反社団体・旧統一教会と自民・維新
参議院選挙中の8日、奈良市内で演説していた安倍晋三元首相が銃撃を受け死亡した事件で、容疑者の男が安倍氏を狙った理由に、安倍氏が旧統一協会(世界平和統一家庭連合)と深い関わりがあると思ったとされていることから、旧統一協会と政治家との関係が一気に浮上しています。
以前から追及・被害救済してきた共産党
日本共産党の小池晃書記局長は19日の会見で、同党が以前から協会の問題点を追及してきたとした上で、高額献金などの被害者救済に全力を挙げるとともに、自民党などとの癒着の実態を徹底追及すると表明しました。
霊感商法など反社会的行動繰り返してた
旧統一協会は、1975年ごろから「先祖の霊がついている」などと被害者の不安をあおる「霊感商法」などで社会的な問題を起こしてきました。大阪でも、家族が持病で苦しんでいる女性から、朝鮮人参濃縮液やつぼ代など高額の金をだまし取ったとして、大阪地裁が霊感商法の国内販売組織を統括している法人に損害賠償命令を出すなど、被害を生んできました。
長年、霊感商法の被害者救済に当たってきた加納雄二弁護士は、「大阪は示談で済ませていることが多く、あまり表ざたにはならないが、母親が以前多額の寄付をしたとの相談が最近もあった」と話します。
また、旧統一協会と一体の右翼団体「国際勝共連合」が共産党攻撃を繰り返し、大阪でも各種選挙で反共謀略ビラを配布。自民党もその活動を支援していました。
自民党はじめ維新の会も多数名前挙がる
今回の銃撃事件を機に、関連団体主催のイベントに安倍元首相がビデオメッセージを贈っていたことなど、自民党の政治家との関係が次々明らかになっています。
大阪では、谷川とむ、柳本顕衆院議員が17年の「勝共UNITE KANSAI」参加。同年、大阪で開かれた家庭連合「孝情ファミリーフェスティバル」で柳本卓治元参院議員があいさつ。佐藤章氏ら8人の衆院議員(当時)秘書が来賓参加と言われています。
大阪の日本維新の会国会議員の名前も、多数挙がっています。
足立康史衆院議員は18年4月、関連団体「世界戦略総合研究所」の定例会で講演。高木佳保里議員は今年4月の世界平和女性連合大阪南創立30周年記念の集いであいさつ。馬場伸幸共同代表、藤田文武幹事長も団体パーティーに参加。伊東信久衆院議員が支部長を務める大阪第19区支部は、世界女性連合大阪第19連合会に会費を納めています。
府議時代に勝共連合の集会に参加したことがある松井一郎共同代表・大阪市長は22日の会見で、霊感商法について「法律で止められる話でもない」「何百億持っている人から見ると大した金額じゃない」などと述べました。
新たな不幸や問題を生まないためにも、反社会的集団と政治家との癒着の徹底究明が求められています。
(大阪民主新報、2022年7月31日より)