おおさかナウ

2022年07月02日

暮らし・経済、平和・憲法、カジノ誘致
日本共産党VS自民・公明・維新
参院選争点 違いくっきり

 10日投開票で行われる参議院選挙の論戦は、公示前の党首討論や各党の「第一声」、大阪の選挙「公報」などを通じて、平和と暮らし、カジノの問題で日本共産党が攻勢的な政策を掲げ、政治の転換を掲げる日本共産党か、守勢に回る自民、公明、維新「翼賛勢力」かという構図が浮き彫りになっています。主な争点について見ていきます。

日本共産党

 日本共産党とたつみコータロー候補は、暮らし、平和、カジノの「3つの対決点」を、①物価高騰を抑え、暮らしと経済を立て直す力は「消費税減税」「賃上げ」だと、旗幟鮮明に訴え。②平和・安全保障については、「軍事対軍事」ではなく、「9条をいかした平和外交こそ戦争をさせない道」を示す、③「カジノ」を重大争点として正面から訴え、大阪を博打(ばくち)の街にしない、「住民投票をと20万筆以上寄せられた府民の声を聞け」と主張。自由と平和を貫いてブレずに100年、アメリカいいなり、大企業中心のおおもとを転換する日本共産党の姿を突き出す訴えを広げています。

自・公・維

 一方、自民、公明、維新の訴えはどうか。

①暮らし・経済対策
 自民、公明は「物価対策」をいうものの、物価高騰から暮らしと営業を守る決め手である「消費税減税」は拒否。「社会保障の財源」「事務が混乱」などと「できない理由」を並べますが、消費税が社会保障ではなく大企業減税の穴埋めに使われた事実には口をつぐみます。
 維新は「異次元の金融緩和は大賛成」とアベノミクス推進の立場。賃上げには一切触れず、「解雇規制が給料が上がらない最大の原因」として、賃金の低い非正規雇用の拡大など、労働法制の規制緩和のいっそうの推進を政府に迫ります。

②平和・改憲
 自民、維新ともに「GDP2%の軍拡」を公約に掲げながら、公示後の街頭演説でも、大阪選挙区「公報」でも、「軍事費2倍化」にはほとんど触れません。
 また維新の2候補は、NHKの候補者アンケートで「非核三原則についてどう考えるか」と問われて「無回答」。維新が掲げる「核共有」にはだんまりを決め込んでいます。

③カジノ
 大阪でカジノ誘致にまい進する維新ですが、「カジノ」については、ビラでも街頭演説でも、政党・選挙区の「公報」でも、一言も触れていません。NHKの候補者アンケートでも、「カジノを含むIR誘致」への賛否を問われ、自民候補と維新の女性候補は、「無回答」。ここでもだんまりを決め込んでいます。(日本共産党大阪府委員会政策委員会)

 

日本共産党

自民党・公明党

維新

異次元の金融緩和 異常円安、物価高騰を招いている「異次元の金融緩和」をやめ、金融頼みではなく実体経済を良くする 継続 「異次元の金融緩和は大賛成」(2014年2月12日中山成彬衆院議員、当時)と発言し、異常円安による物価高騰を招いている今「継続」を主張
消費税 すべての物価を一気に引き下げる消費税減税は最も効果的。5%に緊急減税 減税を拒否 2年を目安に5%に引き下げる
消費税のインボイス制度 零細業者やフリーランス、シルバー人材センター等に大打撃になる。中止法案を提出 推進 推進。制度導入時に「インボイスは世界標準…徴収漏れ対策としても、インボイス制度の導入を」(14年2月14日田沼隆志衆院議員、当時)と主張
政治の責任での賃上げ 大企業の内部留保への課税制度を新設。賃上げ分を減税する制度にし、賃上げへ誘導 効果の見えない「賃上げ促進税制の活用」など 「解雇規制が給料が上がらない最大の原因」と主張。賃金が低い非正規雇用の拡大など雇用の劣化と格差を広げた労働法制の規制緩和のいっそうの推進を自公政権に迫る
最低賃金の引き上げ 内部留保課税で作った10兆円を中小企業支援(赤字企業でも負担する社会保険料支援)に使い、時給1500円にする できる限り早期に全国加重平均1000円以上を目指す 「維新八策2022」に最賃の記述無し。2012年総選挙公約で「最低賃金制の廃止」を掲げ、橋下氏は「企業に最低賃金を課すと、それを出せない企業が本当だったら2、3人雇えるのに1人しか雇えない」などと歯止めのない賃下げ論を展開。12年12月2日)
物価高騰下での年金削減 削減中止。「年金カット法」による賃金の指標がマイナスになった場合に、年金もそれに合わせてマイナス改定する仕組み撤廃 「年金カット法」を制定。削減に言及せず 削減に言及せず
高齢者医療費2倍化 10月実施の中止・撤回求める コロナ禍で2倍化法を制定し、推進 「2倍化法」を「一歩前進だ」と評価し、さらなる範囲の拡大を要求
病院・病床削減の地域医療構想 地域医療構想の名による急性期病床削減は中止、拡充に転換。医療崩壊起こさない医療・保健体制つくる コロナ禍の2011年に消費税を財源にした補助金で病床削減を支援する法律まで制定 「(病床削減)2025年(達成)では駄目。前倒し(達成)」を主張。コロナ禍のもと大阪で394床の急性期病床削減。2022年度も削減推進
男女の賃金格差解消 男女の賃金格差開示などで格差をゼロにする 自民=男性と女性の賃金の割合開示を義務化
公明=男女間の賃金格差公表を求める(自公とも昨年総選挙政策ではなかった)
維新八策に格差公表の記載無し。「男女共同参画」の項で、「同一労働同一賃金」を記載するが、正規職員の賃下げも含む名ばかりの明記
カジノ大阪誘致 反対。国は認可するなと求める 推進だが選挙でダンマリ 推進だが選挙でダンマリ
憲法9条に自衛隊明記 反対。後でつくった法律は前につくった法律より優先され、9条2項「陸海空軍その他の戦力は保持しない」が空文化する 自民=推進。「憲法改正を早期に実現する」「改正条文のイメージとして①自衛隊明記②緊急事態対応を提示」
公明=容認。「自衛隊違憲論を解消するため、自衛隊の存在を明記すべしとの意見があるが、引き続き検討」
推進。「自衛隊を明確に規定します」(維新八策2022年)
憲法に「緊急事態条項」 反対。自民党の改憲案は、大地震などの大規模な災害の発生を理由にしているが、現行法で対応可能。自民案は戦時の災害も想定している。その際の人権の制約、批判の封殺などができる国家体制づくりがねらい 推進。自民より露骨で「他国による武力攻撃や大災害、テロ・内乱、感染症蔓延などの緊急事態に対応するための『緊急事態条項』の制定に取り組みます」(維新八策2022年)
軍事費増強・GDP2%へ 反対。「力対力」でなく「外交による平和を」、軍事費増額による大軍拡は日本を危険な道に引き込むだけでなく、暮らしも押しつぶす 推進。自民・松川るい参院議員「私は一番許せないのは憲法前文。こんな他力本願な前文を持つ国なんてない」「軍事費GDP比2%」を主張(6月12日・決起大会)
公明・北側一雄副代表「防衛費増額は避けて通れない」
推進。「防衛費のGDP1%枠を撤廃し、まずはGDP2%を一つの目安として増額」(維新八策2022年)
「敵基地攻撃能力」の保有 米国の戦争に自衛隊が参戦。相手国にとっては日本による先制攻撃に他ならず、日本の国土が全面戦争に巻き込まれる 自民は「反撃能力」と言い換え、「反撃能力の対象範囲は、相手国の指揮統制機能等も含むもの」と政策に明記 「専守防衛」の「規定・解釈の見直し」を明記(維新八策2022年)
「核共有」 被爆国日本が「核共有」の議論などあり得ない。核兵器禁止条約に速やかに参加すべき 安倍元首相「核共有」論をテレビで発信し、「核の抑止力は安全保障上の戦略において重要」と発言 「核共有を含む拡大抑止に関する議論を開始します」(維新八策2022年)
原発再稼働 原発ゼロの日本をめざし、再稼働をやめ、原発・核燃サイクルからの撤退 岸田首相、原発を「最大限活用」(4月8日記者会見)、6月7日閣議決定で「原発再稼働」を明記 小型原発推進。物価対策だとして「原子力発電所は可能な限り速やかに再稼働」と主張

(大阪民主新報、2022年7月3日より)

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