おおさかナウ

2022年12月17日

夢洲カジノ用地評価額談合の疑惑深まった
誘致計画は即刻中止を
大阪市議会都市経済委 井上浩議員が追及

 6日の大阪市議会都市経済委員会で日本共産党の井上浩議員が、カジノを核とする統合型リゾート(IR)の誘致計画を巡り、大阪湾の埋め立て地、夢洲(ゆめしま)のIR予定地の不動産鑑定評価の談合疑惑を追及しました。

IR事業を考慮外にと指示

 松井一郎大阪市長(日本維新の会顧問)らが誘致を狙うIRは、カジノやホテル、展示場などを備えたものです。市は2018年から土地の価格調査や鑑定評価を計3回、延べ9回実施しましたが、鑑定に当たりIR事業を「考慮外」とするよう指示。鑑定業者はIR用地全体をショッピングモールのような「大規模複合商業施設用地」として評価しました。
 井上氏がその理由をただしたのに対し、大阪港湾局は、「これまで国内で実績がないなどIR事業の特殊性により、鑑定業者から評価の前提とするのは適切でないとの意見を踏まえ、市として判断した」と答えました。

鑑定としてあり得ない手法

 井上氏は、要であるIRを外すことは、不動産の価値を最大限に引き出す使用方法である「最有効使用」の原則に反し、不動産鑑定評価基準に沿った評価ではないと反論。「大規模複合商業用地のみとして敷地全体を評価したのは、通常の鑑定の仕方としてあり得ない手法だ」と指摘しました。
 大阪港湾局は、鑑定業者が「循環論」を主張したと説明。IR事業を考慮して土地の賃料を鑑定する場合、IR事業者の事業計画を前提にしなければ鑑定が成り立たないという珍説です。

疑惑まみれのIR誘致計画

質問する井上議員=6日、大阪市議会都市経済委員会

 井上氏は、循環論を唱えた2社のうち1社は、業界トップの日本不動産研究所(本社・東京)だが、循環論は不動産鑑定評価基準にも鑑定業界にも存在しない用語で、「珍説だ」と批判。「鑑定評価とは、鑑定士が依頼者や土地利用者から独立して、その土地の最有効使用を判定して評価するもの。特定事業者の計画が必要ということはない」と断じました。
 井上氏は、「IRを考慮外として土地の価値を著しく下げるなどということは、断じて認められない。評価額談合の疑惑は一層深まった。疑惑まみれのIR誘致計画は即刻中止すべき」と力説しました。

(大阪民主新報、2022年12月18日号より)

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