おおさかナウ

2022年07月02日

城東区大阪市議補選10日投票
岡本こうし候補の勝利で松井維新市政に審判を
日本共産党城北地区委員会 渡司委員長に聞く

 維新の会の大阪市議が参院選(比例)に立候補し、辞職したことに伴う城東区市議補選(被選挙数1、1日告示・10日投開票)に、日本共産党は新人の岡本こうし氏を擁立し、必勝に向けて全力を挙げています。今回の補選の意義や争点、たたかいについて、同党城北地区委員会の渡司考一委員長に聞きました。

訴える岡本こうし候補

――今回の補選で、問われるものは。
渡司 維新市政の全体像が問われます。新型コロナによる大阪の死者は5206人(6月28日現在)で東京を上回る中、府内人口の3分の1近くを占める大阪市は、市民の命と健康を守るためにその責務を果たすことが求められてきました。
 ところが維新市政のコロナ対策は大阪府任せで、市の独自施策はほとんどなく、医療・保健体制の抜本的な拡充にも程遠い状況。コロナ禍をよそに、大阪市廃止・分割の「都」構想の是非を問う2度目の住民投票を強行し、カジノ誘致に突き進んできました。
 財政調整基金は2118億円(22年度末見込み)もため込みながら、国民健康保険料は今年度4%引き上げ、維新市政の11年間では15%もの引き上げです。介護保険料は全国の市の中で最も高いなど、市民に冷たい市政の姿が浮き彫りです。
 一方でカジノ・万博関連の巨大開発には、立ち止まることなく突き進んでいます。淀川左岸線2期工事は総事業費が2度も上振れし、当初の約2・5倍の約2900億円に膨れ上がっています。
 松井一郎市長(日本維新の会代表)は「カジノには税金を1円も使いません」と公言してきましたが、夢洲の土壌汚染対策に約790億円もの公金投入を決めたことに、批判が高まっています。
 補選は、こうした維新市政の実際の姿を知らせ、変えていくチャンスです。

――日本共産党大阪市議団は、城東区選出の山中智子団長を先頭に、維新市政と一貫して対決し、政令市の力にふさわしい自治体としての役割を発揮するよう求めてきました。
渡司 議員団はこの間、「カジノ誘致のための大型開発を見直し、市民の命と健康、暮らしを最優先に」と論戦を展開し、実効あるコロナ対策の強化を繰り返し市に求めてきました。
 カジノ誘致問題では、「人の不幸の上に成り立つ賭博で大阪の成長はあり得ない」と、カジノの標的は大阪周辺の市民であることや、公費投入の問題点を明らかにするなど、市民の反対運動と結んで徹底論戦を続けてきました。
 日本共産党市議団は19年の市議選で、残念ながら4人に後退しました。岡本さんは過去2回の府議選に立候補し奮闘した、試され済みの候補者。岡本さんが勝利すれば、市議団は交渉会派となる5人の議員団となり、本会議での質問などもできるようになります。市民の声をさらに市政に届けることができ、来春の市議選も展望して、大阪市の公的役割をよみがえらせる上で決定的な力になります。

――参院選と同日の投開票。国政とも結んで、政党選択が問われます。

渡司考一委員長

渡司 ウクライナ危機に乗じて、自民党や維新の会が「軍事費2倍」「9条改憲」の大合唱を行っています。松井市長は、非核三原則を「昭和の価値観」と攻撃し、「核共有」の議論を始めるべきだと公言しています。被団協が厳しく抗議し、撤回を求めており、維新の会に被爆国・日本の政党としての資格はありません。
 大阪市は「平和都市宣言」(95年)で、「日本国憲法の基本理念である恒久平和と国是である非核三原則を踏まえ、核兵器の速やかな廃絶を強く訴え、国際社会の平和と発展に貢献する」と誓っています。この宣言に照らせば、松井氏には市長の資格もありません。
 平和と暮らしを壊す逆流に立ち向かい、9条を生かした平和外交、物価高騰対策や「やさしく強い経済」など日本共産党の訴えと姿を、維新支持層や自公支持層、「政党支持なし層」にも広げ、比例での躍進、大阪選挙区での、たつみコータロー候補の必勝と一体に、補選勝利を勝ち取る決意です。

(大阪民主新報、2022年7月3日より)

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