おおさかナウ

2022年07月08日

暮らし守る具体策なし  大軍拡や改憲をさけぶ
カジノに一言も触れず 自・公・維の政見放送を見る

 参院大阪選挙区に立候補している自民、公明、維新の現職は、政見放送で何を語り、何を語っていないでしょうか。

消費税減税に言及せず

 物価高騰と円安から庶民の暮らし、中小企業の経営をどう守るかが、参院選の大争点に浮上しています。
 しかし岸田政権与党の自民現職は、物価高騰や円安問題に何も触れていません。「対策に取り組んできた」という公明現職ですが、具体的に挙げるのはガソリン補助金の拡充や、同党が公約したマイナポイント事業のポイント付与など。物価高騰に最も効果があり、世界90以上の国・地域で実施している消費税減税はまったく無視です。
 自民現職はこの30年、日本では実質賃金が上がっていないと述べ、「お給料の上がる経済」をつくると言いますが、具体策は不明。公明現職は、賃上げに取り組む企業への法人税優遇措置を挙げますが、実際には効果が見えないものです。

格差広げる「規制改革」

 維新の2現職も、物価高騰や円安問題に触れません。
 男性現職は「この日本を元気にし、皆さんの暮らしを豊かにしたい」と、「規制改革・構造改革」を主張します。実際にやろうとしているのは、賃金が低く身分も不安定な非正規雇用の拡大や格差を広げた労働法制の規制。女性現職は「(日本経済は)賃金が上がらず格差は広がるばかり」と言いますが、ますます格差を広げるのが維新の「改革」です。

大軍拡の中身を語らず

 ロシアのウクライナ侵略に乗じて自民や維新は大軍拡や改憲を叫んでいます。自民現職は、ウクライナから学ぶべきことは「自分の国は自分で守る」ことで、「抜本的に防衛力を強化」と主張しますが、その中身を語りません。
 自民の参院選公約には、軍事費の対GDP(国内総生産)比目標を「2%」とし、「来年度から5年以内」の達成を明記。GDP比2%なら軍事費を5兆円増やすことになり、消費税増税や社会保障の大削減は必至です。
 維新も「この国と国民を守るために必要な政策と防衛力を整備」(男性現職)、「ロシアによるウクライナ侵略は日本にとって他人事ではありません」(女性現職)と言いますが、参院選公約に明記する「GDP比2%」には触れません。

「核共有」などにだんまり

 また自民と維新の現職は公約に掲げる「敵基地攻撃能力」保有についても何も語りません。
 日本維新の会の松井一郎代表(大阪市長)らは「核共有」の議論開始を公言し、参院選の政策提言にも明記していますが、両候補とも何も語ろうとしません。
 自民現職は、自衛隊を9条に明記する改憲などに取り組むと強調し、維新の2現職も改憲を主張。公明現職は、防衛大臣政務官として「平和安全法制を整備」したと自慢。同法制は、自衛隊の海外での武力行使を可能にする戦争法そのものです。「将来的には、核兵器禁止条約への加入を目指し」と言いますが、それなら、同条約に背を向ける岸田政権となぜ連立を続けるのでしょう。

カジノ認可は大争点に

 カジノは賭博であり、人の不幸の上に成り立つもの。そのカジノを核とする統合型リゾート(IR)の大阪誘致を巡っては、誘致計画を国が認可するかどうという段階に入っており、参院選でも大阪の大争点です。
 大阪選挙区(改選数4)の議席を独占する自民、公明、維新の現職は、全員がカジノ推進派。ところが政見放送ではカジノ誘致について一言も触れていません。

(大阪民主新報、2022年7月10日より)

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