おおさかナウ

2022年07月30日

カジノの是非 住民投票で
直接請求署名19万人分提出
知事・府議会は府民の声を聞け

府庁前に当直した19万人分の直接請求署名と各地域の代表者ら=21日、大阪市中央区内

 大阪府と大阪市が進めるカジノを核とする統合型リゾート(IR)の誘致計画について、市民団体「カジノの是非は府民が決める 住民投票を求める会」が21日、吉村洋文府知事に対し、誘致の是非を問う住民投票条例の制定を直接請求しました。府内72市区町村で寄せられた署名は21万134人分(有効数19万2773人分)に上りました。この日、署名の入った段ボール箱約200個を積んだトラックが府庁前に到着。600人がヒューマンチェーンで府庁を囲み、「知事と府議会は、府民の声を聞いて」とアピールしました。

 直接請求には府内の有権者数の50分の1(約14万6千人分)が必要で、同団体は期間中に、必要数を上回る約21万人分の署名を集めました。選挙管理委員会での審査手続きの結果、72市区町村で計19万273人分が有効と確認されました。
 同会は署名簿とともに、有権者がIR誘致に賛成か反対かを投票することなどを内容とした条例案を府職員に手渡しました。
 府庁前の事前行動では、府内72市区町村の代表が、集めた署名数を記したプラカードを手に、「民主主義の手続きにのっとった府民の声を聞いて」などと訴えました。
 署名簿提出の席上、同会の西澤信善共同代表(神戸大名誉教授)は、「短期間で集められた府民の声を聞いてほしい。住民投票は、行政に民意を反映させる上で最も尊重されるべき手続き」と求めました。
 同会メンバーの男性は、「民主主義のプロセスに基づき集めた署名の重みを考えてほしい。住民投票は有権者一人一人が参加できる究極の民主主義だ」、「府議会の皆さんも、府民の声を踏まえて行政に関わってほしい」、「若い人たちが『意見表明の場を与えてくれありがとう』と賛同してくれた。多様な府民の意見を少しでも反映させる努力をしてほしい」、「一筆一筆に有権者の思いが詰まっている。その思いを無駄にしないでほしい」などと訴えました。
 日本共産党の辰巳孝太郎元参院議員も掛け付けました。辰巳氏は「21万人の署名に託された有権者の思いを、行政と議会はしっかりと受け止める必要がある。府内各地で署名集めに尽力された方々に敬意と連帯の思いを表す。賛否が分かれる問題だからこそ、慎重な民主的手続きによって行政運営はなされるべきだ」と語りました。

集まった署名を前に直接請求する人たち=21日、大阪市中央区内

(大阪民主新報、2022年7月31日より)

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