おおさかナウ

2022年04月09日

ありのまま 〝カラフルな社会〟に
たつみ氏「国政ミーティング」
LGBT当事者迎え語り合う

オンライン番組で語り合う(左から)渡部、たつみ、井上、瓜本の各氏=3月29日

 たつみコータロー参院大阪選挙区候補(前参院議員)の「あなたと政治を語り変えていく懇談会」シリーズ第4弾が3月29日オンラインで行われました。ゲストに性的少数者(LGBTなど)の当事者でレズビアンカップルの井上ひとみさんと瓜本(うりもと)淳子さんを迎え、「ジェンダー平等―変えようカラフルな社会へ」をテーマに語り合いました。同党府ジェンダー平等委員会責任者の渡部結副委員長が進行役を務め、「ユーチューブ」でライブ配信。番組録画はたつみ氏の「ユーチューブ」チャンネルで視聴できます。

 井上さんと瓜本さんは最初に、性的少数者の総称として主に用いられる「LGBT」について、「L」は女性の同性愛者のレズビアン、「G」は男性の同性愛者のゲイ、「B」は異性・同性ともに恋愛対象になるバイセクシュアルの頭文字で、好きになる性別=「性的指向」を示す概念だと紹介。一方、「T」はトランスジェンダーの頭文字で、自分の性別についての認識「性自認」を指し、「出生時に割り当てられた性とは異なる性自認で生きている、または生きていたい人です」と紹介しました。

当事者は身近にいると想像して

 性的少数者はLGBT以外にも性的指向や性自認をまだ決めたくない人「クエスチョニング」、規範的な異性愛以外の全てのセクシュアリティーを指す「クィア」、さらに男女いずれも好きにならない人などさまざま。日本の性的少数者は人口の3~10%との調査結果を示し、「皆さんの身近にもいると思い浮かべてほしい」と語りました。
 井上さんは高校生の時、自身がレズビアンだと自覚したと振り返り、授業で「同性愛を否定する理由を見出せない。無知であることから自分を傷付け、人を傷付けない人であってほしい」と語った教員の言葉に勇気をもらい、自己肯定感を高める契機になったと語りました。

祝福されないと思っていたが…

 「彼氏はいるの?と質問されたり、婚活パーティーに誘われ返答に詰まった」「パートナーを友達とか同居人と説明してきた」。同性愛者であることを周囲に公表していなかった時期は、小さなうそを重ねているようで罪悪感に苦しんだという2人。公開イベントで700人を前に結婚式を挙げカミングアウトしたと述べ、「周りから祝福されることは一生ないと思い続けていました。存在を認めてもらえるという安心感は大きい。幸福を追い求めるスタート地点に立てた」と話しました。

誰にも相談できず悩む人が多い

 同性カップルを戸籍上の家族と認めない民法などの課題に触れ、「同性婚を国が認めることで、当事者の不安解消や差別と偏見の解決につながる」と強調。「性的少数者の人たちは、誰にも相談できず悩む人が多く、自殺に向かう現実もあります。全て理解することは難しくても、知識として知って、当事者の気持ちを想像してほしい。できれば支援する人(アライ)になって、寄り添ってもらえればうれしい」と語りました。
 「お話を聞きながら胸が熱くなりました」。たつみ氏は感想を述べ、「性的少数者が差別的扱いを受けることなく、平等に、ありのままに生きられる社会でなければなりません。政治の最優先課題の1つとして、同性婚実現など法整備に全力を挙げたい」と語りました。

共産党のポスター見てうれしく

 瓜本さんは、街中に「ジェンダー平等」と書かれた共産党のポスターを見つけるとうれしいですと語り、「どうして共産党は『ジェンダー平等』の実現を掲げているのですか?」と質問しました。
 たつみ氏は、日本共産党自身が1970年代に同性愛に対して偏見に基づく認識を持っていた経過、2020年の綱領改定で「ジェンダー平等社会をつくる」と明記したことを紹介。「私自身も常に学ぶ立場で、社会にある無知と偏見を取り除くよう行動していきたい」「ジェンダー平等社会は政治が変われば実現できます。決めたからにはとことん追求していきますよ」と力を込めました。

めちゃくちゃ頼もしいなと感じ

 井上さんと瓜本さんは、「ジェンダー平等ってあまり選挙の票に直結しないと感じていました。それでもやってくださると言ってくださりうれしい」「いまの辰巳さんの話を聞きながら、めちゃくちゃ頼もしいなと感じた」と話しました。
 番組中にも視聴者から共感や激励のコメントが寄せられ、「私自身もアンコンシャスバイアス(無意識の偏見)があると思う」などの感想がありました。

同性婚を認めている国

オランダ
ベルギー
スペイン
カナダ
南アフリカ
ノルウェー
スウェーデン
ポルトガル
アイスランド
アルゼンチン
デンマーク
ブラジル
フランス
ウルグアイ
ニュージーランド
英国
ルクセンブルク
メキシコ(※)
米国
アイルランド
コロンビア
フィンランド
マルタ
ドイツ
オーストラリア
オーストリア
台湾
エクアドル
コスタリカ
チリ

導入順。(※)一部の州

同性婚を認めている国は30カ国に

 同性結婚が認められている国は現在30カ国(表参照)で、アジアでは台湾だけです。日本では同性カップルの関係を公的に認める「パートナーシップ制度」を導入する自治体が増えていますが、G7では日本だけが同性婚を認めていません。
 同性婚を認めないのは違憲と訴えた訴訟で札幌地裁は昨年3月、「法の下の平等」を定めた憲法14条違反だとした初の司法判断を下し、注目されました。一方、判決は「婚姻の自由」を定めた憲法24条などには違反しないとし、控訴審が続いています。同性婚を巡る訴訟は5裁判所でも進んでおり、大阪地裁でも6月に判決が言い渡されます。
 (大阪民主新報、2022年4月10日号より)

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