市民病院の建て替えや中学校給食導入などの実績を語りながら、「思いつきではない、地に足のついた行政・政治をつくり上げたい」「自由と民主主義と公正を愛する市民の皆さん、広範な市民の皆さんと枚方の自治を守るために、たたかいに臨む」と決意表明しました。
応援に駆け付けた自民党の竹本直一衆院議員は、「(維新政治では)府民に一番大事な経済対策、福祉対策に十分なエネルギーが注がれなかった」と演説。堺市の竹山市長は「大阪から耳障りだけいいような(維新の)政治は、追放しなければいけない」と力を込めました。
竹内氏とともに
市民共同の力で
枚方明るい会は、維新政治が大阪市政で市民病院廃止や暮らし・福祉つぶしを問答無用で進めてきたことや、教育では子どもたちを異常な競争に追い立て、「民間人校長」11人中6人がセクハラやパワハラなどの不祥事で辞職・免職に追い込まれていることなど、特異な政治の中身と手法を市民に知らせ、「竹内市長とともに維新政治の持ち込みストップ」と訴えています。
伏見陣営が「身を切る改革は維新にしかできない」などと主張していることに対して、旧WTCビルを府庁にするため96億円で買収したり、「大阪都」づくりのための出直し市長選や住民投票で税金の無駄遣いを重ねるほか、維新が国民の税金を分け取りする政党助成金を受け取っていることを批判しています。
反維新の共同が枚方で生まれていることに、伏見陣営は「野合」などと攻撃しています。
枚方明るい会は、橋下・維新が大阪府・市政で「選挙で勝てば白紙委任も同然」と、住民サービス切り捨てなどを独裁的に進めてきたのに対し、香里ケ丘地域の美術館建設問題などさまざまな政策で意見が違っても、「維新政治を持ち込ませない」との一点で力を合わせているのが、「反維新」の共同だと強調しています。
(大阪民主新報、2015年8月30日付より)