おおさかナウ

2022年12月24日

淀川左岸線2期事業
総事業費2.5倍/最大8年遅れ/住宅被害続出
継続させる理由ない
清水前衆院議 員らが国交省と意見交換

 建設中の高速道路「淀川左岸線」2期事業の事業費が当初から約2・5倍に上振れし、工期が大幅に遅れることが大問題になっています。日本共産党の清水忠史前衆院議員らが13日、東京・参議院会館で国交省の担当者と懇談し、事業を認可した国の責任などをただしました。

計画段階から問題点指摘

 2期事業(大阪市此花区・海老江ジャンクション~北区・豊崎インターチェンジ、約4・4㌔㍍)は2018年に着工しました。大阪市の街路事業と阪神高速道路株式会社の合併施工で、当初の事業費は約1162億円で、負担割合は国が55%、大阪市が45%。
 淀川左岸の堤防と一体にコンクリート構造物を並べトンネル式の高速道路を造るという、世界的にも前例のない開発。採算性や安全性について、計画段階から問題点が指摘されてきました。
 当初の供用開始予定は27年春。ところが大阪市の松井一郎市長(日本維新の会顧問)は、25年の大阪・関西万博の期間中、会場予定地の大阪湾の埋め立て地、夢洲(ゆめしま)と新大阪方面を結ぶシャトルバスの専用道路として先行利用するとして、開通を2年前倒しすると表明。工事を急いでいました。

事業費の上振れが相次ぎ

 20年秋、工事現場で判明した土壌汚染の対策などのために、事業費が約756億円増えることが判明。松井市長は当時、「コスト縮減に努めながら整備を進める」としていました。
 昨年9月には、軟弱地盤の改良工事が行われていた大阪市北区内の工区で、近隣住宅の敷地にひび割れなどが発生。地盤改良工事の工法を変更するため、事業費がさらに1千億円増えることも明らかに。総事業費は当初の2・5倍、約2900億円に上ります。
 さらに今夏には全線開通が、当初の計画から最大8年遅れることも判明。それでも市は、万博用のシャトルバスを走らせる仮設道路を造る計画で、その費用は数十億円ともいわれています。

立ち止まれと指導すべき

淀川左岸線2期事業の工法変更や事業費上振れなどの問題について行われた懇談=13日、東京・参議院会館内

 懇談には清水氏の他、山中智子、長岡ゆりこ両大阪市議、山田みのり党福島区生活相談所長(大阪市議候補)、地域住民らが参加しました。
 沿道の住宅に被害を与えたのは、地盤改良工事で採用された、砂のくいを打ち込む「サンドコンパクションパイル工法」。長岡氏が、変更する別の工法で大丈夫なのかと質問したのに対し、国交省は市から被害実態の報告を受けたとしながら、いずれの工法にも問題はないなどの答えに終始しました。
 山中氏は、別の工法なら絶対大丈夫という保証はないと指摘。事業費が異常に上振れしている中で、「国として大阪市に(事業を)立ち止まれという指導すべき」と主張。山田氏は被害実態の写真も示し、「福島区内でも被害は出ている。住民の思いを受け止めるよう大阪市に指導を」と求めました。
 清水氏は、万博期間中の仮設道路の建設・撤去費用を国は補助するのかと質問したのに対し、国交省は「2期事業の事業費には入っていない。万博に必要で大阪市が用意すると言っている」と説明しました。
 地域住民が、事業費が上振れするなど「事業として継続させる理由がない。厳しい視点で国は対応すべき」と求めたのに対し、「堤防内に構造物を入れるという技術的判断を下した責任はある」と認めました。

(大阪民主新報、2022年12月25日号より)

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