おおさかナウ

2022年11月12日

府立3高校を廃校に
平野・かわち野・美原 9年間で17校も
大阪府教委 維新主導の条例で

 府教委は8日に教育委員会議を開き、今年度の再編整備の対象となった平野高校(大阪市平野区)と、かわち野高校(東大阪市)、美原高校(堺市美原区)の3校を2024年度から募集停止すると決めました。14年以降の9年間で、募集停止の高校は府立と大阪市立合わせて17校になります。

3年定員割れで統廃合の対象に

 維新が主導し、3年連続定員割れした高校を統廃合の対象とする規定を、12年に府立学校条例に盛り込みました。
 一方で府教委は子どもたちのセーフティーネットとして、府立高校の定員が進学予定者数を上回るよう調整しています。そのため毎年必ずどこかの高校が定員割れを起こすことになります。定員割れの高校がなくなれば、多くの子どもたちが昼間の高校への進学を諦めることになります。

学ぶ権利守って少人数学級を
高校守る会 存続求め署名1万人

高校の存続や教育環境の改善を求め「大阪の高校を守る会」が署名を提出しました=7日、大阪市中央区内

 「大阪の高校を守る会」は8月末の対象校発表以降、3校の存続や、全ての府立学校で教育条件改善を求める署名1万481人分を集め、うち9千924人分を7日に府教委に提出しました。
 署名提出で「守る会」の奥野喜久夫会長は、「募集停止された学校では、廃校までに学校行事は減り、食堂の運営もできなっていく。こんなつらい思いを、教育行政は子どもたちにさせないでほしい」と訴えました。
 提出には対象校や地域の教員、PTA経験者らも駆け付けました。

一人一人に寄り添った教育こそ

 各氏は、「通学定期代が払えず自転車でしか通学できない子もいる。病気の親やきょうだいの世話を日常的にしている『ヤングケアラー』もいる。小・中学校で不登校になり、学び直しが必要な子もいる。一人一人に寄り添った教育をしているのが『定員割れ』とされる高校だ」、「このまま減っていけば、どんどん子育てしにくい街になっていく」などと訴えました。
 府高教の志摩毅委員長は、「大阪はマンモス校が多い。将来、少人数学級を実施するならば、いまの高校数は必要だ」などと指摘しました。

地域も無視 撤回を 守る会

 8日の教育委員会会議の決定を受け、「守る会」は同日、声明を発表しました。
 声明は、平野高校の元校長や同窓会会長、PTA会長や、対象校の通学圏内にある松原市の校長会などが存続を求めていることに触れ、地域住民を無視した決定は断じて容認できないとし、撤回を求め2月府議会への請願行動に全力で取り組むとしています。

(大阪民主新報、2022年11月13日号より)

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