おおさかナウ

2023年02月04日

平和巡る疑問 聞いてみた
共産党八尾柏原青年支部など
「ピースカフェ」開く 

「岸田政権の大軍拡が気になる」

「露のウクライナ侵略は止められる?」

「自分の国は自分で守る?」

共産党・田川実国際委員会事務局長が講演

 日本共産党八尾柏原青年支部と学びカフェ実行委員会が1月29日、同党国際委員会の田川実事務局長を迎え、八尾市内でピースカフェ「平和のつくり方」を開きました。青年支部の会議などで仲間が出した「岸田政権の大軍拡が気になる」「ロシアのウクライナ侵略は止められるの?」「自分の国は自分で守る?」などの疑問を基に、「平和のために何ができるのか」を学び、考えようという企画。30~50代の真ん中世代の党員や党内外から約50人が参加しました。

 田川氏は、岸田政権が進める敵基地攻撃能力(反撃能力)の保有は、海外での武力行使を禁じた憲法9条と、歴代の政権が基本方針としてきた「専守防衛」を覆すものだと指摘。これまでの政府答弁を示しました(別項)。
 米軍と自衛隊の一体化が進み、安保法制(戦争法)に基づいて日本が攻撃されていなくても、米国の戦争に自衛隊が参戦すれば、相手国にとって日本の先制攻撃になるとし、「岸田政権の大軍拡は戦争を実行する力を日本が持つことになる」と語りました。
 田川氏は、米シンクタンク「戦略国際問題研究所(CSIS)」がことし1月に公表した、2026年に中国が台湾を侵攻すると想定した「台湾防衛」机上軍事演習結果で、在日米軍基地が中国軍のミサイル攻撃の対象になることを想定していると指摘しました。
 さらに演習結果は、日本国内の自衛隊基地や民間空港も、米軍が分散して使えるようにすることを提言していると紹介。「八尾市にある自衛隊基地も(中国の攻撃の)標的になりかねない」と述べました。

大軍拡・大増税に反対する請願署名


 田川氏は、岸田政権の大軍拡路線に対して疑問を持つ国民や若者が増え、自衛隊や外務省の元幹部や、首相経験者なども懸念を表明しているが、「攻められたらどうする?」という声もあると指摘しました。
 「攻められれば犠牲も巨大。一気に戦争になるわけではない。『攻められたら』ではなく、そうならないように力を尽くすのが政治の役割」と強調。東南アジア諸国連合(ASEAN)が、中国を含めた地域の平和の枠組みを強化していることを詳述しました。
 田川氏は、ASEANと協力し、憲法9条を生かした安全保障政策、外交、運動で、東アジア全体を戦争の心配のない地域にしていく日本共産党の政策を紹介。「統一地方選ではどの党の候補者を選ぶのかが問われる。岸田政権を支える自公や、大軍拡をけし掛ける維新を許してはならない」と話しました。


「専守防衛」巡る政府答弁

■伊能繁次郎防衛庁長官(1959年3月19日、 衆院内閣委員会)
 「誘導弾等による攻撃を防禦するのに他に全然方法がないと認められる限り、誘導弾などの基地をたたくということは、法理的には自衛の範囲に含まれており、また可能である」
 「しかしこのような事態は今日においては現実の問題として起こりがたいのでありまして、こういう仮定の事態を想定して、その危険があるからといって平生から他国を攻撃するような、攻撃的な脅威を与えるような兵器を持っているということは、憲法の趣旨とするところではない。かようにこの二つの観念は別個の問題で、決して矛盾するものではない」
■田中角栄総理大臣(1972年10月31日、衆院本会議)
 「専守防衛ないし専守防御というのは、防衛上の必要からも相手の基地を攻撃することなく、もっぱらわが国土及びその周辺において防衛を行うということでございまして、これはわが国防衛の基本的な方針であ(る)」

(大阪民主新報、2023年2月5日号より)

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