おおさかナウ

2022年11月26日

学校給食の無償化を

〝大賛成〟 署名に大反響 池田 目標超え広がる

 池田市の市民グループ「学校給食費無償化を求める実行員会」は、小中学校の給食費の無償化を求める署名運動に取り組んでいます。駅頭などで集めた署名は目標を上回り、1500筆を超えました。「給食無償化で子どもたちの笑顔を」。そんな思いが広がっています

 「朝ごんを食べずに登校する同級生がいると聞くと、子を持つ親としてつらい」「シングルマザーの知人は仕事を3つ掛け持ちして、生計を立てています」「保護者負担を少しでも軽減してほしい」。
 8日、阪急池田駅前で取り組まれた署名活動では、子ども連れの母親や年金暮らしの夫婦など、世代を問わず「大賛成!」と署名に列ができ、1時間で130人分が寄せられました。

時限的措置を来年度以降も

学校給食の無償化継続を求めて署名を集める人たち=8日、池田市内

 小学5年生と中学1年の子を持つ母親(40)は、「近所に住む中学生は、夜に菓子パンを1人で食べています。親が給食費を払えず悲しい思いをする子どもを守ってほしい」と署名。私立中学校に子どもを通わせる母親(25)も、「給食費を補助する自治体が増えて、国の教育政策も良い方向へ動いてほしい」と署名しました。
 池田市は子育て支援の一環として、国の新型コロナ対応地方創生臨時交付金を活用し、7月から小・中学校の給食費を無償化しています。
 市民による署名は、時限的措置の無償化を、来年度以降も継続するよう求める内容で10月初旬にスタート。街頭活動では毎回100人以上が署名するなど反響は高く、今月末頃に市議会に提出する予定です。

より良い学校給食へ学習会

 今月開いたミニ学習会では、「食育」の観点から学校給食の役割や課題を学び合い、給食を巡る児童・生徒の現状や、調理業務を外部委託した問題点などが報告され、「給食無償化を絶対に継続してほしい」「食材や献立の充実など、より良い学校給食を実現したい」と話し合いました。
 学習会に参加した小学生の子ども2人を育てる田中光代さん(40)は、「一人一人の子どもに寄り添った教育を実現したいと思った」と感想を語り、その日のうちに署名用紙を持って知人宅を訪問。田中さんは「子どもたちの身体をつくる食事は、とても大事だと思う。子どもたちのために多くの方が署名を集めて頑張っている姿に胸を打たれました。黙食やマスク生活など、学校生活で気になる課題も一緒に考えていきたい」と話します。

皆大切にされる地域社会に

 実行委員会の共同代表で、中学3年と小学6年の子どもを育てる高田オリエさん(50)が語ります。
 「日本の社会には、十分食事をとれず、おなかを空かした子どもがいる現実があります。一人の大人として黙って見過ごせないし、憲法26条の規定通りに給食無償化を実現してほしい。多くの市民と手を結び、未来を担う子どもたちを育み、赤ちゃんからお年寄りまで、みんなが大切にされる地域社会を目指したい」

給食無償化 市民の声届け財源・展望示す
論戦リードする日本共産党

 公立小中学校の給食費を自治体が補助する動きが、大阪府内でも広がっています。田尻町ではすべての児童・生徒の給食費が無償化され、高槻市も今年4月、子育て世代の負担軽減を目的に公立中学生の給食費を無償にしました。学校給食の無償化を求めて議会論戦を進める日本共産党の高槻、池田の各市議団の取り組みについて、きよた純子高槻市議、小林よしみつ池田市議の報告を紹介します。

子どもの成長助ける完全無料化目指して

高槻

 高槻市は今年4月から市立中学全18校で学校給食を完全無償化しました。1人年間5万円の負担軽減となり、所得制限も無く大変喜ばれています。2012年にスタートした中学校での温かい給食(自校調理4校、親子方式14校)と共に、市民の願いが市政を動かした大きな成果です。
 高槻市議団は、学校給食の充実を求める市民の声と連携し、「お金がないために昼食を我慢する子どもがいる」と議会論戦を重ねてきました。中学校給食は「温かくておいしい」と大変好評で、保護者にも安心感があります。小学校給食費も物価高騰対策として、今年の夏休み明けから3月末まで無料になっています。
 「地域に子ども食堂ができて食費が助かっています。これで3足400円の靴下を子どもに買える」という話を聞くなど、貧困の広がりも実感しています。学校給食は子どもの心身の成長を支えるものです。どの子も健やかに暮らせるように、高槻市議団は、小学校でも学校給食費を制度として無料にできるように求めています。

憲法にある「義務教育は無償」の実現へ

池田

 池田市議団は憲法26条に定める「義務教育は無償」の文字通りの実現と、子育て支援拡充のためにも学校給食費無償化を求めてきました。そうした声を反映し、池田市は国の新型コロナ対応地方創生臨時交付金で、7月から今年度限りの給食費無償化を実施しました。
 物価高が続き、新型コロナの状況も予断を許さない中、市民が実行委員会をつくって給食費無償継続をと運動されています。市長は「費用が大きいため、財源を見て検討」との姿勢ですが、市議団は9月議会で「制度として無償を」と一般質問し論戦を進めています。
 池田市には決算審査の論議を予算に反映させるため、議会として予算提言を行う仕組みがあります。文教病院常任委員会では、学校給食費について、「物価高騰に伴う家庭への影響を考慮し、学校給食費の無償化を実施すること。小中学校等の一斉実施が困難である場合には、中学校を優先して実施すること」と各会派一致し、提言することになりました。
 制度として「給食費無償化」実現へ今後も奮闘していきます。

(大阪民主新報、2022年11月27日号より)

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